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癌による骨腫瘍を凍結させることにより疼痛が軽減するとメイヨークリニックの試験で判明

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癌による骨腫瘍を凍結させることにより疼痛が軽減するとメイヨークリニックの試験で判明

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癌による骨腫瘍を凍結させることにより疼痛が軽減するとメイヨークリニックの試験で判明
メイヨークリニック
2007年11月27日

ミネソタ州ロチェスター-凍結融解壊死療法(冷凍アブレーション)は、凍結によって腎臓腫瘍や前立腺腫瘍を破壊する治療として最も良く知られている手法であるが、骨に転移した癌の疼痛を長期にわたって緩和することが示された。本法では、骨内または骨付近の癌性腫瘍を凍結させ、縮小または破壊する。

メイヨークリニックの放射線医師であるMatthew Callstrom氏は、「癌患者の生存期間は長くなってきているため、長期にわたって疼痛を管理する必要性がある。」と述べている。同氏は、今週(11月27日)の米国放射線学会(Radiological Society of North America[RSNA])年次集会にて、疼痛管理での凍結融解壊死療法に関する最新の試験結果を発表する。

米国では毎年約100,000例が、骨に広がる(転移する)癌を発症する。この種の癌は極度の疼痛を引き起こし、麻酔薬やその他の標準治療では管理できないことが多い。疼痛管理における新たなアプローチが、長期にわたって生存する癌患者の生活の質を高める上で必要とされている。

本試験では、原発性癌が骨転移した患者34例に対して凍結融解壊死療法を用いた。これらの患者は、従来の疼痛管理治療に効果を示さなかったか、またはそのような治療を拒否した者である。80%の患者で臨床的に有意な疼痛の軽減を認めた。さらに、同治療法の効果は持続するようであり、施行24週後でも有意に低いレベルの疼痛であることを患者は報告している。

Callstrom氏は、「本試験での重要な2つの点は、治療後に疼痛の軽減が持続することと生活の質が改善されることである。」と述べている。

これらの試験結果が重要な理由は2つある。1つ目は、他の治療にて十分に疼痛が緩和されなかった後でも凍結融解壊死療法は効果を示すことである。2つ目は、長期間の疼痛緩和が得られることである。放射線療法は、転移性癌に伴う局所性疼痛を呈する患者を疼痛管理する上でのゴールドスタンダードと考えられているが、多くの患者では短期間の緩和しか得られないか、または全く効果が得られないかである。

最近Callstrom氏は、米国国立癌研究所(NCI)から900,000ドルの助成金を得て、転移性癌に伴う疼痛に対する治療として凍結融解壊死療法と放射線療法を比較するための全国的試験を主導する予定である。これはランダム化試験であり、患者は凍結融解壊死療法または放射線療法のいずれかを受けることとなる。

医師は、針のような小型プローブを腫瘍内に誘導するためにCTのような画像診断装置を用いる。その後、プローブを通してガスを循環させ、腫瘍を超低温にしてアイスボールの状態にする。

本法では、超音波やCTによる経路の画像誘導によって腫瘍に直接プローブを挿入することが求められる。プローブを挿入するためにわずか1インチの長さの切開が必要なだけの侵襲性が低い手法である。患者は治療前に通常鎮静させられるが、24時間後には退院する。回復時間は短く、また多くの場合、治療後数日~4週間以内に疼痛緩和を経験し始める。

本試験における患者が有していた原発性癌の種類には、結腸直腸癌、腎細胞癌、気管支癌、扁平上皮癌、副腎皮質腫瘍、卵巣腫瘍、甲状腺癌、傍神経節腫(交感神経内に発生する腫瘍)、黒色腫、類腱腫(筋肉を囲う組織の腫瘍)がある。

本試験はEndocare社からの資金提供を受けた。

凍結融解壊死療法、腎細胞癌(メイヨー)

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斉藤芳子 訳
平 栄 (放射線腫瘍科)監修
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