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VEGF Trapは進行卵巣癌患者に有効/スローンケタリング記念がんセンター

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VEGF Trapは進行卵巣癌患者に有効/スローンケタリング記念がんセンター

原文
VEGF Trapは進行卵巣癌患者に有効
スローンケタリング記念がんセンター* 2007年6月2日

2007年6月2日シカゴ-ランダム化国際共同第2相臨床試験の予備試験結果によると、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)Trap(aflibercept)は3回~4回の化学療法を過去に受けたことがあり、プラチナベースの化学療法剤に対して耐性を持つようになった再発性上皮卵巣癌(EOC)患者で有効性を発揮する。本日、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会で発表されたこの知見は、ほかの選択肢を全部使い切ってしまった卵巣癌の女性に対してこの標的治療剤が果たす役割を示すことになるだろう。

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今日に至るまでに、この臨床試験には進行性卵巣癌患者162例が、欧州、カナダ、米国の12カ国、44施設で登録された。有益な結果が試験開始1ヵ月後に85%の患者で報告され、その内8%で腫瘍縮小、77%で病勢の安定が認められた。試験開始14週間後も患者41%で病勢の安定が継続していた。

「第2相臨床試験データの中間解析結果は非常に有望であった。よって、この試験を完了させるために患者登録を継続する。」とスローンケタリング記念がんセンターの腫瘍医で、この試験の筆頭著者であるWilliam P. Tew医師は語った。

この試験では、VEGF Trapは単剤で、2つのうちどちらかの投与量で静注する。本剤は腫瘍に向かって血管が形成される(血管新生)をブロックすることで腫瘍増殖を食い止め、体内のほかの部位へ癌が拡がること(転移)を防止するが、さらに腫瘍縮小をもたらす可能性がある。VEGF Trapには軽度および重度の副作用が報告されているが、全般的に忍容性は良好である。こうした副作用には、頭痛、倦怠感、悪心、軽度および重度の高血圧、嗄声、軽度および重度の尿タンパク、腎機能低下、発生率は低いが腸せん孔(1%)などがある。しかし、副作用はこれらだけに限定されない。

「進行卵巣癌は、VEGF Trap のような血管標的薬剤が単剤として顕著な有効性を示すと考えられるため、固形癌の中でまれなものかもしれない。固形癌のほとんどで、VEGF標的薬剤の有効性が従来の化学療法剤と併用することによってさらに増強する可能性がある。」と、スローンケタリング記念がんセンターの固形腫瘍部門の部長でありこの試験の主著者である. David R. Spriggs医師は語った。

上皮卵巣癌は卵巣を覆う組織内に悪性細胞(癌細胞)が形成される疾患である。卵巣癌全体の約85%~90%がこのタイプである。アメリカ癌協会は、米国の22430人の女性が2007年に卵巣癌であると診断され、そのうち15280人が死亡すると予測している。

この試験の参加研究者は以下である。
Nicoletta Colombo MD, Instituto Europeo di Oncologia; Isabella R. Coquard MD, Centre Leon Berard; Amit Oza MD, Princess Margaret Hospital; Jose Maria del Campo MD, Hospital de la Vall d’Hebron; and Giovanni Scambia MD, Universita Cattolica del Sacro Coure
この試験の一部はsanofi-aventis社およびRegeneron社によって助成されている。

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有田香名実 訳
島村義樹(薬学)監修

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