野菜、果物、食物繊維の豊富な食事療法がほてり(ホットフラッシュ) のない女性の乳癌再発リスクを低下させる可能性  | 海外がん医療情報リファレンス

野菜、果物、食物繊維の豊富な食事療法がほてり(ホットフラッシュ) のない女性の乳癌再発リスクを低下させる可能性 

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野菜、果物、食物繊維の豊富な食事療法がほてり(ホットフラッシュ) のない女性の乳癌再発リスクを低下させる可能性 


カルフォルニア大学サンディエゴ校ムーアズがんセンター
2008年12月15日

大規模な多施設臨床試験の二次分析によると、米国政府が推奨する食事基準に比べて果物、野菜、食物繊維が豊富でやや脂肪の少ない食事により、初期乳癌サバイバーのうちほてりのないサブグループの再発リスクが約31%低下することが示された。これらの患者はほてりのある患者に比べて概して乳癌再発率は高く、生存率は低い。 Journal of Clinical Oncology誌2008年12月15日号オンライン版で、カルフォルニア大学サンディエゴ校ムーアズがんセンターの研究者を中心にカリフォルニア大学デービス校など6施設の研究者を加えた試験チームが分析結果を報告した。[pagebreak]この分析結果は前年に報告されたWomen’s Healthy Eating and Living Trial 試験(WHEL)の知見に続くものである。WHELは3,000人以上の初期乳癌患者の癌再発に2つの食事療法が与える影響を比較した試験だ。試験結果では2つの食事療法群による再発リスクに違いはなかった。

「ほてりのある初期乳癌患者はほてりのない患者に比べ生存率が高く、再発率は低い」とUCデービス校公衆衛生学部教授兼学部長で本研究の筆頭著者であるEllen B Gold博士氏が述べた。「食事内容を大きく変えることで、ほてりの有無による予後の差異を解消できるかもしれないことを本研究結果は示唆しています」

「われわれがこのサブグループに注目しているのは、ほてりが低い血中エストロゲンレベルと関連している一方、ほてりの欠如は高い血中エストロゲンレベルと関連しているためです。エストロゲンの影響を抑えることが乳癌治療戦略の主流です」とUCサンディエゴ校(UCSD)医科大学院およびUCSDムーアズがんセンターの癌予防学教授兼癌予防管理部長でWHELの試験責任医師であるJohn P. Pierce博士は語った。「果物、野菜、食物繊維が豊富な食事は血中エストロゲンレベルを下げることが示されており、血中エストロゲンレベルが一定値以上の女性においては重要であると思われます」

試験参加者全体の3,088人の乳癌サバイバーのうち約30%は「ほてり」を試験登録時に報告しなかった。1995年から2000年の間に患者を2つの食事療法のいずれかに無作為に割り付け、2006年まで追跡調査を行った。「ほてりがない」群の約半数(447人)は『特別治療』である果物、野菜の豊富な食事療法群にランダムに選ばれ、もう半数(453人)は広く推奨されている1日5皿の果物、野菜を含む食事を指示された。政府推奨である1日5皿の果物、野菜の食事を摂取した患者群の二次乳癌発生率が23.6%であるのに対して、食事療法を行った患者群においては有意に低い16.1%であったことを試験チームは発見した。

閉経を経た女性においてはさらに 食事療法の効果は大きく、リスクは47%低かった。

Pierce氏によると、WHEL試験参加者全体の30%においてしか食事療法が効果的でなかった理由として考えられるメカニズムが最近提議された。エストロゲン受容体陽性乳癌である女性は血中エストロゲンの影響に対抗することを目的としたタモキシフェンやアロマターゼ阻害剤のホルモン療法を通常受ける。しかし、エストロゲン受容体陽性乳癌患者の30%以上に遺伝子薬物間の相互作用があり、ホルモン療法の有効量に達するのが妨げられているとみられる。

「この仮説は内分泌療法が効いているのであればさらなるエストロゲンレベルの削減は不必要であることを示している」とPierce氏は語った。「治療薬量を得ることを遺伝子が妨げているのであれば、この厳格な食事療法に従うことで再発リスクを減らすのに十分な血中エストロゲンの抑制が可能かもしれません。」 この仮説は推測であるため、試験チームは試験中に採集した生体サンプルを用いて今回の食事療法の予防効果の背後にあるメカニズムをさらに研究する。

他の共著者は以下のとおりである:
Cheryl Rock, Ph.D., Barbara Parker, M.D., Lisa Madlensky, Ph.D., Loki Natarajan, Ph.D., Linda Wasserman, M.D., Vicky Jones, M.D., Gail Laughlin, Ph.D., Nazmus Saquib M.D., Ph.D., Sheila Kealey MPH, Shirley Flatt, Jennifer Emond and Minya Pu, UCSD; Joanne Mortimer, M.D., City of Hope; Marcia Stefanek, Ph.D., Stanford University; Bette Caan, Dr.P.H, Kaiser Permanente, Oakland, Cynthia Thomson, Ph.D., University of Arizona, Njeri Karanja, Ph.D., Kaiser Permanente, Portland, OR; Richard Hajek, Ph.D., M.D. Anderson Cancer Center.

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下和田篤子 訳
橋本 仁(獣医科)監修
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[url=http://www.mdanderson.org/departments/newsroom/display.cfm?id=160DAFF9-92E1-4AD2-B6AD6B035500B669&method=displayFull&pn=00c8a30f-c468-11d4-80fb00508b603a14]原文[/url]

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