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慢性疼痛患者はビタミンD状態を評価する必要があるとメイヨークリニックによる研究で示唆される/メイヨークリニック

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慢性疼痛患者はビタミンD状態を評価する必要があるとメイヨークリニックによる研究で示唆される/メイヨークリニック

メイヨークリニック
2009年3月20日

ミネソタ州ロチェスター — メイヨークリニックによる研究で、慢性疼痛患者の麻薬製剤摂取量はビタミンDの欠乏状態と相関関係にあることがわかった。これは慢性疼痛の新たな治療法を見つけるうえで重要な知見である。米国疾病予防管理センターによると、米国では慢性疼痛が身体障害の主な原因となっている。多くの場合、このような患者はモルヒネ、フェンタニル、オキシコドンといった麻薬性鎮痛剤を用いるようになる。[pagebreak] VIDEO ALERT:Michael Turner医師が研究の詳細について語るインタビューの抜粋を含む、音声・画像資料は、メイヨークリニックニュースブログ([url=http://newsblog.mayoclinic.org/2009/03/20/mayo-clinic-researchers-link-vitamin-d-and-chronic-pain-relief/]Mayo Clinic News Blog[/url])で参照可能。

この研究では、麻薬性鎮痛剤を要し、かつビタミンDが欠乏している患者は、正常なビタミンD状態の患者に比べ、高用量(およそ2倍)の鎮痛剤を摂取していることが明らかになった。同様に、これらの患者は身体機能の衰えを訴えており、全体的な健康認識が低下していた。そのほか、BMI(体格指数)の増加とビタミンD状態の低下との相関関係についても言及している。この研究結果はPain Medicine誌の最新号に発表された。

メイヨークリニックの物理療法リハビリテーション専門医であり、この研究の主著者であるMichael Turner医師は「慢性疼痛の原因を今後も調べていくうえで、この知見は重要である」と述べている。「ビタミンDは骨と筋肉の強化を促進することで知られているが、逆に、欠乏症が拡散痛や神経筋機能障害の原因となることはあまり認識されていない。この点を十分に認識することで、医師は患者の疼痛、身体機能、そして生活の質を有意に改善できる。」

研究者らは、2006年の2月から12月にかけて、ロチェスターにあるメイヨー総合疼痛リハビリテーションセンター(Mayo Comprehensive Pain Rehabilitation Center)で治療を受ける慢性疼痛患者267人についてレトロスペクティブ研究を行った。治療受付時のビタミンD状態を、「麻薬性鎮痛剤の使用量および使用期間」、「自己申告の疼痛レベル、精神的苦痛、身体機能および健康認識」、「性別、年齢、診断結果およびBMIなどの人口学的情報」といった他の条件と比較した。

今後の研究では、これらの患者にみられた欠乏状態を改善した場合の効果を実証する必要がある、と研究者らは提言している。

この研究は、慢性疼痛の患者と医師の双方にとって重要な意味を持つ。「予備試験ではあるが、これらの結果が示唆しているのは、慢性の拡散性疼痛患者が麻薬製剤を使用している場合、ビタミンD状態の測定を考慮すべきであるということである。欠乏状態にあることが、疼痛を引き起こしたり、長引かせる原因となっているかもしれない」とTurner医師は述べている。また、「慢性の筋骨格系とみられる拡散痛で、また触診すると多くの部位に圧痛があるような患者を治療している医師は、ビタミンD状態の測定を積極的に考慮すべきだ」と言う。「例えば、線維筋症であると診断された患者の多くは、実際には症候性ビタミンD欠乏症なのである。肥満、濃い色素沈着を起こした皮膚、あるいは日光にあまりあたらない生活などの危険因子がある場合は、特に注意が必要である。」

評価や治療は比較的簡単で、費用もかからない。ビタミンD状態は簡単な血液検査で調べることができる(25-ヒドロキシビタミンD [25(OH)D])。その後、医師の指導のもとに適切な補充治療計画が立てられる。ビタミンDは天然物質であり薬剤ではないため、容易に入手できるうえ安価である。

筋肉や骨を強化する働きに加え、ビタミンDは免疫システムにおいても重要な役割を果たしていること、抗炎症作用やある種の癌との闘いを助ける作用があることが、新たな研究で示されている。

そのほかの研究著者は以下の通りである。
メイヨークリニック:W. Michael Hooten, M.D., Department of Anesthesiology; John Schmidt, Ph.D., Department of Anesthesiology Research、 疼痛リハビリテーションセンター:Jennifer Kerkvliet, Cynthia O. Townsend Ph.D., and Barbara Bruce Ph.D.

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河原 恭子 訳
中村光宏(医学放射線/京都大学・放射線腫瘍学)監修
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原文

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