果物、野菜、お茶の摂取で喫煙者の肺癌発生予防の可能性/UCLAジョンソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

果物、野菜、お茶の摂取で喫煙者の肺癌発生予防の可能性/UCLAジョンソンがんセンター

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果物、野菜、お茶の摂取で喫煙者の肺癌発生予防の可能性/UCLAジョンソンがんセンター

果物、野菜、お茶の摂取により、喫煙者の肺癌発生を予防できるかもしれない
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)ジョンソンがんセンター
2008年5月

毎日の食事において、3皿の果物や野菜を摂取し、緑茶や紅茶を飲むことが、喫煙者の肺癌予防となっているかもしれない、と、この種の研究では初の報告がUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の癌研究者らによって発表された。


日々の食事で、フラボノイドと呼ばれている天然化合物を多量に摂取していた喫煙者では、肺癌を発症するリスクがより低かったことがUCLAから発表された。肺癌患者の90%以上が喫煙によるものであることから、これは重要な知見である。

この試験はCANCER誌の今月号で発表された。

「何種類かのフラボノイドが喫煙者における肺癌のリスク低下に関係しているという知見は大変興味深い」とUCLA ジョンソン総合がんセンターの研究者で公衆衛生ならびに疫学教授であるZuo-Feng Zhang医師は述べた。「この知見がとりわけ興味深いのは喫煙が肺癌の主要な危険因子だからである」。

フラボノイドは、水溶性の植物性色素であり、抗酸化作用と抗炎症作用をもち、それらの作用により組織の損傷を妨げる。UCLA試験では、研究者らは肺癌罹患者558人と肺癌非罹患者837人の食事歴を分析した。

その結果、研究者らはある種のフラボノイドを含有する食物を摂取することで、肺癌の発症を抑制しているらしいことを見いだした。最も予防効果があるとみられるフラボノイドはイチゴ、緑茶や紅茶に含まれているカテキン、芽キャベツやリンゴに含まれているケンフェロール、そして豆類、玉ネギやリンゴに含まれているケルセチンであると、Zhang氏は述べた。

それでは喫煙者はすぐにお茶、リンゴ、豆やイチゴなどを大量に摂る生活に変えてしまえばいいのでしょうか?やはり最も有効なのは禁煙することだ、とZhang氏は語った。しかし、より多くの果物や野菜、紅茶や緑茶を摂取することは害にはならない、と付け加えた。

「前例のない試験なので食生活に関して何らかの推奨を行うことには、通常は抵抗がある」とZhang氏は述べた。「われわれの知見を裏付けるためには、より大規模な試験により同様の結果を得る必要がある。とはいえ、より多くの果物や野菜を食べ、お茶を飲むことは良いことであろう」。

フラボノイドは、腫瘍が成長し、広がるために必要な血管新生と呼ばれる血管形成を阻害することで肺癌の発症を防ぐ、とZhang氏は述べる。さらにフラボノイドは、すでに細胞の遺伝子に組み込まれている細胞死、つまりアポトーシス(細胞自然死)を誘発することでも癌細胞の成長を阻止する、と述べた。

喫煙者においては、喫煙によるDNA損傷が肺癌の発症を引き起こす。フラボノイドが持つ抗酸化作用は、このDNA損傷を妨げる働きをするかもしれない、とZhang氏は述べた。

自然にすでに存在する化学物質によって、喫煙による損傷を防げるのでは、とZhang氏は述べた。

フラボノイドが、喫煙者においてどのように作用することで肺癌を抑制しているのかを究明するために、次は細胞株と動物モデルにおける実験室での研究だ、とZhang氏は述べた。上記の知見を裏付けるための大規模な試験に加えて、フラボノイドの抗癌効果が喫煙による膀胱癌、頭頸部癌、腎臓癌など他の癌にも有効であるかの試験を行う必要がある。

今試験で有効であるとみられた、特に効果のあるフラボノイドをどの果物や野菜が含有し、また最大の効果を出すための一日あたり最適摂取量はいくらであるかをZhang氏と彼のチームは試験する予定だ。

UCLA ジョンソン総合がんセンターは癌の研究、予防および発見、制御、治療および教育に従事する約235人の研究者と臨床従事者で構成されている。ジョンソン総合がんセンターは国内で最大の総合的ながんセンターのひとつで、研究の促進および基礎科学を最先端の臨床試験に反映させることに力を注いでいる。ジョンソン総合がんセンターは、2007年7月にU.S. News & World Reportによって米国西部最高のがんセンターに選ばれた。この地位は8年連続で守られている。UCLAジョンソン総合がんセンターに関する情報の詳細はwww.cancer.ucla.edu.でご覧ください。

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下和田 篤子 訳
武田 裕里子(薬学)監修

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原文

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