2010/06/29号◆FDA最新情報 | 海外がん医療情報リファレンス

2010/06/29号◆FDA最新情報

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2010/06/29号◆FDA最新情報

同号原文
NCI Cancer Bulletin2010年6月29日号(Volume 7 / Number 13)


日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中〜

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◇◆◇ FDA最新情報 ◇◆◇

・白血病治療薬米国での販売中止
・ドセタキセル抵抗性進行前立腺癌の新治療薬承認
・まれなタイプの慢性骨髄性白血病治療薬にニロチニブ承認[pagebreak]白血病治療薬米国での販売中止

6月21日、ファイザー社は米国食品医薬品局(FDA)からの要請を受けて、gemtuzumab ozogamicin 〔ゲムツズマブ・オゾガマイシン〕(Mylotarg〔マイロターグ〕)の米国市場での販売を自主的に中止した。このモノクローナル抗体は、他の化学療法の対象とは考えられない60歳以上の再発急性骨髄性白血病(AML)患者の治療薬として2000年に承認された。2004年に開始された第3相臨床試験の結果、死亡率が標準化学療法を受けた患者よりもゲムツズマブ・オゾガマイシンを投与した患者の方が高くなることがわかった。さらに、この薬剤は、肝中心小静脈肝静脈閉塞病という肝臓の小静脈が閉塞してしまう致死性の高い副作用をもたらした。

「マイロターグは、破壊的な癌の有望な新治療と考えられていたものを患者に適用させるため迅速承認を受けました。しかし、確認臨床試験や市販承認後数年間の経験から、この薬剤はAML患者には臨床的有益性をもたらすことが示されていません」とFDA医薬品評価研究センター抗腫瘍薬製品室長Dr. Richard Pazdur氏は述べた。

ドセタキセル抵抗性進行前立腺癌の新治療薬承認

FDAは、ドセタキセルの投与中または投与後に増悪したホルモン不応性前立腺癌患者の新薬cabazitaxel〔カバジタキセル〕(Jevtana〔ジェブタナ〕)を承認した。この薬剤はこの種の癌治療に用いられることが多いステロイド剤プレドニゾンと併用での承認となっている。この薬剤は、FDAの優先審査を経て、6月18日に承認された。優先審査プログラムは、治療を大きく前進させるかもしくは適切な治療が存在しない際の治療薬となりうる薬剤を対象として、審査期間を6カ月に短縮するものである。それどころか、本剤の審査は11週間で完了したとFDAのDr. Richard Pazdur氏は述べた。

この承認はホルモン不応性転移性前立腺癌治療の国際的多施設第3相試験(TROPIC)の結果に基づいたもので、この試験結果は今年のASCOの泌尿生殖器癌シンポジウムで発表された。この試験ではカバジタキセルをミトキサントロンと直接比較し(両剤ともプレドニゾンとの併用)、死亡率の約30%減少を認めた。

まれなタイプの慢性骨髄性白血病治療薬にニロチニブ承認

FDAは、まれな血液癌であるフィラデルフィア染色体陽性慢性期の慢性骨髄性白血病と新たに診断された患者の治療薬としてニロチニブ(タシグナ)を承認した。ニロチニブは2007年に初めて、疾患が進行してしまったかもしくはイマチニブをはじめとする他の療法に耐性がない患者を対象に承認された。

「製薬会社の開発する癌治療薬が、治療抵抗性の癌に対して臨床的有効性が明らかになったなら、その薬剤を初期癌に対する治療薬として開発を継続することは重要です。そうすることによって、さらに多くの患者が有効な治療を受けられるようになる可能性があります」とFDA のDr.Richard Pazdur 氏は述べた。

FDA は、迅速承認制度のもと、審査を6 カ月未満で完了し承認した。この審査では、臨床的有益性を予測する代用評価項目を血流中のCML 癌細胞数にした臨床試験によってニロチニブの安全性と効果を評価した。1 年間の治療後、タシグナを投与された患者の約44%が「分子学的大寛解」を示したのに対してイマチニブを投与された患者では22%であった。

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多和 郁恵 訳
林 正樹(血液・腫瘍内科医/敬愛会中頭病院) 監修

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