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複数の遺伝子が共に作用し合うことにより肺癌が増殖、転移する/デューク大学

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複数の遺伝子が共に作用し合うことにより肺癌が増殖、転移する/デューク大学

デューク総合がんセンター
2009年3月9日

肺悪性腫瘍における3つの特異的遺伝子の同時発現は、癌の増殖と予後の低下の両方を予測させうるものであることを、デューク大学Institute for Genome Sciences & Policyとデューク総合がんセンターの研究者らが中心となった研究は示している。

「前回の研究では、早期肺悪性腫瘍では、TTF-1、NKX2-8、PAX9の3つの遺伝子が増幅していることが示されました。今回の研究では、これらの遺伝子は共同して、癌細胞の成長・増殖を促す環境をもたらすことが示されました」とデューク大学の腫瘍内科医でこの研究の責任医師であるDavid Hsu医師は述べた。[pagebreak]この研究結果は、全米科学アカデミー会報誌2009年3月9日付け電子版で発表された。

研究資金は、Emilene Brown癌研究基金、ジミー・V基金、米国癌協会、Burroughs Wellcome基金、Joan’s Legacy基金、米国立衛生研究所により提供された。

研究者らは91個の早期肺悪性腫瘍を調べ、3つの遺伝子の同時発現を検討した。これは、この同時発現により腫瘍の増殖と転移が加速されるという仮説に基づくものであった。

研究者らはこの解析結果を、各検体を採取した患者の生存期間データと相関させ、腫瘍にNKX2-8とTTF-1遺伝子の同時発現が認められた場合、生存期間は進行肺悪性腫瘍患者と一致する傾向があることを示した。

さらに、この患者集団は、白金製剤ベースの化学療法が奏効しない可能性も示した。この化学療法は、肺癌患者に対して一般的に行われている一次治療であるため、より標的を特定した治療法の必要性が示されたとHsu医師は述べた。

「臨床的には大部分の非小細胞肺癌患者に対して白金製剤ベースの化学療法が行われていますが、標的を特定した治療が将来的な肺癌の治療法であるということで大勢は一致していると考えています。この研究では、これら3つの肺特異的遺伝子は肺癌の発癌や増殖において生物学的に重要であること、今後の治療法に影響を与えるであろうことを示しています」とHsu医師は語った。

米国では非小細胞肺癌と診断される人は1年あたり18万人を超え、1年あたり15万人が非小細胞肺癌で死亡している。

Hsu医師の他、この研究に参加した主な研究者は以下の通りである。
Chaitanya Acharya, Bala Balakumaran, Richard Riedel, Mickey Kim, Marvaretta Stevenson, Sascha Tuchman, Sayan Mukherjee, William Barry, Holly Dressman, Joseph Nevins, David Mu and Anil Potti.

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河野裕子 訳
後藤 悌(呼吸器内科/東京大学大学院医学系研究科)監修
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原文

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