[ 記事 ]
顎の骨壊死/ワシントン大学
- 2006年2月2日
2006/2/2更新
顎の骨壊死(骨えし) Osteonecrosis of the jaw
2003年、Marxはビスフォスフォネート剤と顎の骨壊死との関連を報告しました。それ以来、多数の症例が報告されました。これは、重大な合併症です。
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特徴
・歯の下の骨は露出し、しばしば痛みを伴う
・歯の腫脹と弛緩がみられることがある
・外科的矯正が病変を更に悪化させることがある
・大半の症例は、抜歯のような歯科処置をとる
・多くの症例は、感染症により悪化する
・長期療法後、主に癌患者で起こる
この写真は、ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院口腔医学科Sook-Bin Woo博士の御好意によって提供されています。この患者は骨髄腫を患い、ゾレドロン酸を使用中でした。露出して、壊死した骨がみられます。(画像を拡大するには画像をクリック)*原文ページへ
これら(下)の円グラフは、マイアミ大学に紹介されてきた76名と、同僚が貢献した43名とを合わせた119名の患者に関する、Marx REの再調査を表しています。ここで留意すべきは、Marxがみた症例に、経口ビスフォスフォネート剤治療を受けた骨粗鬆症患者の数例が含まれていることです。これは、いくつかの症例報告でみられましたが、通常の骨粗鬆症での発生率は非常に低いです。
<円グラフ1>
<円グラフ2>
このグラフは、ビスフォスフォネート剤治療を受けた癌患者における、顎の骨壊死発生率を示しています。著者は、1997年から治療を受けた患者を前向きに追跡調査しました。全体として、発生率は3~4年間治療を受けた患者で7.7%でした。
<図1> *グラフは許諾申請中で原文サイトにも掲載されていません
図1 ビスフォスフォネート剤治療を受けた252名の患者で、治療開始日から顎の骨壊死を患う累積的危険
Bamias A. ビスフォスフォネート剤治療後の癌における顎の骨壊死:発生率と危険因子J Clin Oncol 2005;23(34):8580-7
その他、顎の骨壊死関連情報リンク
FDAのウェブサイトには、製薬会社が召集した専門委員会の、このテーマに関する忠告がある。また、文書がアメリカ合衆国の歯科医に送られ、添付文書は副作用を記載するために改訂されました。
米国歯科学会は、最近、顎の骨壊死に関する情報を加えました。
Ruggieroのグループがガイドラインを記載した総説を最近刊行しました。
References *原文を参照
(早川康道 訳・林 正樹(血液・腫瘍科) 監修)
(グラフ日本語作成:ウルフ)
参考:ノバルティス・ファーマ日本語訳:ゾメタ 米国における顎骨壊死の予防、診断、治療に関する専門委員会の提言:2004年6月
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