2010/06/15号◆FDA最新情報「FDA-ASCOの教育モジュールによって治験薬へのアクセスを拡大」 | 海外がん医療情報リファレンス

2010/06/15号◆FDA最新情報「FDA-ASCOの教育モジュールによって治験薬へのアクセスを拡大」

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

2010/06/15号◆FDA最新情報「FDA-ASCOの教育モジュールによって治験薬へのアクセスを拡大」

同号原文
NCI Cancer Bulletin2010年6月15日号(Volume 7 / Number 12)


日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中〜

____________________

◇◆◇ FDA最新情報 ◇◆◇

FDA-ASCOの教育モジュールによって治験薬へのアクセスを拡大

患者が重篤な、あるいは生命を脅かす疾患にかかっていて、ほかに満足のいく治療法がない場合、医師は患者ケアのためにどのような選択肢を持っているだろうか。

臨床経過と病状によっては、患者は、その疾患または病態を治療する目的で試験中の薬剤投与を受けることができるかもしれない。治験薬の治療への使用は、拡大アクセス(治験用新薬利用範囲拡大制度)と呼ばれ、1970年代から実施されてきた。しかし、この仕組みは広く知られておらず、医師もあまり利用していない。治験薬への拡大アクセスによって、FDA(米国食品医薬品局)未承認の治療薬を患者が利用できるようになる。必要条件の一つは、患者が重篤な、あるいは生命を脅かす疾患をもち、ほかに満足のいく治療法がない場合ということである。こうしたアクセス措置の目的は患者への治療である。

医師の多くは拡大アクセスの仕組みや申請の手順を知らないため、FDAは2009 年8月に拡大アクセスに関する新たなルールを発表した。新ルールにより、治験薬の治療的使用承認に関する既存の規則がはっきりし、基準、申請の要件、拡大アクセスプログラムの安全対策についても概要が示された。

癌専門医に拡大アクセスとその申請手順に慣れてもらうため、FDA とASCO(米国臨床腫瘍学会)は教育モジュールを開発した。このモジュールでは、拡大アクセスそのものの説明に加え、治験薬を患者個人のために使用できる拡大アクセスプログラムを申請する手順、ほかに満足のいく治療法がない患者のための選択肢、医師が拡大アクセスプログラムの依頼者になる場合の責任などの点が説明されている。

本モジュールはASCO University(注:ASCO Universityは商標登録されたASCOのオンライン教育の場)ウェブサイトで利用可能で、会員であってもなくても無料で利用できる。拡大アクセスを申請する際によく用いられる規制用語の用語解説、拡大アクセスのチェックリスト、拡大アクセス申請時に使われる書式のテンプレートもある。

Dr.Richard Pazdur氏
FDA抗腫瘍薬製品局(Office of Oncology Drug Products)長

Dr.Tamy Kim氏
規制関連業務担当(Regulatory Affairs)次長代理、FDA抗腫瘍薬製品局

患者に治験薬へのアクセスを提供しようというNCIの努力NCIの癌治療評価プログラム(CTEP)は、患者に臨床試験中の抗癌剤へのアクセスを提供するプログラムを以前から持っている。CTEPの薬事管理部(Pharmaceutical Management Branch、PMB)の管轄化にある治療照会センター(Treatment Referral Center、TRC)は、臨床研究者が自分の患者のために新しい治療法を探している場合に連絡する部門である。TRCのスタッフは関連のある進行中の臨床試験を捜して情報を提供することができる。患者が臨床試験の参加基準に適格でない場合、TRCには治験薬への拡大アクセスを提供する仕組みがあり、「特例」という仕組みが一番よく用いられる。

CTEPの承認審査過程にある薬剤で、同時に製薬会社の協力が得られれば、CTEPは、立証済みの安全性プロファイルと特定の疾患に対する効果が立証済みの治験薬に一人の患者がアクセスできるようにする。こうした薬剤はCTEPに登録した治験責任医師すべてが利用可能である。1988年以来、CTEPは特例プログラムを通じて1万9千人を超える患者に治療を提供している。

******
鈴木 久美子 訳
林 正樹(血液・腫瘍内科医/敬愛会中頭病院) 監修

******

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

週間ランキング

  1. 1非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  2. 2ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  3. 3コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  4. 4リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  5. 5BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  6. 6若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  7. 7治療が終了した後に-認知機能の変化
  8. 8乳がん検診におけるマンモグラフィの検査法を比較する新...
  9. 9手術後に放射線治療を受けない非浸潤性乳管がん患者の長...
  10. 10免疫療法薬の併用はタイミングと順序が重要

お勧め出版物

一覧

arrow_upward