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脳腫瘍患者の長期生存についての最良の治療法を割り出す/メイヨークリニック

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脳腫瘍患者の長期生存についての最良の治療法を割り出す/メイヨークリニック

メイヨークリニックは、脳腫瘍患者の長期生存についての最良の治療法を割り出す
積極的外科手術を受けた患者は、診断後平均15年間、局所再発がみられなかった
2008年12月31日

ミネソタ州ロチェスター -メイヨークリニックの新たな研究で、低グレードグリオーマに罹患した患者のなかで、最も長く生存したのは積極的手術を受け腫瘍全体を完全に切除した患者であることが明らかになった。腫瘍全体の切除が可能でない場合、外科手術に引き続き放射線治療が行われた患者が顕著により長く生存した。本研究は、Neuro-Oncology誌の事前公開版としてオンライン上で入手可能である。[pagebreak]

Laack医師の研究に関するインタビュー抜粋を含む、追加音声付動画資料がメイヨークリニックのニュースブログに掲載されている。

グリオーマは脳および脊髄神経組織に発生する脳腫瘍の一種であり、神経系内に浸潤する可能性がある。低グレードグリオーマは悪性であるが進行が遅く、 一般的に、治療をしても患者の診断後平均生存期間は5年から7年である。毎年17000人の患者がグリオーマと診断されている。そのうち3000人から4000人が低グレードに分類される。メイヨークリニックの医師は、毎年4000人以上のグリオーマや他の脳神経系腫瘍に罹患した成人および小児を治療している。

「メイヨークリニックには、脳腫瘍患者治療について専門的知識の長い歴史がある」と、メイヨークリニックの放射線腫瘍専門医であり、この研究の主執筆者であるNadia Laack医師は述べている。「このため、患者数の多さや経過観察の長さという観点で、我々の研究は他に例を見ないものである」。

Laack医師とメイヨークリニックの研究者グループは、1960年から1992年にかけて低グレードグリオーマと診断され、経過観察期間の平均が13年間である成人患者314人の記録を調査した。積極的手術(全体的切除あるいは部分的切除)を受けた患者のほぼ半数で診断後15年にわたり腫瘍の再発はみられなかった。

積極的手術の実施が安全な選択肢ではなかった場合、術後放射線治療により、生存期間が約2倍となった。平均生存期間は放射線治療を受けなかった患者で3年であったのに対し、放射線治療を受けた患者では平均6年であった。

「この研究は、グリオーマの患者がいかに術後良好であるかを示しているという意味で、素晴らしいものである」とLaack医師は述べている。「平均15年の腫瘍無憎悪期間は、以前に発表されたどの結果よりも良好である。放射線治療で患者が利益を得ることの発見もまた興味深い。放射線治療は腫瘍が再発するまでの時間を延長するだけではなく、実際に人間の生存期間そのものを延ばしている。この事実は、約20年前に発表された小規模研究と同様の結果を示すメイヨークリニックの先行データに基づいている」

Laack医師によれば、これらの発見には放射線治療で起こりうる晩期障害に対する共通の懸念のため、論議をよぶ可能性がある。メイヨークリニックではこれらの潜在的副作用は、腫瘍に対し定位放射線治療によって最小化されるとLaack医師は述べている。

メイヨークリニック調査グループには他にDavid Schomas医師, Ravi Rao医師、Fredric Meyer医師、Brian O’Neill医師、Caterina Giannini医学博士が参加している。
ウエイクフォレスト大学バプティストメディカルセンター[Wake Forest University Baptist Medical Center]の Paul Brown医師、Edward Shaw医師も共同研究者である。

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大隅郁子 訳
中村光宏(医学放射線) 監修
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原文

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