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人参(ジンセン)が癌にともなう倦怠感を軽減する可能性/メイヨークリニック

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人参(ジンセン)が癌にともなう倦怠感を軽減する可能性/メイヨークリニック

原文
薬草が癌にともなう倦怠感を軽減する可能性
North Central Cancer Treatment Groupによる人参(ジンセン)の予備試験についての報告
メイヨークリニック*
2007年6月3日

(*ここでいう人参(ジンセン)とはアメリカ人参の一種であり、高麗人参、朝鮮人参などの類を指します)

シカゴ‐ミネソタ州ロチェスターのメイヨークリニックを拠点とするNorth Central Cancer Treatment Group(NCCTG)の研究者らは、アメリカ人参の一種の高用量投与試験を受けた患者は、低用量もしくは投与を受けなかった患者に比べて倦怠感や体力に関して大きな改善をもたらすと考えられる初期データを示した。

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癌による倦怠感に対する有力な治療として、ウイスコンシン種のアメリカ人参を初めて評価する科学的に正確な予備試験の結果が、6月3日に米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会で発表されている。

多くの癌患者は、診断後および治療中に極度の倦怠感に直面する。睡眠または安静をたくさん取ることは多くの場合倦怠感の軽減にはならず、活動レベルとも関係していない。運動以外、これらの患者に対する有効な解決策がない。

「ウイスコンシン種人参が、われわれの患者の生活の質を改善するために大いに必要としていた治療をもたらす可能性があり、今後の評価を期待する。」と正看護師であり、メイヨー・クリニックの癌研究者であり、またその試験の主要試験責任者でもあるDebra Barton博士は言う。

「癌による倦怠感は、患者が直面する最も大きなまた辛い問題の一つである。」とBarton博士は言う。「この倦怠感の特殊なタイプは、多くの原因から生じることがあり、癌治療を完了した患者にとって、倦怠感は、癌再発の恐怖に次いで最も懸念するものの一つである。」

伝統的な漢方薬および人参の作用についての現在の理解は、両方とも強壮効果としての特徴であることを示す-身体が環境ストレスの影響を克服できるよう補助する物質である。癌患者は、診断の精神的ストレスから化学療法や放射線の身体的ストレスに至るまでストレス因子を持つため、もし人参が役に立つならば、研究者らは現在可能な治療に加えることが有用であると考えるている。

「増強した水泳持続力に関する人参の可能性を示す動物データと、ウイスコンシン種人参の可能性および証明された生産物の品質をもって、われわれは予備試験を推進することを決定した。」と同博士は言う。

試験責任者らは、282名の患者をランダム化プラセボ対照比較試験に登録し、各投与群に8週間で治療を完了する39名から48名を含め、各4つの投与群ごとに71名を平均とする割り付けを行った。治療投与群は、プラセボ投与、および750mg、1000mg、および2000mgのウイスコンシン種人参の3つの異なる投与を受けるグループで構成された。

4つの投与群のうち、プラセボおよび人参の最も低用量の投与群では、倦怠感または身体のその他の部分あるいは精神的に健康な状態のわずかな改善が報告された。高用量の投与群では、体力水準が増加し、倦怠感から生じる活動への支障が減少することを報告する全体の活力水準の改善を示した。その投与群ではまた、全体の精神的、身体的、意欲的、および感情的に健康な状態の改善を報告した。

これは、人参が倦怠感のどの部分の改善に役立つか突き止め、適切な用量選択を決定し、そして起こりうる副作用を特定することに絞ってデザインされた予備試験であるため、Barton博士は、患者の治療計画に人参サプリメントを即座に取り入れることに対して警告している。「有望な結果が得られたとしても、われわれはさらに調査を行う必要がある。」とBarton博士は言う。「加えて、身近なスーパーマーケットの棚にあるボトルを入手するというのは良い考えとは言えない‐‐消費者は、販売する企業と製品を調べる必要がある。栄養補助食品の連邦規制があまり存在しないため、現在入手できる製品に一貫性がない。実際、ある研究では、ラベルに記載された容量より少ないか全く含まないもの、また時には有害な汚染物質でさえ含んでいる種々のサプリメントがあることを示している。」

Barton博士の研究チームは、癌性倦怠感に対する新たな治療選択肢となることが確認されることを期待して、特定用量のウイスコンシン種人参とプラセボの比較を調査する新たな臨床試験を2008年に開始したいと考えている。

米国国立健康統計センターによると、米国人は、ハーブ系サプリメントを含め補完代替医療に年間360億ドルから470億ドルを費やす。メイヨー・クリニックの研修医であるAditya Bardia医師により執筆された最近の研究では、ハーブを利用する人の3分の2は、科学的な根拠にもとづいた情報によってハーブを購入しているのではないと報告する。消費者の意思決定プロセスに役立てるため、メイヨー・クリニックでは、多くの代替療法に関する最新の知識を扱う書籍を最近出版した。代替医療のメイヨー・クリニック・ブックでは、俗説を払拭して安全性と有効性について科学的に研究されてきた治療にヒントを与える。

朝鮮人参試験は、North Central Cancer Treatment Group(NCCTG)およびメイヨー・クリニックの共同臨床試験であり、数々の公共健康サービス機関の助成金によって援助された。その試験で使用された人参は、米国朝鮮人参研究所の会員によって提供された。その他のメイヨー・クリニック研究者は、下記の通りである。
Brent Bauer, M.D.; Jeff Sloan, Ph.D.; Heshan Liu; and Charles Loprinzi, M.D.
その他のNCCTGメンバーまたは関連施設からの共同研究者: Gamini Soori, M.D., Missouri Valley Cancer Consortium, Omaha, Neb.; Patricia Johnson, M.D., Carle Cancer Center Community Clinical Oncology Program(CCOP), Urbana, Ill.; Cesar Figueras, R.N., B.S.N., Michigan Cancer Research Consortium, Ann Arbor, Mich.; Steven Duane, M.D., Metro-Minnesota CCOP, St. Louis Park, Minn.; and Shaker Dakhil, M.D., Wichita CCOP, Wichita, Kan.
数多くのその他の施設はまた、NCCTGとの関係範囲内で参加した。

ミネソタ州ロチェスターに所在するメイヨー・クリニックを拠点とするNCCTGは、米国国立癌研究所によって資金援助された国立臨床研究グループである。NCCTGとは、癌治療向上のために臨床試験を実施するためメイヨー・クリニックと共同で作業を行う、米国、カナダ、およびメキシコにおける400以上もの地域密着型癌治療クリニックのネットワークである。

メイヨークリニックでは、当クリニックのサービスを合理化し必要に応じ簡易にアクセスを可能とするため、ビデオ・ニュース配信用に現在パスファイヤー社のデジタル・メディア・ゲートウエィ(DMG)を利用している。DMGのメインページ上で、左にあるナビバーのメイヨークリニックを探すかまたはVNFマスター・ロケーター(メイン検索機能)でmayoclinic73を検索。DMG機能に関する質問、またはニュース検索ができない場合はPathfire Customer Support(電話:888-345-0489または、support@pathfire.com)まで。パスファイヤー社のDMGを利用せず衛星回線またはその他の方法でメイヨークリニックのビデオ情報にアクセスしたい場合は電話:507-538-7911、または、e-mail: sultze.jane@mayo.edu まで。

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湖月みき 訳
平 栄(放射線腫瘍医)監修

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