2009/12/01号◆特別号:癌研究における人材育成「NCIは、世界中から未来の研究リーダーを養成」 | 海外がん医療情報リファレンス

2009/12/01号◆特別号:癌研究における人材育成「NCIは、世界中から未来の研究リーダーを養成」

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2009/12/01号◆特別号:癌研究における人材育成「NCIは、世界中から未来の研究リーダーを養成」

同号原文|  

 NCI Cancer Bulletin2009年12月01日号(Volume 6 / Number 23)

日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~

PDFはこちらからpicture_as_pdf ____________________

特別号:癌研究における人材育成

NCIは、世界中から未来の研究リーダーを養成

 

1971年のNational Cancer Act(米国癌法)通過以来、NCIはその法令の要求するところを真摯に受け止め、米国における外国人研究者の養成を支援している。2008会計年度には、84カ国から926人の客員研究者を受け入れ、彼らはNCIの研究所や診療所のフェローとして研修、あるいは夏季集中コースを履修した。

「世界中の主要ながんセンターを訪れる際、かつてNCIの研究所や施設に在籍したことがある人がそこでのリーダー的立場にいるのを目にするのは全く珍しいことではありません」と、NCI国際事業オフィス(OIA)長のDr. Joe Harford氏は述べる。その好例は、NCIで研修を受け、最近、二国間の癌研究協力を発展させる米中会議の共同議長を務めた中国人研究者のDr. Qimin Zhan氏である。

中国はこのところ毎年最多の客員研究者をNCIに送っており、日本、インド、韓国が僅差で続き、それらの国々がNCIの海外研修生のおおよそ半分を占める。欧州とカナダからも多数が参加している。これらの産業国からくる多くの研究者はZhan氏のように、博士課程を修了した研究者で、NCI内の研究センターで複数年の特別研究員の資格で研究している。

近年Harford氏とOIAは、NCIの研修プログラムが役立つ「中低所得国からの研究者の数を積極的に増やそうと努めている」。 癌予防フェローシッププログラムが維持運営する癌予防に関する夏季カリキュラムは、このゴールを達成する有効な方法の一例となった。「このプログラムは米国内向けの活動として始められましたが、1998年ごろ海外の研究者の養成をも目的として拡張する余地があると考えました」と、彼は述べる。癌予防と制御は、治療施設が往々にして不十分であるか全く欠乏している途上国における最優先事項でもある。

現在では、夏季カリキュラムの参加者の約半数は海外の学生である。OIAはこのプログラムを発展途上国で直接推進するとともに、国連の国際原子力機関(IAEA)のPACTプログラムを通じて候補者を推薦するようIAEAに協力を要請してきた。「参加者はアジア、サハラ以南のアフリカ、北アフリカ、中東、ラテンアメリカ、東欧など主要な発展途上地域全域に比較的均等にいきわたっています」とHarford氏は述べる。

NCIはまた教育援助も、なかでも集団ベース癌登録に関する分野について、推進してきた。例えば中東癌コンソーシアムへの関与を通して、NCIはキプロス、エジプト、イスラエル、ヨルダン、パレスチナ自治区、およびトルコでレジストリ関連スタッフの教育を援助してきた。

OIAは、世界的な癌関連組織である国際対がん連合(UICC:International Union Against Cancer)ともその国際フェローシッププログラムにおいて緊密に連携しており、これをDr. Harford氏がUICCのためにボランティアベースで指揮している。OIAは国際癌技術移転フェローシップ(ICRETT)に資金を提供している。「ICRETTフェローシップは1、2カ月のもので、個別になんらかの支障をもつ遠隔地の研究者を援助する仕組みです」と彼は説明する。「研究者は、世界中のどこかに行って特定の技術を入手できるように、年中いつでもICRETTフェローシップを申請することができます」。UICCはICRETTフェローに奨学金を支給し、旅費を賄う。

今年、NCIは、主にオープンソサエティー財団が資金提供している、リーダーシップ開発イニシアチブ(LDI)に参加した。「これは、緩和ケアに携わっているが、チーム形成、戦略計画などのリーダーシップ・スキルを欠いている人向けのものです」とHarford氏は説明する。まずは中低所得国から22人がこの新プログラムに選出され、カリフォルニアのサンディエゴ・ホスピスでリーダーシップ研修を受講することになっている。

OIAはまた、中低所得国向け緩和ケアリソースの関連ウェブサイトに、EPEC-O(癌の緩和ケアと終末ケアに関する教育)カリキュラムなどの資金援助をしている。このカリキュラムは、癌のケアに携わる医療者のために特別に開発された総合的トレーナー養成プログラムである。

中国人研究者のDr. Qimin Zhan氏は、1991年から1998年までNCIの研究所での訓練に費やした7年間が、彼の科学者としての成功に重要な影響を及ぼしたと考えている。その後Dr. Zhan氏は中国に帰国し、現在は中国医学科学院(CAMS)・北京協和医科学院の副学長である。 研究における指導的役割の一環として、Zhan氏は、最近、北京で開催された米中共同癌研究30周年記念式典の議長を務めた。Zhan氏はNIHの客員研究員としてNCIに来て、Dr. Albert Fornace氏の研究室で働いた後、そして癌抑制遺伝子p53の働きに関する先駆的研究を手伝った。NCIでの最後の2年間は、自分の研究室を率いるシニアスタッフ研究員となった。Zhan氏はピッツバーグ大学のNCI認定がんセンターに加わるためにNCIを去り、そこでNCIから研究助成金を得た。

Zhan氏はCAMSでの職に就くために2004年に中国に帰国した。彼は中国とNCIとの共同研究を拡大する助けとなる現在の役割に誇りを持っており、「NCIに特別な感謝の気持ちをお返しすることに努めます」と述べた。

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杉田 順吉、(囲み記事)Nogawa 訳

小宮 武文(胸部内科医/NCI研究員・ハワード大学病院)監修

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