活性型ビタミンDが癌患者の血栓を低減する/オレゴン健康科学大学 | 海外がん医療情報リファレンス

活性型ビタミンDが癌患者の血栓を低減する/オレゴン健康科学大学

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

活性型ビタミンDが癌患者の血栓を低減する/オレゴン健康科学大学

原文
OHSU癌研究所の研究者らは活性型ビタミンDが癌患者の血栓を低減させるかもしれないことを発見/オレゴン健康科学大学(OHSU)
2006/9/25

 

オレゴン州ポートランド―活性型ビタミンD、カルシトリオールを服用している癌患者が血栓の減少を経験したことを、オレゴン健康科学大学(OHSU:Oregon Health & Science University)癌研究チームは発見した。この臨床試験の結果は最近British Journal of Haematologyにオンラインで公表され、10月16日土曜日発行の11月号にも掲載された。

 

血栓または血塊は、進行癌における深刻な合併症で、癌患者全体の15-20%に影響を及ぼしている。

 

「脳卒中、心臓発作、肺血栓などの命にかかわる事象をはじめとする血栓症は、進行癌や癌治療における深刻な合併症である。このような血栓を減少させることは癌患者にとってとても重要だ」と、OHSU癌研究所前立腺癌プログラムのディレクターで、アメリカとカナダからの研究者を含む今研究の研究責任者であるTomasz M. Beer医師は語った。

 

進行性前立腺癌を持つ患者250人を含む48施設における無作為化試験では、高用量のカルシトリオール(DN-101) をドセタキセルと併用していた患者は、プラセボとドセタキセルを服用していた患者に比べ、静脈および動脈血栓症が大幅に減少した。

 

カルシトリオールは自然に分泌されるホルモンで、生物学的に活性化されたビタミンDである。

 

この臨床試験は進行性前立腺癌の患者が対象だったが、骨髄性白血病細胞、単球と骨芽細胞における試験管内の研究、そしてマウスでの研究で、高濃度のビタミンDは血液凝固システムの活性化を低減し、ビタミンDがさまざまな癌によって起こる血栓を減少させるのに役立つ可能性があることが示唆された。

 

この血栓の減少は予期されていなかったが、AIPC Study of Calcitriol Enhancing Taxotere(ASCENT)の予備解析で分かった。したがって、この結果はプロスペクティブ研究で確認される必要がある。ドセタキセルとプレドニゾンの併用とドセタキセルとDN-101の併用を比べる国際的研究、ASCENT-2は、高用量カルシトリオールの癌患者における血栓の減少能力をプロスペクティブに検証する。Beer医師によれば、もしこれらの効用が立証されれば、高用量カルシトリオールは便利で安全な血栓予防薬として化学療法を受けている前立腺癌患者に用いられるだろう。

 

DN-101はNovacea社によって製造されている。OHSUとBeer医師はNovacea社と多大な経済的な利害関係があり、また、Navacea社もこの研究と技術の結果に商業的関連がある。この潜在的摩擦は見直され、OHSU Conflict of Interest in Research委員会と、Integrity Program Oversight Councilによって承認されたマネージメントプランが実行された。

 

(ラスコ 訳・林 正樹(血液・腫瘍科)監修)
____________________
 

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

週間ランキング

  1. 1乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3がんに対する標的光免疫療法の進展
  4. 4「ケモブレイン」およびがん治療後の認知機能障害の理解
  5. 5若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  6. 6BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  7. 7治療が終了した後に-認知機能の変化
  8. 8ASCO、がん臨床試験に対する適格基準の緩和を推奨
  9. 9コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  10. 10ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず

お勧め出版物

一覧

arrow_upward