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腫瘍血管から前立腺癌のふるまいを予測/オハイオ州立大学

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腫瘍血管から前立腺癌のふるまいを予測/オハイオ州立大学


オハイオ州立大学
2009年11月4日

前立腺癌の診断が出ると、患者も担当医師も癌のふるまいに関して次のような疑問を持つ。腫瘍の増殖が急速で悪性度が高く、治療を継続的に行わなければならないのか、それとも増殖は緩徐で、患者にとって安全に治療とそのリスクを遅らせることができるのか。[pagebreak]オハイオ州立大学総合がんセンターのジェームズがん病院およびソローブ研究所の研究者らがハーバード公衆衛生学大学院と共同で行った研究によれば、その答えは癌の内部にみられる血管の太さと形状にあるとみられる。

572人の限局性前立腺癌の男性患者を対象とした試験において、高悪性度で致命的な前立腺癌には、腫瘍血管が細く、血管の断面は不規則で未発達という傾向が示唆された。その一方で増殖が遅い腫瘍、あるいは低悪性度の腫瘍の血管は正常に近かった。

この知見は10月26日のJournal of Clinical Oncology誌に掲載された。
「まるで、高悪性度の前立腺癌は成長が早すぎて、血管が十分に成熟できないかのようです」と、試験の責任者の、オハイオ州立大学総合がんセンターのジェームズがん病院およびソローブ研究所の内科学教授で、腫瘍内科医・前立腺癌専門医でもあるSteven Clinton医師は述べる。

「前立腺癌は非常に不均一であり、患者の癌のふるまいが急速進行性なのか、ごく平均的なのか、それとも緩徐進行性なのかを予測するすぐれた手段が必要です。外科手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、あるいは血管を標的とした今後の新薬による治療法など、治療過程は患者の癌のタイプに特異的です。より良い予測手段があれば、さらに患者に適した治療過程を決定できるのです」とClinton医師は述べる。

「同様に、もし生検や前立腺切除術の時点で、再発・再燃する癌かどうかをより正確に判断できれば、治療を早く開始できて、治癒の確率が高くなるかもしれません」

前立腺癌は男性において最も一般的な癌であり、アメリカ人男性においては癌死の原因として2番目に多い。

本試験では北米の歯科医、検眼士、足病医、薬剤師、および獣医師からなる男性5万1529人を対象としたHealth Professionals Follow-Up Studyの参加者から得た腫瘍サンプルと臨床上の結果のデータを分析した。
平均で10年の追跡調査ののち、572人中44人が転移性癌を発症していたか、癌により死亡していた。

腫瘍血管の径が小さい男性は、高悪性度の癌を発症して死亡する可能性が6倍高く、血管の形状が最も不規則な患者では、致命的な前立腺癌を発症する可能性が17倍であった。

本知見は、顕微鏡下での前立腺癌の外見に基づいて予後を測る予測因子として広く使われているグリソンスコアや、前立腺癌の存在を識別する血液検査の前立腺特異抗原(PSA)レベルとは無関係であった。

現在のところ、これらの知見は限局性病変を持ち、PSAがわずかに上昇していて年齢が若い、外科手術を選択される可能性が高い男性患者に適用が考えられる。

「もし私たちの発見が大規模な試験によって、特に生検標本における試験で立証されれば、腫瘍の血管構造の測定が、長期生存率の改善という目標へ向けた、治療法選択の決定に役立つかもしれません」

この研究は、米国国立癌研究所が資金提供し、Prostate Cancer Foundationが支援している。

The Ohio State University Comprehensive Cancer Center- Arthur G. James Cancer Hospital and Richard J. Solove Research Institute is one of only 40 Comprehensive Cancer Centers in the United States designated by the National Cancer Institute. Ranked by U.S. News & World Report among the top 20 cancer hospitals in the nation, The James(www.jamesline.com)is the 180-bed adult patient-care component of the cancer program at The Ohio State University. The OSUCCC-James is one of only five centers in the country approved by the NCI to conduct both Phase I and Phase II clinical trials.

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岡田章代訳
野長瀬祥兼(工学/医学生))監修
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原文


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