2009/10/20号◆FDA最新情報「HPVワクチン」「腎臓癌標的治療」 | 海外がん医療情報リファレンス

2009/10/20号◆FDA最新情報「HPVワクチン」「腎臓癌標的治療」

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2009/10/20号◆FDA最新情報「HPVワクチン」「腎臓癌標的治療」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2009年10月20日号(Volume 6 / Number 20)

日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~

PDFはこちらからpicture_as_pdf ____________________

FDA最新情報

・HPVワクチン2種に対するFDA承認:サーバリックス(女子)、ガーダシル(男子)
・腎臓癌の新しい標的治療をFDAが承認

HPVワクチン2種に対するFDA承認:サーバリックス(女子)、ガーダシル(男子)

子宮頸癌および頸部前癌病変を予防する第二のワクチンをFDAが承認したことを、ワクチン製造業者(グラクソスミスクライン社、GSK)が先週発表した。承認は、6カ月間にわたってワクチン(サーバリックス)の正規連続接種3回を行った被験者の93%に前癌性病変の予防が示された大規模臨床試験のデータに基づいたものである。

サーバリックスは、ヒトパピローマウィルス(HPV)のうち、HPV16型および18型を特異的に予防する二価ワクチン構造で、この2つの型は北米における子宮頸癌の原因の3/4を占めている。臨床試験データにおいても、HPV31や他の腫瘍誘発性(発癌性)のHPV型に伴う前癌性病変に対し、サーバリックスが弱い予防をもたらすことが示されているとGSKは声明で説明した。同社では、ワクチンは年内に米国内で接種可能になると見込んでいる。

先週、FDAは、HPVワクチンであるガーダシルを男児における生殖器疣(いぼ、疣贅)予防の目的でも承認した。ガーダシルは、女児および若い女性の子宮頸癌予防として既に承認済みであり、実際に用いられている。ガーダシルは四価ワクチンで、4種類のHPV型(16型、18型、6型、11型)による感染を特異的に予防する。HPV6型および11型は、発癌性はないと考えられているが、生殖器疣の原因となる。

FDAは、16~26歳の男性4,000人以上のランダム化臨床試験でガーダシルがHPV6型および11型に伴う性器疣贅に対して90%の予防効果を示したデータに基づき、9~26歳の男児・成人男性用としてガーダシルを承認した。FDAは、承認発表のプレス声明で、9~15歳の少年の免疫反応を検討する試験が行われたことを説明し、「試験結果では、免疫反応は16~26歳の年齢群と同等に良好であることが認められ、本ワクチンは同等の有効性を有することが示された」と述べた。

HPV16型感染と特定の種類の頭頸部癌、特に中咽頭癌(扁桃および舌根)の関連に関しては、多くの研究で明らかにされている。こうした癌はこの10年で罹患率が増加している。そのため、HPVワクチン接種が男女双方に普及することによって、より広い癌予防効果をもたらす可能性があるという研究者らもいる。

HPVと頭頸部癌の関連性を特定した研究者の一人であるオハイオ州立大学のDr. Maura Gillison氏は、「ワクチン接種がHPV関連扁桃癌の増加傾向を減少させうる可能性は充分にある」と述べた。また、Gillison氏は、ワクチン接種が経口HPV16感染を予防できるか検討する臨床試験が近い将行われることを期待しているとも述べた。

FDA認可ワクチンの投与を医学界に勧告するCDC予防接種実施諮問委員会は、生殖器疣予防のため男性にHPV予防注射を勧告するかどうか今週後半にも決定する予定である。

腎臓癌の新しい標的治療をFDAが承認

先日FDAがパゾパニブ(Votrient)を承認し、進行腎癌の治療には現在6種類の治療薬が使用可能となった。承認は、プラセボ投与患者と比較した無増悪生存率(PFS、腫瘍の増殖がみられない生存率)の改善を示した国際的な第3相臨床試験の結果に基づいて行われる。試験では、本剤による全生存期間の改善はみられなかった。

今月始め、FDAの抗腫瘍薬諮問委員会は、10対0でパゾパニブの承認を可決した。この決定は、重度の肝損傷による死亡3例を始めとするパゾパニブに伴う副作用について、FDA当局の審査スタッフから懸念が指摘されたにもかかわらず行われた。特に他に効果的な治療があることを考えると、この副作用は「対象母集団である患者におけるパゾパニブの利点/リスク比」についての疑問を呼び起こしたことをFDA検討委員らは 報告書に記載した。

試験の結果は、今年前半の米国臨床腫瘍学会年次総会で発表され、プラセボ投与患者群のPFSは4.2カ月だったのに対し、パゾパニブ投与患者群のPFSは2倍以上の9.2カ月であった。無増悪生存期間は、それまで無治療であった患者で最も大きな改善を示し、プラセボ群2.8カ月に対しパゾパニブ群11.1カ月であった。試験で最も多くみられたパゾパニブの副作用は、下痢、高血圧、ALT肝酵素上昇(肝損傷の一般的指標)であった。

現在、パゾパニブとスニチニブ(Sutent)を比較する企業主導の第3相臨床試験で患者登録が行われている。

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snowberry 訳

林 正樹(血液・腫瘍医/敬愛会中頭病院)監修

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