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転移のない軟部肉腫に短期放射線療法は通常療法と同等に有効

寡分割照射により、創傷の合併症リスクを増加させることなく同等の腫瘍制御を達成

転移のない軟部肉腫(STS)で術前放射線治療が必要な患者は、5週間ではなく3週間の寡分割照射を安全に受けることが可能であり、この治療には同等の腫瘍制御効果があり、創傷治癒における重大な合併症リスクの増加はないことが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らによって示された

Ashleigh Guadagnolo医師(放射線腫瘍学教授)が主導する本研究の結果は、本日Lancet Oncology誌に発表された。また、Guadagnolo医師は2022年米国放射線腫瘍学会(ASTRO)の年次総会でもこの結果を発表した。

この単群非ランダム化試験において、患者は、従来の治療法より照射日数を少なくし1日あたりの放射線量を多くする寡分割照射による放射線療法を受けた。手術後120日以内に31%の患者が重大な創傷合併症を発症したが、2年間の追跡調査における局所腫瘍制御率は93%であり、いずれも、過去に報告された、より長期間の治療法の数値に匹敵するものであった。

「われわれのデータは、現在の標準治療と同等の疾病制御効果があり、重大な創傷合併症リスクが増加しないこの3週間の治療法が、患者にとって従来療法の代替となる安全で効果的な治療であることを示しています」とGuadagnolo医師は述べた。「われわれは、放射線療法において分割照射数を少なくするという患者にとって有用なアプローチに価値があることを明らかにしました。現時点での本研究結果に満足しています」。

転移のない軟部肉腫患者における術前放射線療法の重大な副作用は、術後の創傷治癒における合併症リスクが増加することである。患者には、創傷修復のための再手術、広範な創傷管理、および再入院が必要となるリスクが高くなる。

今回の研究では、研究中に重篤な有害事象やグレード3の急性の皮膚毒性を経験した患者はいなかった。31%という重大な創傷合併症の発生率は、標準的な5週間の治療を受けた患者にこれまで観察されてきた合併症発生率35%と同等である。

「研究によると、肉腫の専門医がいるがんセンターで治療を受けた患者は、生存転帰および機能的転帰の改善が見られます。治療期間を5週間から3週間に短縮することが可能ならば、肉腫専門の医療施設の近くに住んでいない場合でも、自宅を離れる時間を短縮できるため治療に手が届きやすくなる可能性があります」とGuadagnolo医師は述べた。

本試験には、過去に放射線治療を受けたことのない18歳以上の非転移性軟部肉腫患者120人が登録した。すべての患者が、四肢または体幹の表在に軟部肉腫があり、参加者の65%が下肢腫瘍、17%が上肢腫瘍、18%が体幹の腫瘍であった。

すべての患者は、一日2.85グレイ(Gy)の分割照射を15回、計42.75グレイの放射線治療を3週間かけて受けた。近年の標準投与線量は50グレイで、25回の分割照射を5週間かけて行う放射線治療の4~8週間後に手術が行われた。研究者らは、本試験で治療を受けた患者を対象に、術後120日以内の重大な創傷合併症を評価した。

寡分割治療法の長期的な副作用、腫瘍学的転帰および機能的転帰は、現在も評価中である。

本研究は、米国国立がん研究所(NCI)の支援を受けている(P30 CA016672)。共同研究者の一覧とその開示情報は、本論文で閲覧可能である。

監訳:遠藤 誠(肉腫、骨軟部腫瘍/九州大学病院)

翻訳担当者山口みどり

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