急速進行性リンパ腫患者に対し標的療法の2種類併用がより有効な可能性/メイヨークリニック | 海外がん医療情報リファレンス

急速進行性リンパ腫患者に対し標的療法の2種類併用がより有効な可能性/メイヨークリニック

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

急速進行性リンパ腫患者に対し標的療法の2種類併用がより有効な可能性/メイヨークリニック

メイヨークリニック
2009年5月14日

1種類ではなく2種類のモノクローナル抗体を、数種類の化学療法剤と併用した場合、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に有効だと考えられることが、North Central Cancer Treatment Group(NCCTG)臨床試験グループと共同で研究を行っているメイヨークリニックの研究者らにより明らかになった。[pagebreak]米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で研究者らは、エプラツズマブ[epratuzumab]による標的療法をR-CHOPとして知られる療法に加えた結果、患者78人の12ヵ月全生存率は88%であったと発表した。研究者らはこの結果を非常に良好な転帰とし、特に高リスク患者の生存率が85%であった点に自信を深めていた。

「これらの結果は非常に良好で有望であり、この種の癌患者に対して現在行われている治療に、重要な進歩をもたらすよう期待しています」と、本研究の主著者であり、メイヨークリニックの血液学者であるIvana Micallef医師は述べる。「しかし、この2種類の治療法を直接比較した試験は行っていないので、われわれの期待通りになるとはまだ言えないのです。」

「それでも、他のR-CHOPに関する研究結果と比べると、今回の知見は明らかに優れていると思われ、ぜひ第3相ランダム化試験を行いたいと考えています」、と彼女は言う。一般的に、これまでのR-CHOPに関する研究結果では12カ月無増悪生存率 は67~79%であった。

NCCTGの多施設共同研究ネットワークでは、高リスクのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者を、本研究の治療法であるER-CHOP療法と標準療法であるR-CHOP療法のいずれかを受けるようランダムに分けて行う臨床試験を計画している。R-CHOP療法とは、化学療法剤(シクロフォスファミド[cyclophosphamide]、ドキソルビシン[doxorubicin]、ビンクリスチン[vincristine])とステロイド剤のプレドニゾンを、モノクローナル抗体であるリツキシマブに組み合わせた治療である。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、Bリンパ球の癌である非ホジキンリンパ腫のうちで最も多く、急速に進行するリンパ腫のひとつである。

今回研究者らは、新たに診断を受けた未治療の患者に対して、初めてR-CHOP療法にエプラツズマブを加えた試験を行ったことになる。エプラツズマブもリツキシマブも、B細胞表面に多く発現するタンパク質に結合するモノクローナル抗体で、リツキシマブはCD20、エプラツズマブはCD22を標的とする。また、どちらも免疫抑制剤として、自分の体の細胞を攻撃する抗体をB細胞が作り出す特定の自己免疫疾患の治療にも用いられる。「これらの薬剤は、B細胞が自己免疫疾患に関与している場合も、悪性化している場合も、その活動を停止させるようにデザインされています」とMicallef氏は言う。

リツキシマブは米国食品医薬品局(FDA)により使用が承認されているが、エプラツズマブは承認されていない。つまり、ER-CHOP治療は臨床試験以外での使用はできないのである。

研究者らは、全生存率に関する結果に加え、ER-CHOP治療群での無増悪生存率が82%であることも明らかにした。高リスク患者39人の無増悪生存率は77%で、低リスク患者39人では88%であった。年齢(60歳以上)、LDH高値(血液検査)、病気が進行した状態にあること、リンパ節外に病変があること、および体力低下、などの予後不良因子が3つ以上ある患者は、高リスク患者とされた。

Micallef氏によると、21日周期で行われるこの治療は忍容性が良好であったという。

本臨床試験薬エプラツズマブは、Immunomedics社製であった。本研究は、メイヨークリニックに本拠を置く国立臨床研究団体であるNCCTGから資金援助を受け、米国立癌研究所(NCI)の支援を受けた。NCCTGは米国、カナダおよびメキシコにある地域の診療所、病院および医療センターの癌専門家のネットワークにより構成されている。

【Ivana Micallef医師が研究について語るインタビューの抜粋を含む、音声・画像資料は、[url=http://newsblog.mayoclinic.org/2009/05/12/mayo-clinic-researchers-say-drug-shows-dramatic-results-in-fight-against-some-thyroid-cancers/]メイヨークリニックニュースブログ[/url]で参照可能】

******
河原 恭子 訳
林 正樹(血液・腫瘍内科)監修
******


原文


printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

週間ランキング

  1. 1非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  2. 2乳がん検診におけるマンモグラフィの検査法を比較する新...
  3. 3免疫療法薬の併用はタイミングと順序が重要
  4. 4リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  5. 5FDAが皮膚未分化大細胞リンパ腫にブレンツキシマブ・...
  6. 6血中循環腫瘍DNAに基づくリキットバイオプシーの可能...
  7. 7アブラキサンは膵臓癌患者の生存を改善する
  8. 8ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  9. 9FDAがHER2陽性早期乳がんの延長補助療法にネラチ...
  10. 10若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い

お勧め出版物

一覧

arrow_upward