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シグナルタンパク質の阻害で前立腺癌の広がりを抑制:ジェファーソン大学研究者の発見/ジョンズホプキンス大学

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シグナルタンパク質の阻害で前立腺癌の広がりを抑制:ジェファーソン大学研究者の発見/ジョンズホプキンス大学


ジェファーソン大学キンメルがんセンター
2009年3月10日

あるシグナルタンパク質を阻害することで前立腺癌細胞の転移性播種を阻止できることを、フィラデルフィアのジェファーソン大学キンメルがんセンターの研究者らが示した。本研究の成果により、このシグナルタンパク質について前立腺癌を抑えこむ治療法の標的として今後研究していく道が開かれた。[pagebreak]トーマス・ジェファーソン大学のジェファーソン医科大学癌生物学部准教授、Marja Nevalainen 医学博士らは、一連の実験モデルおよび動物実験の結果、Stat3タンパク質が前立腺癌の転移性進行に重要な役割を果たすことを発見した。Nevalainen氏のグループはこの知見をAmerican Journal of Pathology誌2008年6月号で報告した。

Nevalainen氏によると、以前の研究で転移性前立腺癌においてStat3が非常に活性化されることが示されており、またStat3は別タイプの癌のいくつかでも転移に関係することが示されているという。転移性前立腺癌には効果的な治療法がないことから、癌に関連する分子変化の理解が欠かせない。

前立腺癌の進行におけるStat3の役割を明らかにする目的でNevalainen氏らはいくつかの研究を実施した。例えばある研究では抗Stat3抗体を用い、人間の/ヒトの前立腺癌のリンパ節転移の77%、骨転移の66%でStat3が活性化していることを示した。別の実験では、ウイルスを媒体として正常なStat3タンパク質を組み込み、マウスの前立腺癌細胞にそれを過剰産生させることを促した。その結果、対照群に比べて前立腺癌の転移が劇的に増加した。特に免疫機能を失わせたマウスではStat3による前立腺癌転移は33倍に達した。

「このことは、Stat3が前立腺癌の転移性播種に重大な影響を与える可能性を示す初めてのエビデンスです」とNevalainen氏は話す。「Stat3は、前立腺癌の転移性進行を抑える薬剤の標的として有力な候補となりました」

研究チームの成果により「前立腺癌の転移メカニズムについて研究の道が開かれる」こととなったが、Nevalainen氏は原発性の前立腺癌から転移性癌への進行を予防するうえでもStat3が利用できる可能性があると述べている。

新たに開発されたStat3阻害剤の前立腺癌に対する研究には、実験動物モデルで前立腺癌の転移阻止における有効性試験も加えるべきだ、とNevalainen氏は提案する。

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橋本 仁(獣医学) 訳
平 栄(放射線腫瘍科)監修
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[url=http://www.kimmelcancercenter.org/news/2008-06-18_Nevalainen.html]原文[/url]

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