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ロボット手術の時代到来/ロボット手術とはQ&A

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ロボット手術の時代到来/ロボット手術とはQ&A

ロボット手術の時代到来
ロズウェルパーク癌研究所
2008年5月

患者の回復が早く、入院期間も短い。

BUFFALO, NY –ロズウェルパーク癌研究所(Roswell Park Cancer Institute 、RPCI)はロボット手術を実施している世界的に優れた研究施設の一つである。RPCIはロボット手術をBuffalo-Niagara地区に2004年8月に導入した。
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RPCIの最小侵襲手術(MIS)センターは500例以上の前立腺癌患者および90例を超す膀胱癌患者に対してダヴィンチロボット手術システムを用いてきた実績があり、現在ではこの手術オプションを特定の婦人科癌患者にも提供している。

James Mohler 医師(RPCI泌尿器癌部門責任者)は、「ロボット手術を受けた患者は一貫して、この手術方法に高い満足度を示している。RPCIがロボット手術と最小限侵襲手術に尽力ことにより、New York西地区および全国的にも泌尿器癌の治療方法が変わりつつある。」と述べた。

患者の多くにとって、癌に対する従来の手術方法を上回るロボット手術の利点には、入院期間が短いこと、痛みが少ないこと、感染リスクが小さいこと、瘢痕も少ないこと、そして尿禁制の回復が早いことが挙げられる。尿失禁と勃起機能の長期的な回復については従来の開腹手術と同様である。

科学技術のおかげで手術部位の3次元的観察が可能となり外科医の手術能力が伸びた。また小さいポートを利用した手術部位へのアクセスが向上し、大きな切開をおく必要がなくなった。

RPCIは浸潤性膀胱癌患者に対するのロボット手術(根治的膀胱全摘術)を開拓している数少ない米国の施設の一つであり、RPCIはJournal of Urology誌に、この手術方法は従来の開腹手術に代わる安全な方法であると報告している。

「RPCIはロボット手術を進行性膀胱癌の外科手術に用いている世界でも有数の施設の一つである。」とKhurshid A Guru.医師(RPCIロボット手術責任者)は述べ、「我々の臨床研究によると、ロボット手術によって手術中の出血量は少なく、手術後の痛みも少なく、回復も早いことが示されており、腫瘍学的にも非常に良い早期結果が得られている。ただし長期間の転帰についてはまだ評価中である。」と続けた。

はるばるMichiganやFloridaから外科医のチームがRPCIのロボット訓練および指導プログラムに参加している。このプログラムに参加した外科医は、各自の手技を完成させて手術用ロボットのプログラムを広げる機会が与えられる。このプログラムのスケジュールにはRPCIでの3日間のトレーニングが含まれている。それに引き続き、指導方法、トラブルへの対応、臨床症例での計画と戦略のたて方について、各施設で2日間指導を受け、さらにコース終了後のフォローアップがある。

「改善された技術によって手術能力が高まる結果、患者はさらに良い臨床転帰を得ることができ、活動的で生産的な生活により早く戻ることができる。」とMohler医師は述べた。

前立腺癌についてさらに知りたい方は、ロズウェルパーク癌研究所に連絡してください。電話は 1-877-ASK-RPCI(1-877-275-7724)です。

RPCIは1898年に創設された米国で初めての癌研究、治療および教育のための機関であり、New York州北部で唯一のNCIが作った総合的がんセンターである。RPCIは米国の先端的がん研究施設の協力団体である米国総合的癌ネットワーク(NCCN)の名誉ある一員である。New York, Pennsylvania, 中国に関連施設と共同プログラムをもっている。さらに詳しく知りたい方は、RPCIの ホームページ(www.roswellpark.org)を見るか、1-877-ASK-RPCI(1-877-275-7724)に電話するか、 askrpci@roswellpark.orgにメールしてください。

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画像は原文参照


ロボット手術とは Q&A

Q ロボット手術とは何ですか?

A ロボット手術とは最小侵襲手術(MIS)の一つで、外科手術と同じような動作をする手術ロボットを用いる手術です。MIS手術では、外科医が大きい切開を作らずに小さい孔を通して手術を行うため、回復するまでの時間が短く、合併症も少なく、入院日数も短くなります。手術ロボットは最小限しか進化していない手術と高度に発展した臨床科学技術を結びつけたものです。

Q ロズウェルパーク癌研究所(RPCI)ではどのような外科手術にこのシステムが使われますか?

A 現在のところ、ロボット手術は前立腺癌の切除(根治的前立腺切除)に用いられています。これまでに500例以上の前立腺手術で用いられてきました。さらに、100例以上の膀胱癌の患者がこの方法で治療を受けています。将来的には、この手術方法は精巣癌のためのリンパ節切除手術を勧められる患者に用いることができるようになります。その他の将来的な応用は、小児科、婦人科、胸部外科、整形外科、脳神経外科、消化器科の癌などです。

Q ロボット手術で前立腺癌の手術を受ける患者のメリットはなんでしょうか。

A ロボット手術で前立腺切除術を受けると、患者は通常手術が終わった翌日に帰宅できます。一般的に、手術後の痛みや不快感も少なく、回復は早いとされています。男性の多くは手術後わずか2週間程度で職場に復帰できます。

Q ロボット手術には従来の手術と比べて患者の転帰に違いはありますか?

A 前立腺癌を例にお答えします。前立腺癌を除去するという意味での成功率は、開腹手術すなわち従来の前立腺癌手術と同じです。患者が排尿の調節能を回復するのはロボット手術の方が速く、性機能の保持については少なくとも従来の手術と同じ程度です。次に示すのが一般的なロボット手術の有利な点です。

*痛みが少ない。
*瘢痕が少ない。
*尿調節能の回復が早い。
*出血量が少なく感染症のリスクが低い。
*入院日数が短い
*回復が早い(男性の多くはわずか2週間で職場に復帰している)

Q この手術方法をFDAは認可していますか?

A この da Vinci® 外科システムは手術用ロボットシステムではじめてFDAに認可を受けたシステムです。多くの手術に用いることが認可されており、腹腔鏡下手術、胸腔鏡下手術、腹腔鏡下前立腺切除手術、胸腔鏡補助下心臓手術に用いることができます。

Q ロボット手術は現在どこで用いられていますか?

A Intuitive Surgical社によると、da Vinci手術システムは現在、米国、オーストリア、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スウェーデン、スイス、英国、その他世界中の大病院で用いられています。

Q ロボットシステムについて教えてください。

A da Vinciシステムによる前立腺切除手術では、腹腔鏡手術に基づくロボット手術方式を用い、以下のような新たな利点があります。

*ロボットは自立型の車に接続した4本の腕をもっています。一つの腕はカメラ(腹腔鏡)を支え、外科医は残りの3本の腕にある「手」を、自分の指をリングに差し込み、足で制御しながら操作します。

*それぞれの腕は「Endo Wrist」という人の手首のように曲げたりひねったりできる柔軟な手首を備えています。

*外科医は、手の動きと足のペダルでカメラをコントロールし、ピントを合わせ、ロボットアームの位置を変えます。

*ロボットアーム手術システムが、外科医の手による直接操作の代わりに内視鏡器具を制御するのに用いられます。このロボットアームは常に安定しており電気的に人の手の「震え」を抑えることができます。

*ロボット手術システムは、3次元のレンズシステムを持っており、手術部位を15倍まで拡大することもできます。外科医は通常の腹腔鏡手術で用いる2次元画像の代わりに3次元画像を見ることができます。画像が拡大できるため、微小な血管の出血を見つけて処置することができ、出血を減らすことができます。

*映像システムのために腹腔内圧を上げる必要があります。これは手術中に血管からにじみ出ることで失う血液量を減らすという利点もあります。
*右上の写真は、手術前の装置と操作盤です。

Q 外科医はどのようにこのシステムを操作するのですか?

A 外科医はロボットを操作中、手術台から数フィート離れた操作盤の前に座ります。右側の写真には、外科医がずっと右の位置で操作盤に向かい、看護婦が患者のそばにいるのが写っています。ロボット手首のおかげで外科医は組織を操作し、人の手では困難なあらゆる角度と位置から手術を行うことが可能になります。この技術のおかげで前立腺切除後の膀胱と尿道の縫合が容易かつ正確にできるようになります。

Q ロボット手術のおかげで従来の外科医は最終的に過去の遺物になるのでしょうか。

A それはありえません。この手術方法のおかげで外科医はさらに精密な手術ができるようになり、自らの手技を進歩させ、複雑な最小限侵襲手術を実行する能力を上げることができるようになります。現在の世代の手術ロボットは、自分自身で外科手術を行うことはできず、補助のための機械的な「手」を外科医に貸すだけです。このシステムでは、外科医の動作をリアルタイムで複製しています。プログラムすることはできず、機械自身がでどのように動くかや、どういったタイプの手術手技を用いるかを外科医の指示なしで決めることはできません。

Q この新技術はどのように外科医を助けるのですか?

A 外科医はこれまで以上に正確に最小侵襲手術を実施できるようになります。ロボットアームは常に安定しており、人の手の「震え」を電気的に抑えることができます。ロボット手首のおかげで外科医は組織を操作し、他の方法では困難なあらゆる位置と角度から手術できます。3次元画像システムは手術野を15倍まで拡大し、微小血管を見つけてコントロールする外科医の能力を改善し、出血量を減らします。米国FDAは、ロボット手術を患者に用いる前に外科医が特別な訓練を受けることを要求しています。典型的な訓練には40時間かかります。医師が前立腺切除ロボット手術を行う場合、はじめの数回には指導者が立ち会います。経験のある前立腺癌外科医師であれば通常3-10回の手術を経験すれば慣れます。ロボット手術を行う医師を助ける看護婦もまた特別な訓練をうけます。

 

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関屋 昇 訳
榎本 裕(泌尿器科)監修

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原文

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