急速進行性リンパ腫に対して標準治療にEpratuzumabを追加し全奏効率が有意となる/メイヨークリニック | 海外がん医療情報リファレンス

急速進行性リンパ腫に対して標準治療にEpratuzumabを追加し全奏効率が有意となる/メイヨークリニック

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

急速進行性リンパ腫に対して標準治療にEpratuzumabを追加し全奏効率が有意となる/メイヨークリニック


急速進行性リンパ腫に対し、標準治療にEpratuzumabを追加することで有意な全奏効率が得られるとメイヨークリニックの研究者らが発見
2008年5月15日

米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会の研究結果を公表メイヨークリニック

米国臨床腫瘍学会年次総会で研究論文が発表される
Thursday, May 15, 2008
ミネソタ州-ロチェスター - North Central Cancer Treatment Group(NCCTG)と研究を行うメイヨークリニックの研究者らによると、化学療法に2種目のモノクローナル抗体を追加することで、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療に有望であるとみられている。

[pagebreak]


第44回米国臨床腫瘍学会年次総会で5月15日に中間解折の結果が発表された。

標準治療のR-CHOP にEpratuzumab(エプラツズマブ)を加えた治療に95%の患者が奏効したことが明らかになった。R-CHOPとは3種類の化学療法剤(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン)とステロイド剤のプレドニゾンおよびモノクローナル抗体であるリツキシマブの併用である。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は最もよくみられる急速進行性非ホジキンリンパ腫(NHL)で、Bリンパ球として知られている白血球の癌である。78名の患者において、次のことが判明した。

・治療の結果、95%の試験参加者(患者75人)が改善した
・63%の試験参加者(患者47人)で疾患が消失した

試験の主要評価項目である12ヵ月間の無病生存期間の評価が可能であったのは34名で、その85%にあたる患者29名にリンパ腫の徴候がみられなかった。

「これらの結果は良好ではあるが、標準的治療より優れているという結果となるかどうかはまだ不明である」とメイヨークリニックの血液学者で筆頭著者のIvana Micallef医師は述べる。

共にモノクローナル抗体であるためEpratuzumabはリツキシマブに類似しており、リツキシマブの場合はCD20、EpratuzumabはCD22という、いずれもB細胞の表面によく見られるタンパク質と結合する。また、両剤ともリウマチ性関節炎やループスなど一部の自己免疫疾患の治療にも使用される。「自己免疫疾患では炎症の原因となる抗体を生成するB細胞を阻止することが目的で、癌においては標的となるB細胞は悪性である」とMicallef博士は述べる。

本試験はEpratuzumabを化学療法(本試験ではR-CHOP)と併用する初めての大規模な試験です。参加した患者らにおける副作用はR-CHOP療法と同程度だった、と研究者らは語る。「概して、併用は忍容性良好であった」とMicallef博士は述べた。患者らに白血球数の減少、倦怠感、感染症がみられることもある。

これらの結果は有望に見えるが、R-CHOP療法と比較してこの新しい治療方法がより優れた結果となるかは2つのレジメンを直接比較しない限りわからない、とMicallef博士は語る。

その他のNCCTGの共同研究者は以下である。
Matthew Maurer, Paul Kurtin, M.D., and Thomas Witzig, M.D., all of Mayo Clinic; Daniel Nikcevich, M.D., St. Mary’s Duluth Clinic, Duluth, Minn.; Michael Cannon and Dennis Moore, M.D., both of Cancer Center of Kansas PA, Wichita.
North Central Cancer Treatment Group(NCCTG)は米国国立癌研究所が資金援助を行っている国立の臨床研究グループである。
NCCTGの研究と管理の拠点がメイヨークリニックに設置されている。NCCTGはアメリカ合衆国、カナダ、メキシコにおいて、地域の診療所、病院、医療センターの癌専門医のネットワークで成り立つ。NCCTGは前途有望な新しい癌治療の臨床試験を患者が生活をしている地域にもたらすことに貢献している。

ASCO抄録番号:8500

******
下和田 篤子 訳
林 正樹(血液・腫瘍科)監修

******


原文

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

週間ランキング

  1. 1非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  2. 2BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  3. 3リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  4. 4FDAがCAR-T 細胞療法Yescartaを成人大...
  5. 5若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  6. 6ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  7. 7脊髄転移に対する組織内レーザー温熱療法
  8. 8乳がん治験薬エンドキシフェン、NCIの支援により研究...
  9. 9濾胞性リンパ腫治療の新時代
  10. 10コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...

お勧め出版物

一覧

arrow_upward