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小児神経芽細胞腫に免疫療法が有効性を示す/カリフォルニア大学サンディエゴ校

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小児神経芽細胞腫に免疫療法が有効性を示す/カリフォルニア大学サンディエゴ校

小児神経芽細胞腫に免疫療法が有効性を示す
カリフォルニア大学サンディエゴ校
ムーアズがんセンター
2009年5月14日

小児神経芽細胞腫に対する有効な免疫療法
新しい治療法は難治性小児癌の無再発生存の可能性を改善する

小児神経芽細胞腫患者に、身体の免疫系を利用する抗体に基づく療法の追加により、少なくとも2年間の無再発生存率20%増加がみられたことが第3相試験で明らかになった。 神経芽細胞腫は神経系の細胞から生ずる難治性癌であり、小児の癌に関連した死亡では死亡要因の15%を占める。 当研究者たちの試験結果は(小児癌に対して有効である可能性を示す免疫療法としては最初のものである)2009年6月2日発表に先立ち、5月14日米国臨床腫瘍学会(ASCO)ウェブサイトにて報告された。[pagebreak]「この治療法は、従来からきわめて難しい小児癌に対する新たな標準治療を確立するものです」と同報告書筆頭著者でカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)ムーアズがんセンター小児血液/腫瘍学教授Alice Yu医学博士は述べた。「高リスク神経芽細胞腫は、常に治療にはもどかしさのある癌の1つです。積極的な治療にもかかわらず、再発率が高いからです。」

この治療法の標的は、GD2という神経芽細胞腫細胞の表面に存在するある特殊な糖鎖(細胞表面の複合糖鎖)で、この糖鎖は免疫系が癌細胞を攻撃するのを抑制している。 ch14.18抗体はこの糖鎖に結合し、さまざまな免疫細胞が癌を攻撃するのを可能にする。

神経芽細胞腫は、頸部、胸部、腹部の神経細胞から癌細胞を生じ、生後1年間で診断される癌ではもっとも多い。米国では毎年新たにおよそ650人が神経芽細胞腫と診断され、その40%は高リスク患者である。 これらの高リスク患者は通常外科的治療、造血幹細胞移植(患者の成熟した幹細胞を治療前に採取し、血液および免疫系を回復させるため化学療法後に戻す方法)を伴う大量化学療法、および放射線療法により治療が行われる。 しかし患者の生存率はわずか30%である。

Yu医学博士らは113人ずつ2群で2年後の無再発生存率および全生存率を比較した。 患者は新たに高リスク神経芽細胞腫と診断された時、試験に組み入れられた。手術、化学療法、造血幹細胞移植、放射線療法による従来の治療後、1群には標準治療(レチノイン酸)に免疫療法(抗体に免疫機能を高める物質を加えたもの)を併用し、もう1群の113人には標準治療のみ行った。

2年後、無再発生存率は標準治療群が46%であったのに対し免疫療法群は66%であった。全生存率も著しく改善した。当有益性により、参加者の無作為割付けは早期に中止され、その後、試験に参加した全患者は標準治療に免疫療法を併用することとなる。

Yu 医学博士は、造血幹細胞移植2年後に無再発の神経芽細胞腫患者は治癒した可能性が高いことが過去の試験から判明しており2年の指標は特に重要であると述べた。 「神経芽細胞腫患者に対する長年の研究で「治癒率」が改善したのは初めてです」と彼女は語った。「この新たな治療法は私たちが医療を改善するのに有用ですし、おそらく多くの患者や家族に新たな希望を与えると思います。」Yu医学博士らは、カリフォルニア大学サンディエゴ校医療センターの臨床研究センターで前期第1相と第2相試験を行った。

他の共著者は以下のとおりである。
Other co-authors include Andrew Gilman, Carolinas Medical Centre; M. Fevzi Ozkaynak, New York Medical College; Susan Cohn, University of Chicago; John Maris, Children’s Hospital of Philadelphia; Paul Sondel, University of Wisconsin; W. B. London, University of Florida; S. Kreissman, Duke University; H.X. Chen, National Cancer Institute; and K.K. Matthay, UCSD. Local patients were seen in San Diego at Rady Children’s Hospital.

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福田 素子 訳
林 正樹(血液・腫瘍医)監修
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原文


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