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携帯端末を用いた癌患者サポート/オハイオ州立大学

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携帯端末を用いた癌患者サポート/オハイオ州立大学

オハイオ州立大学 2008年10月8日

OSU(オハイオ州立大学)による研究:個人用携帯端末を用いた癌患者サポート
オハイオ州立大学 2007年10月8日

オハイオ州コロンバス – オハイオ州立大学総合がんセンターの研究者らが着手した試験的研究の一環として、乳癌患者が個人用携帯端末(デジタルアシスタンス)を用いて、痛み、倦怠感や気分の落ち込みの度合いを記録したり、患者用のコミュニケーションに関するビデオを見たりしている。

本研究は、この種の研究としては国内初であり、化学療法期間中の担当医師とのコミュニケーションをより効果的に行う方法を乳癌患者に指導するように考案されている。この2年間にわたる計画は米国立癌研究所から240,000ドルの資金援助をうけている。

「患者は痛み、倦怠感や気分の落ち込みについて医師にうまく相談できないことが多く、医師もまたこれらの症状について患者とうまく話せないことがあります」と、試験責任医師であり、オハイオ州立大学で地域医療心理学者を務め、患者と医師のコミュニケーションを改善すべく主に診療について研究しているDoug Post氏は言う。「われわれは両者のコミュニケーションが改善することを望んでいるのです。」

オハイオ州立大学ジェームズ癌病院ソローブ研究所(The James)で胸部腫瘍内科長を務めるCharles L. Shapiro医師は、本研究の共同試験責任医師である。

化学療法開始前に、本研究の対象患者25人に携帯装置を渡し、化学療法中の痛み、倦怠感や気分の落ち込みの度合いをランク分けした評価を週ごとに得るための使用法について指導する。担当医師の診察を受ける前日には、この携帯装置で8~12分間のビデオを見るよう勧める。比較できるように、対照群の患者25人には化学療法に向けた通常の配慮を払う。

「診察時にこれらの症状が話題にならず、治療がされないと、病状が悪化して患者の全体的な生活の質を低下させることが考えられます」とPost氏は言う。「われわれは話し合いを促すことでこのような事態を防ぎたいのです。」

医師は患者の来診前にこれらの症状を印刷したものを受け取る。ビデオは患者の人種および症状に合わせてある。黒人患者であれば黒人医師と黒人患者の、白人患者であれば白人医師と白人患者のビデオを見る。

「患者自身による週毎のランク分けに基づき、次回診察時に様々な症状を医師にどう説明すればよいかを解説するビデオが端末画面で再生されます」とオハイオ州立大学でLance Armstrong Foundation’s Survivorship Center of Excellence理事も務めるShapiro氏は言う。

「患者に『リアルタイムで』起こっていることを正確に評価するために週に1度データを記録することが重要なのです」とShapiro氏は言う。「こうすることで、治療中にこれらの基本的ニーズに対処でき、患者ケアが向上するでしょう。」

各ビデオとも医師と患者に焦点を当てており、患者が痛み、気分の落ち込みや倦怠感を医師にどう相談すればよいか、医師と患者の会話のロールプレイ場面も交えて説明されている。

「患者が痛みの問題を抱えていなければ、痛みについてのビデオを見ることはありません。前回の化学療法を受けた後、問題がある症状についてのビデオだけを見るのです」とPost氏は言う。しかしながら、どの症状についてでも患者が深刻な問題を抱えている場合は、早急に医師に連絡するよう携帯端末により促される。

ビデオでは患者と医師の間のコミュニケーションについてPACEという概念も説明している:Presenting information(情報を提供すること)、Asking questions(質問すること)、Checking understanding(理解を確認すること)そしてExpressing concern(心配事を話すこと)である。

「診察時に患者は医師にすべてを話さないことが多い」とShapiro氏は言う。「あるいは、患者は医師に具合が上向きであるように見せたいがために症状を過小評価しているのかもしれません、これは患者自身のためにならないことが多いのですが。」

Post氏はビデオの監督として、映画関係の経歴を持つ兄弟であるRobert Post氏の協力を得た。 The Jamesでの乳癌サバイバーがフォーカスグループとして参加し、Shapiro氏、Dr. William Hicks氏およびDr. Bhuvaneswari Ramaswamy氏を始めとするThe Jamesの腫瘍医数名と共にビデオに出演している。

本研究に参加したオハイオ州立大学のその他の研究は以下の通り:Donald Cegala, Prabu David, Mira Katz, Ann McAlearney, Electra Paskett and Gary Phillips.

ビデオ制作はOhio Government TelecommunicationsのDan Shellenbarger氏による。

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河原 恭子 訳
橋本 仁(獣医学)監修
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原文

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