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高齢の早期乳癌女性には標準化学療法が最も有効/ダナファーバー癌研究所

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高齢の早期乳癌女性には標準化学療法が最も有効/ダナファーバー癌研究所

ダナファーバー癌研究所
2009年5月14日

ダナファーバー癌研究所の研究者らとの共同研究によると、高齢の早期乳癌女性の外科手術後は、標準化学療法が経口剤カペシタビンより有効である。[pagebreak]試験責任医師らは、患者633人対象の臨床試験の結果、試験開始後2年半の時点で、カペシタビンを服用した女性は、標準化学療法を受けた女性と比較し、再発または死亡の確率が2倍であったことを、発見した。

「早期乳癌の女性では、術後の化学療法で生存率は向上しましたが、この結果が特に高齢女性に適用できるかどうかについては、ほとんどデータがありません」と、上級著者でBreast Oncology Center長であるEric Winer医師は述べている。「標準化学療法の薬剤は静脈内への投与で、患者の多くは経口剤を好みます。そのため、高齢女性を対象に、実証済みの経口剤を処方した場合と、標準併用化学療法を行った場合とで、その有効性を比較する必要がありました。」

この研究は、高齢の乳癌女性(65歳以上)の補助または術後化学療法に取り組む、数少ない臨床試験の1つであり、Cancer and Leukemia Group B(CALGB、NCIが資金提供する臨床試験団体の全国規模の連合により実施された。結果はNew England Journal of Medicine誌の5月14日号に掲載された。転移性乳癌の女性対象とした小規模な臨床試験で、抗腫瘍効果が標準化学療法と同等の結果を示したという理由で、カペシタビンが選択された。この試験に参加した患者には、外科手術で切除可能な小さな乳房腫瘍があった。患者は、術後、標準化学療法(2、3種類の薬剤を併用し静脈内投与)を受ける群と、カペシタビンを服用する群に無作為に割り付けられた。2年半が経過した時点で、カペシタビンを服用した患者の再発率は20%、標準化学療法を受けた患者は11%であった。死亡率は、カペシタビンを服用した患者では12%、標準化学療法を受けた群では7%であった。3年後、再発をみない生存率は、カペシタビンでの治療を受けた群の68%に対し、標準化学療法を受けた群では85%であった。

この試験の共著者は以下の通り。ダナファーバー癌研究所のAlice Kornblith, PhD, Ann Partridge, MD, MPH, Harold Burstein, MD, PhD.
ダナファーバー癌研究所(http://www.dana-farber.org/)は、ハーバード大学医学部付属の重要な教育施設であり、米国では有数の癌研究および治療センターの1つとされる。ダナファーバー癌研究所は、米国国立癌研究所(NCI)により総合がんセンターに指定されたダナファーバー/ハーバードがんセンター(DF/HCC)の創設機関である。

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森島 由希 訳
林 正樹(血液・腫瘍)監修
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原文


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