乳癌リスクは、BRCA1およびBRCA2遺伝子変異をもつ女性の中でも大きく異なる/スローンケタリング記念がんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

乳癌リスクは、BRCA1およびBRCA2遺伝子変異をもつ女性の中でも大きく異なる/スローンケタリング記念がんセンター

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乳癌リスクは、BRCA1およびBRCA2遺伝子変異をもつ女性の中でも大きく異なる/スローンケタリング記念がんセンター

原文
乳癌リスクはBRCA1およびBRCA2遺伝子変異をもつ女性の中でも大きく異なる
スローンケタリング記念がんセンター
2008年1月8日

ニューヨーク発- 2008年1月9日発行のJournal of the American Medical Association(JAMA)で発表された新たな試験によると、乳癌リスクはBRCA1およびBRCA2変異体のキャリアのあいだでも大きく異なるとみられる。「われわれの試験結果によると、BRCA1またはBRCA2キャリアの状態と関連するリスクはひとつではないということを強調する結果となった。そして、キャリアおよびその親族におけるリスクはその他の危険因子によって影響を受けるに違いない」と主著者であるスローンケタリング記念がんセンターの疫学・生物統計学部主任のColin Begg博士は述べた。

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先に行われた試験ではBRCA1およびBRCA2変異体のキャリアの人々のあいだで乳癌リスクが全体的に上昇していることが報告されており、キャリアのうち、リスクの異なる程度についてはほとんど触れられていない。「われわれは、キャリアの中には高リスクの患者もいれば低リスクの患者もいるという根拠を得た。仮定的な説明として、BRCA1およびBRCA2キャリアにおける乳癌リスクに影響を与えるその他の未知の遺伝子が存在するということである。」とBegg氏は述べた。

研究チームは、WECARE スタディーと呼ばれる試験に参加した女性2000人以上から得られた疫学的データを分析した。WECARE試験はこのタイプでは最大規模で1394例の乳癌患者、さらに対側性乳癌患者(両方の乳房に別々に癌が発生する)704例を対象とした国際的、多施設共同、集団ベースの試験であった。患者は1985年から2000年までの間に55歳未満で乳癌と診断された女性で周辺リンパ節を超えての転移がない患者であった。

「われわれの試験結果によると、BRCA1あるいはBRCA2キャリアである状態と関連するリスクはひとつではない。また、キャリアおよびキャリアの親族におけるリスクはその他のリスク因子によって影響を受けるに違いない」と疫学・生物統計学部の主任であるColin Begg氏は述べた。

試験ではBRCA1またはBRCA2の突然変異体が陽性だった患者181例の一親等の親族における乳癌の罹患率を調べることに焦点が当てられた。若くして(35歳未満)乳癌と診断された患者の親族は、45歳から54歳の間に診断された患者の親族と比較して乳癌に罹患する確率が有意に高いことが結果として示された。「われわれが行った統計解析によると、リスクは家族によって大きく異なるということも証明された」とBegg氏は述べた。

「われわれの試験では直接取り組んではいないが、これらのキャリアの家族におけるリスクに影響を与える新たな遺伝子が、キャリアおよびキャリアでない家族両方における乳癌リスクにも影響を与えるかもしれないという所見が得られた。一般的に乳癌患者が複数いる家族でリスクが高いということを示唆している。」とWECARE試験の臨床試験責任医師であるJonine Bernstein氏は述べた。「逆に言えばBRCA1またはBRCA2変異が陽性となった女性で乳癌の家族歴がない健康な女性において乳癌が発生する確率は、キャリアの生涯にわたって現在予測されるリスクよりはるかに低いと思われる。」

この試験による所見には、将来の乳癌の遺伝子スクリーニングに対する影響や、どの患者が高リスクかを理解することに関する影響がある。Dr. Beggによると、それらはまた「乳癌に影響を及ぼす新たな遺伝子を同定するための研究は価値のあるもので最終的に有益になるに違いない」と強調している。

南カリフォルニア大学の研究者、スウェーデンLundの大学病院、Fred Hutchinson癌研究センター、バージニア大学、デンマーク癌協会、アイオア大学、カリフォルニア大学アーバイン校が本試験に貢献した。研究は国立癌研究所からの助成金によって行われた。

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エリザベス 訳
林 正樹(血液・腫瘍科)監訳

(キーワード:乳癌、癌リスク、遺伝子、BRCA)

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