2009/04/07号◆注目の臨床試験「進行性乳癌の内分泌療法」 | 海外がん医療情報リファレンス

2009/04/07号◆注目の臨床試験「進行性乳癌の内分泌療法」

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2009/04/07号◆注目の臨床試験「進行性乳癌の内分泌療法」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2009年4月07日号(Volume 6 / Number 7)

日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~

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◇◆◇注目の臨床試験◇◆◇

進行性乳癌の内分泌療法

臨床試験名

第ⅢB~Ⅳ病期のホルモン受容体陽性乳癌患者に対しクエン酸タモキシフェンまたはレトロゾールに、ベバシズマブを併用した場合としない場合を比較する第3相ランダム化臨床試験(CALGB-40503)。 プロトコル要旨を参照のこと。

臨床試験責任医師

Maura Dickler医師(癌と白血病グループB:CALGB)

この試験が重要な理由

女性ホルモンであるエストロゲンは、内分泌性のホルモンで乳癌の成長を促進することが多い。またエストロゲンは腫瘍への新生血管の成長を促し、これにより腫瘍が成長に要する酸素や栄養が供給される。レトロゾールタモキシフェンなどのホルモン療法はエストロゲンに反応し成長する乳癌進行の抑制に役立つ。レトロゾールはアロマターゼ阻害薬で、エストロゲン産生能を抑制する。タモキシフェンは抗エストロゲン剤で、エストロゲンの受容体に結合しこれに対抗する。しかし進行乳癌患者の多くは、いずれホルモン療法に耐性をきたし再発する場合がほとんどである。

このような耐性の原因は、ホルモン非依存性の腫瘍血管の成長にあると考える臨床前研究も一部にある。ベバシズマブとして知られる抗体により、この血管新生を阻害しホルモン療法耐性の発現を抑制できるかどうか、医師らは明らかにしたいと考えている。ベバシズマブは、新生血管に重要なタンパク質である血管内皮増殖因子(VEGF)活性を阻害する。

本試験では進行性のホルモン受容体陽性乳癌患者は、ホルモン療法(レトロゾールまたはタモキシフェン)と、ベバシズマブまたはプラセボのいずれかとの併用療法に、無作為に割り付けられる。レトロゾールまたはタモキシフェンのどちらを選択するかは患者と担当医が決定する。ベバシズマブを追加するとホルモン療法中の乳癌の進行は遅くなるのか、研究者らは確認したいと考えている。

「本試験の目的は、抗VEGF療法により進行性乳癌の内分泌療法のベネフィットが増大するかどうか、明確な証拠を示すことです」とDickler医師は述べている。

「本試験の重要な側面のひとつに、登録する患者の腫瘍は必ずしも測定可能でなくてもよい、という点があります。」と同医師は付け加えている。「骨転移胸水リンパ節転移など、測定できない再発が多くの患者に起きています。このような患者は本試験に適格であると考えています。」

試験医師らは、本試験でさらにいくつかの疑問に対応する予定である。たとえばベバシズマブを追加すると、レトロゾールまたはタモキシフェン単独の場合と比較して副作用は強くなるのか、あるいは別の副作用が起きるのかなどが観察されることになる。

問い合わせ先

適格基準リストおよび臨床試験に関する問い合わせを参照、またはNCIの癌情報サービス1-800-4-CANCER(1-800-422-6237)まで。この電話はフリーダイヤルで、秘密は厳守されます。

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柴田 慶子 訳

林 正樹 (血液・腫瘍医/敬愛会中頭病院)監修

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