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末期大腸癌に手術は必要とは限らない/スローンケタリング記念がんセンター

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末期大腸癌に手術は必要とは限らない/スローンケタリング記念がんセンター

スローンケタリング記念がんセンター
2009年3月30日

新たな試験により、大腸以外の臓器に転移した進行性大腸癌(ステージ4)患者の大部分は、まず大腸の原発腫瘍を切除する手術を行うことが必要ではないことが示された。スローンケタリング記念がんセンター(MSKCC)の研究者らは、本日、米国臨床腫瘍学会にてデータを発表した。[pagebreak]「手術では根治できない転移巣を有する患者では、大腸手術は常に必要というわけではない。大腸腫瘍が閉塞、穿孔、および出血を引き起こした場合を除けば、このような患者には化学療法による治療が最善である。まず化学療法を施行することで、患者は手術合併症を回避することができるし、遅延なくあらゆる患部に対する治療を開始できる」と、MSKCCの外科腫瘍医兼本試験の筆頭著者であるPhilip Paty氏は述べた。

この後向き研究では、多分野の専門家チームが2000~2006年にMSKCCで治療を受けた転移性大腸癌の233症例を調査した。分析によると、患者233人中217人(93%)には、原発腫瘍の切除が必要となる合併症は認められなかった。症状の治療のため大腸手術が必要であった患者は16人のみであった。

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「手術で治療できない転移巣を有する患者では、大腸手術を受けることは常に必要というわけではない」– Philip Paty医学博士
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以前は、ステージ4の大腸癌に対しては診断直後に大腸手術を施行し、3~6週間後に化学療法による治療を開始するのが一般的であった。すぐに大腸を切除する根拠は、原発腫瘍から生じる将来の症状や合併症を予防することであった。そして大腸癌の多くは化学療法にほとんど反応しないと考えられていた。

しかし、過去10年間に、より優れた化学療法が開発されたため、MSKCCの医師や腫瘍学界関係者は、ステージ4大腸癌患者に対しこれまでと異なる見方をするようになり、化学療法を初期治療として行うようになった。そのような治療法は、大腸腫瘍および転移の両方を縮小させる点で信頼性が高いと考えられるが、この方法を裏付けるデータは発表されていない。

「われわれが患者さんに対して手術を一般的に行っていたことは、考え方としては古かったということは今は理解できる。そしてわれわれはその考えを乗り越える事ができた。臨床状況によって個々の例外を考慮する必要はあるが、基本的には手術はしないという立場である」と、Party氏は述べている。

米国において大腸癌は4番目に多い癌であり、癌関連の死因では2番目に多い。

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北本明子 訳
鵜川邦夫(消化器内科)監修
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原文


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