2010/06/01号◆特集記事「日焼け用ベッドの研究で黒色腫のリスク増加について最も有力な根拠が示される」 | 海外がん医療情報リファレンス

2010/06/01号◆特集記事「日焼け用ベッドの研究で黒色腫のリスク増加について最も有力な根拠が示される」

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2010/06/01号◆特集記事「日焼け用ベッドの研究で黒色腫のリスク増加について最も有力な根拠が示される」

同号原文
NCI Cancer Bulletin2010年6月1日号(Volume 7 / Number 11)


日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中〜

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◇◆◇ 特集記事 ◇◆◇
日焼け用ベッドの研究で黒色腫のリスク増加について最も有力な根拠が示される

この種の研究では現在おそらく最も有力な疫学的調査となる2200人以上を対象とした浸潤性皮膚黒色腫(メラノーマ)の症例対照研究によると、屋内日焼けマシンの使用はメラノーマのリスクを増加させるが、その中でも最も頻繁に日焼けマシンを使用した人のリスクが最大であったことが明らかになった。この結果は5月27日付電子版Cancer Epidemiology Biomarkers and Prevention誌に掲載された

日焼けマシンの使用頻度が高いと報告されたミネソタ州で2004年〜2009年にかけて実施されたSkin Health Studyにより、50時間、100回、10年を超える日焼けマシンの使用がメラノーマのリスクを2倍近く増加させたという結果が得られ、明確な線量-反応の関係が初めて示された。また、この10年ほどで日焼け産業は多くの新技術を導入しており、これらはメラノーマのリスクをさらに高めることが分かった。日焼けマシンを一度も使用したことがない人と比較して、高速/高周波型の日焼けマシンを使用したことがある人は、リスクが2.9倍高く、また高圧型日焼けマシンを使用した人はリスクが4.4倍高くなった。高速/高周波型のマシンは主にUVAと数%のUVBを放出し、高圧型のマシンは主にUVAのみ放出する。

NCIの癌疫学・遺伝学部門のヒト遺伝子プログラム責任者であるDr. Margaret Tucker氏は、研究者と公衆衛生にとって価値があるという点でこの研究を賞賛した。「この研究の目的は、日焼けマシンがメラノーマのリスクに与える影響を具体的に調査することでした。研究は慎重に実施、分析されています。これは日焼けマシンの問題を専門的に取り上げた現在最も信頼でき、かつ現実に即した研究であり、この分野における重要な貢献です」と述べるのは、メラノーマの初めての感受性遺伝子を明らかにし、そのリスク評価ツールを確立した研究を率いたTucker氏である。

「日焼け業界が、過去の研究が限定的であるとして“起こりうる健康上の懸念に対抗してきたため、今回の研究のデザインと質は意義深いといえます」と、筆頭著者でミネソタ大学メソニックがんセンターのDr. DeAnn Lazovich氏は言う。研究者らは、徹底的な調査と綿密なフォローアップの電話調査により、初めて今回のような研究規模で、かつ対象を使用頻度が高い人口と設定した両方を同時に満たす条件下で、日焼けベッド使用の詳細を調査することができた。

「メラノーマのリスクは、診断時の年齢、性別、腫瘍の部位、日焼けマシンの使用期間、線量の計測方法、あるいは使用した日焼けマシンのタイプを考慮するかしないかにかかわらず増加しました。これらの要素は全て一貫しています」と、Lazovich氏は説明する。

異なる日焼けマシンで用いられるUVA照射とUVB照射の影響をはっきりと識別するのは不可能かもしれないが、「研究は、これらのアプローチが全て有害であることを示しています。安全な日焼けマシンなどというものは存在しません」と彼女は強調する。「実際に日焼けマシンによってやけどをすることもよくあることですが、そのようなことがなくても高リスクを招きます」

2009年に、国際癌研究機関(International Agency for Research on Cancer)は日焼けマシンに発癌性があると分類し、36歳未満で日焼けマシンを使用した人のリスクを強調した。現在の研究は若年層におけるより高い発癌の感受性を裏づけてはいないが、若年で日焼けマシンを使用し始める人は紫外線の生涯曝露量が多くなると考えられるため、さらに高いリスクに直面する可能性がある。

「これらの結果を行動に移すという重要な役目は、社会レベルで担うものとなるでしょう。」と、オハイオ州立大学総合がんセンターの人口学の准教授であるDr. Electra Paskett氏は言う。「われわれは日焼けマシン使用に関する社会通念を変えなければいけませんが、その方法は存在します」と、喫煙規制の試みが成功したことに言及した。

日焼けマシンの使用は、まさに社会において一般に浸透している。論文で研究著者らが指摘しているが、全米116の大都市における日焼けマシンに対する政策および法律の最近の分析では、「日焼けサロンの平均数がスターバックスやマクドナルドの平均数を超えた」ことがわかった。Lazovich氏は、全米で17歳の少女の35%が日焼けマシンを使用したことがあるという報告を米国がん協会(ACS)のデータより引用した。FDA諮問委員会は2010年3月、18歳未満の子供に親の同意または使用禁止を義務付けることを検討するよう政府機関に勧告した

「全米116の大都市での結果を考えると、FDAは親の同意に頼らず、むしろ年齢規制を強化する可能性があります」とNCIの癌制御・人口科学部門の危険因子モニタリング・モニタリング法支部(Risk Factors Monitoring and Methods Branch)の生物統計学者であるAnne Hartman氏は言う。「この研究では、主にさまざまな形態での親の同意による若年層屋内日焼け規制法と、10代での日焼けマシン使用の低下との関連は明らかになりませんでした」。

Paskett氏は、「(日焼けマシン使用という)行動パターンを変えるには、皮膚科医の間だけではなく医療者レベルでの取り組みも必要にると思われます。医療者は患者に日焼けマシンのリスクを教育するべきです」と強調した。「臨床医が患者によく尋ねる喫煙、飲酒、その他の危険性の高い行動についての質問に、日焼けも追加されなければなりません」とPaskett氏は述べた。

—Addison Greenwood

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山本 容子 訳
北村 裕太 (農学/医学)監修

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