2009/04/07号◆FDA最新情報 | 海外がん医療情報リファレンス

2009/04/07号◆FDA最新情報

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2009/04/07号◆FDA最新情報

同号原文

NCI Cancer Bulletin2009年4月07日号(Volume 6 / Number 7)

日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~

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◇◆◇FDA最新情報◇◆◇

・進行性腎臓癌の新治療薬を承認
・ODACがGBMに対するベバシズマブの承認を推奨

進行性腎臓癌の新治療薬を承認

FDAは、スニチニブ(スーテント)とソラフェニブ(ネクサバール)のうちどちらかの治療を受けたあと進行した進行性腎細胞癌患者の治療に対し、経口の錠剤Afinitor[アフィニトール](everolimus[エベロリムス])を承認した。

この承認は、416人の患者を対象に、エベロリムスがプラセボ群に比べて無増悪生存期間を4.9カ月対1.9カ月と、67%改善したと示したRECORD-1と呼ばれる第3相試験の最新結果(昨秋、欧州臨床腫瘍学会年次総会で発表)に基づいている。

エベロリムスは、細胞分裂、血管新生、細胞代謝に関わるmTORとして知られるタンパク質を標的とする。治療薬の製造元であるノバルティス社によると、エベロリムスはmTORが重要な役割を担っているとみられる乳癌、消化器癌、肝臓癌、非ホジキンリンパ腫などの癌の治療に対しても現在試験が行われている。

NCIの癌治療評価プログラムは、神経内分泌腫瘍の治療においてもエベロリムスの使用を含んだ試験の実施計画を依頼している。

ODACがGBMに対するベバシズマブの承認を推奨

先週、FDA抗腫瘍薬諮問委員会(ODAC)は、すでに治療を行った多形性膠芽腫(GBM)患者に対してベバシズマブ(アバスチン)の迅速承認を満場一致で可決した。迅速承認とは、命を脅かす疾病の治療を予備的エビデンスに基いて承認するものであり、真の臨床上のベネフィットを確認するためにその後の追加試験の実施が要求される。

製造元のジェネンテック社は、対照群をもたない2件の初期相の臨床試験結果に基づいて迅速承認を得られるように求めている。第1の試験は複数の実施施設で85人の患者を対象に行われ、約4分の1に部分奏効つまり50%以下の腫瘍縮小が認められた。完全奏効(腫瘍の完全消失)はなかった。1年生存率については、従来、救済化学療法を受けた患者では25%であったのに対し、38%であったとジェネンテック社は委員会に発表している。第2の試験はNIH(米国衛生研究所)臨床センターでNCI癌研究センター(CCR)のDr. Howard Fine氏によって行われた。単施設56人の患者を対象としたもので、客観的奏効率は約20%で完全奏効はなかった。

FDA側は、GBMにおけるベバシズマブの効果を評価するMRIを用いたことに対して、同治療薬が血管の形や機能に影響を与えて腫瘍が縮小したのか、単に腫瘍周辺の浮腫が小さくなったのか判定しにくく、複雑な点であると報告資料で指摘した。しかしながら、浮腫の減少であっても、他の腫瘍関連効果と同様に患者にとっては生活の質(QOL)改善の重要な意味を持つものだと委員会は主張した。

「総合データを見るにあたって、委員会を動かしたものはベバシズマブに関連する利益が実際に患者にもたらされたという2つの試験の総合的な意義である」とODACメンバーのCCR治験統括医師Dr. Wyndham Wilson氏は述べる。

ジェネンテック社によると、FDAは5月までに承認の決定をするとみられ、新たにGBMと診断された患者を対象にベバシズマブの国際ランダム化第3相試験が2009年中に開始される。

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野中 希 訳

林 正樹 (血液・腫瘍医/敬愛会中頭病院) 監修

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