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大規模多施設共同試験では、バーチャル大腸内視鏡と標準的な大腸内視鏡の精度は同等

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大規模多施設共同試験では、バーチャル大腸内視鏡と標準的な大腸内視鏡の精度は同等

Large, Multi-Center Trial Demonstrates Comparable Accuracy for Virtual Colonoscopy and Standard Colonoscopy (Posted: 09/17/2008)

-米国放射線学会画像ネットワークが実施したCTコロノグラフィー試験の結果によれば、バーチャル大腸内視鏡としても知られるコンピュータ断層撮影コロノグラフィーが、癌および前癌性ポリープの検出精度の点で、カメラが装着された長いしなやかな管を用いて大腸壁を観察する標準的な大腸内視鏡とほぼ同等の成績を示し、結腸直腸癌の初回検診に応用できるという。


バーチャル大腸内視鏡としても知られるコンピュータ断層撮影(CT)コロノグラフィが、癌や前癌ポリープの検出精度において、カメラが装着された長い軟性チューブを用いて大腸の内側を観察する標準的な大腸内視鏡検査と同等の成績を示し、結腸直腸癌の初回スクリーニング検査に使用できることが米国放射線学会画像ネットワーク(ACRIN)のCTコロノグラフィ試験の結果判明しました。

 

CTコロノグラフィはバーチャル・リアリティ技術を用いて三次元画像を描出し、結腸と直腸全体の評価を精密で低侵襲に行います。ACRINの試験は米国国立衛生研究所(NIH)の一部門である米国国立癌研究所(NCI)から資金提供を受け、米国内の15の施設で2,600人以上の患者が登録されました。本試験は最先端のCTコロノグラフィとゴールドスタンダードである従来の大腸内視鏡検査の精度を比較する最大規模の多施設間試験で、試験結果は2008年9月18日発行のNew England Journal of Medicine誌で発表されました。

 

「CTコロノグラフィは結腸直腸癌検診の第一選択として臨床現場で主流になるかもしれません。この低侵襲性の癌検診オプションが追加されることによって、より多くの人が検診を受けるようになり、最終的には結腸直腸癌による死亡が減少することを願っています」とACRINのCTコロノグラフィ試験責任医師であるアリゾナ州スコッツデール、メイヨークリニックのC. Daniel Johnson医師は述べました。 結腸直腸癌は3番目に多い癌で、米国の男女において癌による死因の第2位となっています。

 

検診の推奨には多少ばらつきがあるものの、多くの場合50歳以上の一般成人は、既知の危険因子に応じて、10年に一度以上の大腸内視鏡検査の受診が推奨されています。しかし、検診の有用性がわかっているにもかかわらず、50歳以上のアメリカ人の大半が結腸直腸癌検診を受診していないと研究で示されています。

 

「バーチャル大腸内視鏡などの画像診断の進歩は、検診受診者数の増加に向けての重要な一歩です。画像診断の研究開発を引き続き行い、分子診断技術を開発することによって、今後は検診オプションを改良し、その結果、結腸直腸癌の発症率を継続的に減少させたいと思います」とNCI所長のJohn E. Niederhuber医師は述べました。

 

「過去の単施設試験でCTコロノグラフィは精度、安全性、コスト、患者の認容性の点で結腸直腸癌検診において期待できると示唆されていました。しかし、検査の実現性についてさらにエビデンスを得るため、複数の施設および放射線科医による技術検証が必要でした。CTコロノグラフィは検診が必要であるとされた集団において、初回スクリーニング検査として使えるとACRINの試験で実証されました」と、試験統計学者でロードアイランド州プロヴィデンスのブラウン大学ACRIN生物統計およびデータ管理センターのMei-Hsiu Chen博士は述べました。

 

ACRINの試験では、CTコロノグラフィの研究結果は標準的な大腸内視鏡検査を標準資料として評価されました。CTコロノグラフィは中型および大型のポリープの検出において高精度であることが判明しました。1cm以上のポリープの90%がCTコロノグラフィで検出され、0.5cmの小さいポリープでも高精度で検出されました。ほとんどの大腸癌がポリープから発症しており、検診でこれらのポリープを見つけ、切除すれば大腸癌を予防できるので、早期発見によって命を救うチャンスになります。

 

「CTコロノグラフィ、大腸内視鏡検査、またはその両方を組み合わせる臨床条件は明確な利点を示しています。患者への最も重要なアドバイスは、検診を受けてくださいということです。どのような検査を受けるかは患者と医療提供者との話し合いに基づいて、個々に決定すべきです」と胃腸科医で研究著者であるミネソタ州ロチェスターのメイヨークリニックのPaul Limburg医師は述べました。

 

試験参加者は、50歳以上で、大腸内視鏡検査の受診を予定しており、過去5年間に大腸内視鏡検査を受けていないこととしました。各参加者は大腸内視鏡検査後にCTコロノグラフィを受け、両検査の99%は同日中に完了しました。大腸内視鏡検査を受ける予定の参加者は、各参加施設の胃腸科医の支援を受け、募集されました。CTコロノグラフィと大腸内視鏡検査の両検査の前処置は腸洗浄剤の服用でした。 研究の提唱者らは本試験を行った担当者への助言において重要な役割を果たしました。

 

「研究チームと共に活動したACRIN患者支援者として、また、結腸直腸癌連合(C3)の研究提唱者として、CTコロノグラフィが検診オプションに追加されることを喜ばしく思います。結腸直腸癌による死亡の大幅な減少を成し遂げようとするのであれば、低侵襲でありながら正確で包括的な方法が必要です」とウィスコンシン州マディソンのPam McAllister氏は述べています。 ACRINのCTコロノグラフィ試験の詳細については、下記のサイトをご覧ください。

 

本試験についてのQ&A

Johnson医師へのインタビューについては、米国放射線医学会(ACR)広報担当マネージャーShawn Farley氏に電話(703-648-8936)またはメール([url=sfarley@acr.org]sfarley@acr.org[/url])にてご連絡ください。 テレビ局用に、ビデオクリップ、Bロール、VNRが、PR Newswire やThe NewsMarket でご利用いただけます。冊子をご希望の方はShawn Farley氏に電話でご連絡ください(703-648-8936)。 結腸直腸癌についての詳細はNCIのサイトをご覧ください。[www.cancer.gov/cancertopics/types/colon-and-rectal]

米国放射線学会画像ネットワーク(ACRIN)はNCIの臨床試験研究共同グループで、米国の100以上の学術施設および地域密着型医療施設といくつかの国際機関の研究者で構成されています。ACRINの使命は画像診断や画像誘導治療手技の臨床試験を通じて情報開発を行い、1)癌の早期診断、2)非癌患者の不安緩和、3)癌患者の寿命と生活の質の向上につなげることです。ACRINについての詳細は[url=www.acrin.org]www.acrin.org[/url]をご覧ください。 米国放射線医学会(ACR)は、32,000人以上の診断放射線科医、放射線腫瘍医、インターベンショナル放射線医、核医学医、医学物理学者を有し、放射線医学の実践と包括的ヘルスケアサービスの普及に焦点を置いたプログラムを擁しています。

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吉田 加奈子訳
鵜川 邦夫(消化器科)監修
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