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ブラックラズベリーは食道癌を予防するかもしれない/オハイオ州立大学総合がんセンター

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ブラックラズベリーは食道癌を予防するかもしれない/オハイオ州立大学総合がんセンター

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ブラックラズベリーは食道癌を予防するかもしれない
オハイオ州立大学総合がんセンター* 2008年2月5日

オハイオ州立大学総合がんセンターでの新しい研究によると、致死的疾患が発現するリスクが高い人がブラックラズベリーを食べることで食道癌に対する予防効果があるという。

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研究によると、胃食道逆流症に相関する前癌状態であるバレット食道の患者の酸化的ストレスがブラックラズベリーによって減少しうることを示している、とオハイオ州立大学総合がんセンターの分子発癌および化学予防プログラムのメンバーであるLaura Kresty氏は述べた。

フィラデルフィアで開催されたInternational Conference on Frontiers in Cancer Research Prevention(癌予防研究における最前線の国際会議)第6回年次総会で研究結果を発表したKresty氏はバレット食道の患者は食道癌になるリスクが非常に高くなる、と述べている。

バレット食道は胆汁および胃酸が食道に逆流することで生じ、フリーラジカルとして知られている反応性の高い不安定な分子の発生が増加する。未治療のままでは不安定な分子が細胞の抗酸化防御システムの能力を越えて組織の細胞膜、タンパク質、およびDNAを損傷し、変質させてしまう。

「バレット食道の患者の約10%に食道腺癌が生じるだろう。食道腺癌は米国で急激に発生率が増加している癌です」とオハイオ州の教育および人間生態学の大学で栄養学の助教であるKresty氏は述べる。

Kresty氏らは、ブラックラズベリーを食べることでバレット食道の患者が食道癌のリスクを減少させることが可能であると仮説を立てた。オハイオ州が過去に実施した動物実験では、ラズベリーが口腔癌、食道癌および結腸癌を抑制することを明らかにしている。この研究では、フリーラジカルが細胞を破壊するとして知られる酸化ストレスをブラックラズベリーが減少させることを示している。ブラックラズベリーはまたDNAの損傷をの軽減に加え、細胞増殖の抑制や、食道および結腸の前癌細胞の数を減少させた。

「もし、われわれが癌の初期に介入し、疾患の進行をゆっくりにする、または遅らせるための予防的薬剤で患者集団を助けることができれば、この致死的な癌に前向きな影響を実際に与えることができたでしょう。食道癌の5年生存率はわずか15%しかありません」と、Kresty氏は語る。

この6カ月間の研究中に、バレット食道の患者20名は凍結乾燥されたブラックラズベリーを1日に32g(約1オンス)または45g(約1.5オンス)食べた。研究の前後に、組織、血液、および尿のバイオマーカーを測定した。

「われわれはDNA損傷および全体的な酸化ストレスに対して尿中8-イソプロスタンを含むマーカーを測定しました。研究後、患者の58%でこのマーカーが減少しました。これは、酸化ストレスが軽減したことを示します」とKresty氏は述べる。

また、患者の37%で発癌物質および他の傷害物質の解毒に役立つGSTpiと呼ばれる保護酵素の発現が上昇したことを研究者らが明らかにした。

「介入の見地から、良い影響力を持つ有効な食物に関心があります。」「これらの結果は有望ですが、さらに研究が必要です」とKresty氏は述べている。

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吉村 祐実 訳
大藪 友利子(生物工学)監修

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