最新の分析により全米で数百万人の小児でビタミンD値が最適値未満であることが確認される/ボストン小児病院 | 海外がん医療情報リファレンス

最新の分析により全米で数百万人の小児でビタミンD値が最適値未満であることが確認される/ボストン小児病院

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最新の分析により全米で数百万人の小児でビタミンD値が最適値未満であることが確認される/ボストン小児病院

全国規模のデータから白人以外の小児が特に高リスクにあることが判明
ボストン小児病院(ハーバード大学医学部関連病院)
2009年10月26日

Pediatrics誌11月号に掲載された大規模な全米のサンプル調査によると、1歳から11歳のアメリカ合衆国内の数百万人の小児でビタミンDが最適値未満の値になっている可能性があることが判明した。またこの記事には付随の論説文も掲載されている。[pagebreak]この調査は、Children’s Hospital BostonのJonathan Mansbach医学博士が中心となって実施され、全米の小児のビタミンD値に関する最新の分析となっている。この調査は、ビタミンDの値が健康であると見なされる値未満に低下しており、黒人およびヒスパニック系の小児がとりわけ高リスクにあることを示す証拠が増加しているために実施された。

ビタミンDの最適な補給量と健康な血中ビタミンD値の両方が、医療関係者の間では激しい論争の的となっている。現在、American Academy of Pediatrics(全米小児科学会)では、小児のビタミンD値を50 nmol/L(20 ng/ml)以上にするように勧告している。しかし、成人を対象にした他の研究では、心臓病や特定の癌のリスクを抑えるために、ビタミンDの値を75 nmol/L(30 ng/ml)以上に、可能ならば100 nmol/L(40 ng/ml)にすべきであると提案している。

Mansbach氏およびコロラド大学デンバー校およびマサチューセッツ総合病院に所属する共同研究者らは、National Health and Nutrition Examination Survey(NHANES、米国全国健康・栄養調査)のデータを活用して、2001年から2006年の期間に全米の代表的サンプルとして約5000人の小児のビタミンD値を調べた。資料に基づいて全米の小児に関して推定すると、全小児の約20パーセントが推奨される50 nmol/L未満にあることがこの研究から示唆される。さらに、ヒスパニック系の小児の80パーセントとヒスパニック系でない黒人小児の92パーセントを含む、全小児の2/3以上でビタミンD値が75 nmol/L未満となっている。

「結果として、健康的で正常なビタミンD値が75 nmol/L以上であるとすれば、米国ではビタミンD欠乏症は一般に理解されているよりも大幅に多く存在している」と、Mansbach氏は述べる。

Mansbach氏と彼の共同研究者たちは、自分たちが発見したように全般的にビタミンD値が低いことが示され、またビタミンDを正常値に引き上げると健康上の利益があると考えられているために、すべての小児にビタミンDサプリメントを摂取させるべきだと提案している。ビタミンDは、骨の健康状態を向上し、小児のくる病を予防する。また最近の研究では、呼吸器感染症、小児喘鳴、冬期の湿疹などの一般的な小児疾病にかかりにくくする効果があるとも示唆されている。

日光浴は、健康に必要な量のビタミンDを生成できるが、皮膚癌を発生させるおそれがある。皮膚科医や米国小児科学会(AAP [前出])では日焼け止め塗るように勧めているが、実際には、日焼け止めを使用するとビタミンDを生産する皮膚の能力も妨げられてしまう。さらに、小児の皮膚色素がより多い場合、健康な値のビタミンDを得るために、肌の色が薄い小児よりもより多く日光に露出することが必要である。ビタミンDは、レバーや脂肪分の多い魚などある種の食品からも摂取できるが、アメリカの小児の場合、ほとんど全員がこうした食品を、夏の日光やビタミンDサプリメントから得られるビタミンDに匹敵するほど十分な量で摂取していない。

今回の研究では、ビタミンDを含むマルチビタミン剤を摂取している小児では、全体的にビタミンD値が高かったが、そうした小児の人数は小児全体の半数に満たない。Mansbach氏は、小児全員がビタミンDサプリメントを摂ることを勧めている。とりわけ冬期に日光照射が減少する高緯度地域に暮らす小児に推奨している。

「ビタミンDで実際にこれらの広範囲の健康状態が改善するかどうかを知るためにランダム化試験を実施する必要がある。しかし、現時点でも、低ビタミンD値と不健康との関連性を示す研究が多数存在する。このため、ビタミンDをより多く摂取することは多くのアメリカの小児に利益があると我々は確信している」と、同氏は述べている。

この調査は、National Institutes of Health(アメリカ国立衛生研究所)の資金提供で実施された。

執筆者: Cassandra Brooks

Children’s Hospital Boston(ボストン小児病院)は、小児医療センターに基盤を置く世界最大の研究組織の本拠地であり、1869年よりその発見の数々は小児と成人の両方に役立ってきた。ボストン小児病院に関係する研究者は500人を超え、その中には、National Academy of Sciences(米国科学アカデミー)の8人、Institute of Medicine(アメリカ医学研究所 )の12人、ハワード・ヒューズ医療研究所の12人などがいる。当初20床の小児科病院として設立されたボストン小児病院は、現在では396床を有する総合小児・青年保健センターとなっており、患者への配慮に優れ、小児およびその家族の複雑なニーズや多様性に敏感であることに高い価値を置いている。ボストン小児病院)は、ハーバード大学医学部の関連施設であり、一次小児科教育施設でもある。当病院とその研究の詳細については、次のURLで参照できる。
www.childrenshospital.org/newsroom.

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桝谷 哲 訳
北村 裕太(農学/医学)監修
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原文


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