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悪性脳腫瘍の新たな治療ワクチン試験/メイヨークリニック

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悪性脳腫瘍の新たな治療ワクチン試験/メイヨークリニック

原文
メイヨークリニックによる悪性脳腫瘍の新たな治療ワクチン試験
現在、悪性脳腫瘍の一種である多形性膠芽腫(GBM)に対する新たなワクチンが、メイヨークリニック(フロリダ州ジャクソンビル)の臨床試験を介して提供されている
2007年10月22日

フロリダ州ジャクソンビル-成人に最も好発し、最も悪性度の高い脳腫瘍である多形性膠芽腫(GBM、グリオーマ)の患者を対象にした早期臨床試験で余命を有意に延長させたワクチンが現在、メイヨークリニック(フロリダ州ジャクソンビル)の臨床試験を介して提供されている。

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ワクチンはこの腫瘍を治療する斬新で非常に単純な手法であると、メイヨークリニックの臨床試験の試験責任医師になる予定の神経外科医Kent New医学博士はコメントする。この腫瘍の約40%はその表面に特定のタンパク質を示すことから、このワクチンは患者の免疫機構にトリックを仕掛け、そのタンパク質を「外敵」と思わせることで免疫機構の殺傷能力を高める。

「われわれはこの試験への参加を望む患者に新しい有望な治療法を提供できることをうれしく思う。これまでのところの結果は予想以上である。」とNew医師は述べる。

テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターおよびデューク大学医療センターで行われたワクチンの早期試験ではGBM患者39人の生存期間の中央値が通常の転帰と比較して50%以上延長した。さらに、腫瘍が再増殖し始めるまでの期間は2倍になった。

しかし、New医師は、このワクチンを放射線治療後(および化学療法後)の標準治療に追加することが最終的に標準治療単独よりもさらに良好な転帰をもたらすかどうかはわかっていないと警告した。「標準治療にワクチンを追加した場合と標準治療だけの場合とを比較することで、ワクチンの本当の利点を確かめたいと思っている」とNew医師はコメントする。

米国国立癌研究所によると、米国在住20000人以上の人が2007年に脳腫瘍の診断を下され、13000人近い人がその癌で死亡するとされている。主な脳腫瘍の中で最も好発するGBMは治療不可能であると考えられており、ほとんどの患者は診断時から1年以内に死亡する。

この臨床試験は全米20以上の施設の参加で開始予定で、この臨床試験はCDX-110として知られる、このワクチンの製薬企業であるCelldex Therapeutics社の援助を受けている。この試験は2段階に分けて実施され、患者約90人が第1段階として参加し、CDX-110で治療した患者の無病生存期間に改善が見られた場合、さらに試験参加施設を増やした拡大試験として285人が追加される予定になっている。

GBMと新たに診断され、この試験に登録される患者は、試験参加施設で手術を受け、腫瘍に上皮増殖因子受容体欠損変異体III(EGFRvIII)の発現が認められるかどうかが調べられる。研究者らは、正常な脳細胞上では発現しないこのタンパク質が癌細胞の増殖を促進させ、それが膠芽腫が悪性度の高い癌である理由の1つとなっていると考えている。ワクチンは合成したEGFRvIIIを用いて細胞性免疫(侵入者を攻撃するT細胞)および液性免疫応答(進行中の免疫を監視するB細胞)の双方を刺激する。

EGFRvIIIを発現する腫瘍がある被験者は標準治療単独もしくは標準治療にCDX-110投与を追加した治療に無作為に割り付けられ(どちらかに偶然で決めれられる)、腫瘍が増殖するか、患者が治療によって副作用を受けるまで薬剤投与する予定である。

臨床試験に関する詳細な情報に関しては、臨床試験照会オフィス(電話番号507-538-7623)にお問い合わせ下さい。詳細情報入手の予約はCentral Appointment Office(電話番号904-953-0323)に電話をおかけください。

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有田香名実 訳
平 栄 (放射線腫瘍科)監修

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