2010/07/13号◆コミュニティ情報「癌サバイバーとブログの力」 | 海外がん医療情報リファレンス

2010/07/13号◆コミュニティ情報「癌サバイバーとブログの力」

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2010/07/13号◆コミュニティ情報「癌サバイバーとブログの力」

同号原文
NCI Cancer Bulletin2010年7月13日号(Volume 7 / Number 14)


日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中〜

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◇◆◇ コミュニティ情報 ◇◆◇

癌サバイバーとブログの力

アン・シルバーマンさんが癌と診断されたのは、2009年8月のことだった。その2週間後、ブログを始めた。『Breast Cancer? But Doctor…I hate Pink(乳癌ですか?でも先生・・私はピンクが嫌いです』というタイトルのブログでは、乳癌と向き合う彼女の苦闘を軽いひねりを加えて面白く表現している。


「治療や体調不良から私が開放されるのは、その事をブログにどう書こうかと考えている時と、読者にユーモアあふれる表現で状況を伝えようと言葉を探している時です。癌について他人のために書くことができて、癌治療の否定的な側面よりも前向きな面に注目できるようになったことに気づいたのです。まさにそれが、読者の人々に希望することなのです」と続けた。

ジョージタウン大学のロンバルディ総合がんセンターで芸術および人文学プログラム講師であるナンシー・モーガン氏はブログを書くことによる患者への効果を確信している。

「私がロンバルディで出会った癌患者のブロッガーたちは、癌についてのさまざまな考えや気持ちをはっきり表現して他の人とつながりを持つことにより、大きな力を得ています。一人の人間の書くという勇気が、他人に自分も自分の感情を表現したいという気持ちにさせるのです。自分の気持ちを言い表すことによって得られるやすらぎは容易に理解できると思います」と、モーガンさんは述べた。

2008年のOncologist誌に掲載された試験において、モーガン氏らは、文章表現力のトレーニングを受けた患者の感情はより良好であったという報告を発見した。

「調査後およびその後のインタビューで、書くことによって癌に対する考え方が変わったと感じている人と、書くことで身体的QOLが改善したと感じている人に重大な相関があることを確認しました」と、モーガンさんは述べた。

エイミー・マラッシュさんが、漫画を描いて他の人と情報を共有したいと主治医に伝えたところ、モーガンさんに相談するよう紹介された。モーガンさんはエイミーさんにスケッチブックをプレゼントしてくれ、彼女はボールペンで漫画を描きマーカーで色をつけてからフォトショップで加工して、自分のブログ『Cancer is So Funnyl](がんは本当に面白い)』にその絵をアップした。

「人々は私の漫画をとても喜んでくれます」とエイミーさんは言う。「みんなは私の漫画を「めちゃくちゃおもしろい」と、大声で笑ってくれます。彼らの中には愛する人を癌で失っている人もいるのにね。私の漫画の一番のファンは父親と兄弟を同じ病気で亡くしている人です。他にも今、癌と闘っている人もいます。癌患者仲間で私の漫画を共有しています。今まで私の漫画で嫌な気分になった癌患者さんはいませんし、私も絶対にそれは望みません」。

2000年に乳癌と診断されたダリア・マルータさんは、『Living with Cancer(がんと暮らして)』というブログを書いている。彼女は2004年、2008年に再発し、現在も化学療法を受けている。

ダリアさんは次のように述べている。「ブログの世界では癌の人々がつながり、それぞれの経験を分かち合い、そしてお互いを励ましあう場所を癌患者に提供しています。ブログを通じて私は癌やその治療法についてだけでなく、自分以外の人が病気とどう向きあっているのかなど大変多くのことを学んでいます。ブログが私を強くしてくれたと思っています」。

インディアナ州の公認看護師であるキャロライン・ラングリ-レスニックさんは、2001年3月に虫垂癌と診断され、一度はもう手の施しようがないと告げられた。『Appendix Cancer Survivor’s Blog(虫垂癌サバイバーのブログ)』という彼女のブログでは、「私の闘病の旅で大変だったことを他の癌患者さんたちと共有することに重きを置いています。まれな癌サバイバーとして、私の経験してきた心と魂の旅路を分かち合えるように」と彼女は述べた。

キャロラインさんのブログが虫垂癌患者らの気持ちのはけ口になり、また有用なリンクや他の癌サバイバーの話を通して彼らに情報を与えることを彼女は望んでいる。

「本当は私が生きている意義を見つける必要があったのです。つまり、私が今まで受けてきたすべての助けに対する恩返しをする方法を見つけたかったのです。」とキャロラインさんは述べた。「私の望みは、私のブログによって癌と闘っているのは自分ひとりではないということを癌患者さんに気づいてもらうことです。虫垂癌はまれで孤独な癌です。私はブログを通じて出会い、敬意を抱くようになった人たちもいます。たくさんの人が闘いに破れて亡くなってしまいましたが・・・。」

アンさんのブログにはたくさんの閲覧者がおり、地元新聞のウェブサイトである『The Sacramento Bee(サクラメントのハチ)』にリンクされている.

「たくさんの人がGoogle検索を使って私のブログを見つけ、隅々まで読んでくれていることは知っています。そのことには驚いています。みな自分の身に起こるかもしれないことをとても知りたいのだなということが私に伝わってきます」と彼女は述べた。

アンさんとキャロラインさんはどちらも癌に関するブログを始める前からブログに親しんでいた。キャロラインさんはブログを公開する5、6年前に教育ウェブサイトである、Appendix Cancer Connectionを始めた。アンさんは以前、他のトピックのブログをもっており、ツールについても詳しかった。ダリアさんは200以上の癌関連ブログを閲覧している。エイミーさんは自分のブログを始める前にThe Digital Journalistにブログを書いていた。

ここで紹介した女性らはみなそれぞれブログの読者仲間のコミュニティを作っている。「疾患や治療のことで失望する時間もあるが、私が感じていることやその日あった出来事をブログに綴ると、知らないうちに誰かが私を励ますコメントやEメールをくれるのです。このちょっとした励ましの言葉が私の心を持ち上げてくれるのです。正直にいうと、私はブログファミリーがいなければどうなっていたかわかりません」と、ダリアさんは述べた。

—Elizabeth Goers

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舛田 理恵 訳
佐々木 了子・野中 希 校正
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