プラチナ製剤耐性卵巣癌患者の新治療の可能性/メイヨークリニック | 海外がん医療情報リファレンス

プラチナ製剤耐性卵巣癌患者の新治療の可能性/メイヨークリニック

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

プラチナ製剤耐性卵巣癌患者の新治療の可能性/メイヨークリニック

原文
メイヨークリニックがプラチナ製剤耐性卵巣癌患者の新治療の可能性を報告
『第2相コンソーシアム(多施設共同研究)』臨床試験で有望な結果を示す
メイヨークリニック*
2007年10月23日

サンフランシスコ -メイヨークリニックは本日、プラチナ製剤耐性の再発卵巣癌を患者に新たな併用療法の第2相臨床試験の中間結果が有望であると報告した。臨床試験参加者の33%はフラボピリドールおよびシスプラチン併用療法によって腫瘍が完全奏効または部分奏効した。

[pagebreak]


この第2相多国間多施設(P2C)臨床試験で得られた知見は、米国癌学会、米国国立癌研究所および欧州癌治療研究機構共同主催のシンポジウムである癌分子標的治療国際会議(Molecular Targets and Cancer Therapeutics International Conference)で、この試験の主任試験責任医師であるKeith Bible医学博士が発表した。

「この試験の中間結果で自信をもった。プラチナ製剤耐性卵巣癌は従来の治療法には奏効しにくかったため、われわれはこの疾患のさらに有効な治療法の開発に向けて励んできた。この併用療法は非常に期待できると考える。」と、メイヨークリニックの腫瘍医であり研究者であるBible医学博士はコメントする。

今年、22400例以上の米国在住の女性が卵巣癌と診断され、15300例近くが卵巣癌で死亡すると、アメリカがん協会は推定する。末期卵巣癌女性患者に対する治療選択肢は非常に限られ、標準治療法の大半はプラチナベースの治療(細胞傷害性薬剤を用いた治療)である。

この臨床試験で、研究者らは、プラチナ製剤耐性卵巣癌または原発性腹膜(腹腔上皮の)癌の女性患者を対象にした、flavopiridol〔フラボピリドール〕(シスプラチンなどの他の治療薬の有効性をも高める試験中の抗癌剤)とシスプラチン(プラチナ製剤)とを併用した療法を評価した。初期の非臨床試験で研究者らは、フラボピリドールが顕著にシスプラチンの抗癌作用を高めることを発見していたことから、その後、第1相臨床試験を実施し、患者に対して併用療法の試験を行った(KC Bible et al, Clinical Cancer Research, 11:5935, 2005)。現行の第2臨床試験は、この第1相試験結果の延長として、この併用療法がプラチナ製剤耐性癌に対して有効であることをさらに検討するためにデザインされたものであった。

Bible医学博士および共同研究者らはこの併用療法でプラチナ製剤耐性卵巣癌の白人患者18例を治療した。患者18例には全員、疾患悪化後の二次治療としてこの治療法を実施したが、うち1例が完全奏効し(癌の全徴候が消失し)、5例が部分奏効した(腫瘍が縮小した)。全奏効率33%(18例中6例)は従来の化学療法を用いた場合でみられた全奏効率の約2倍である。

また、研究者らは、プラチナ感受性のある(初回治療から12カ月以上再発しなかった)卵巣癌患者5例にこの併用療法を実施した。これら女性のうち1例が完全奏効し、ほか3例が部分奏効した。

「この中間結果を検証するには、さらに多くの患者を対象にこの臨床試験を拡大する必要がある。われわれはまた、卵巣癌に対して、より有効な手法を開発するために、この併用療法による抗癌作用をさらに高める方法を模索している。」とBible医学博士はコメントする。

P2Cの研究チームに参加した他のメンバーは以下の通りである。
メイヨークリニックから:Prema Peethambaram, M.D, Jill Burton Ann Oberg, Ph.D., Leigh Gomez-Dahl, Crescent Isham、Jennifer Tibodeau, Ph.D., Tamra Chomjak, Scott Kaufmann, M.D., Ph.D., Charles Erlichman, M.D.
協力者: A. Dimitrios Colevas, M.D., Stanford University Medical School, Palo Alto, Calif.; and John Wright, M.D., Ph.D., National Cancer Institute, Bethesda, Md.

「第2相 コンソーシアム(共同研究団体)(P2C)」は抗癌剤の第2相臨床試験を専門に取り扱う共同研究団体である。この試験はメイヨークリニックがんセンター(アリゾナ州フェニックス/スコットデール、フロリダ州ジャクソンビルおよびミネソタ州ロチェスターに試験サイトがある)によって調整された。P2Cに参加した施設は以下の通りである。Cancer Therapeutics Research Group(シンガポール)、 The Center for Cancer Care and Research(ミズーリ州セントルイス)、Howard University Cancer Center(ワシントンD.C.)、Karmanos Cancer Institute(デトロイト州)、Metro-Minnesota Community Clinical Oncology Program(ミネソタ州セントルイスパーク)、 Sidney Kimmel Comprehensive Cancer Center(ボルチモア州)、 Siteman Cancer Center(ミズーリ州セントルイス)、 UCSF Comprehensive Cancer Center(カリフォルニア州サンフランシスコ)およびUniversity of Wisconsin Comprehensive Cancer Center(ウィスコンシン州マディソン)。

この研究の大部分は米国国立衛生研究所によって資金提供された。

メイヨークリニックがんセンターで実施している乳癌研究の詳細に関してはWomen’s Cancer Program Web site(女性に関する癌プログラムのウェブサイト)で入手可能である。

メイヨークリニックで実施されている臨床試験に関する詳細はhttp://clinicaltrials.mayo.edu 、または 臨床試験照会オフィス507-538-7623に電話で問い合わせ可能。

******
有田香名実 訳
林 正樹(血液・腫瘍医)監修

******

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

arrow_upward