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新化合物が肝臓癌を防ぐ/ジョンズ・ホプキンス大学

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新化合物が肝臓癌を防ぐ/ジョンズ・ホプキンス大学

原文
新化合物が肝臓癌を防ぐ
Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health
(ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生学部)
2006/2/15

New Compound Protects Against Liver Cancer
科学者は、実験動物で肝臓癌の発生を防ぐ、CDDO-Imと呼ばれる新化合物を確認している。

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Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health(ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生学部)の研究者による実験は、CDDO-Imがヒトの癌を予防する他の化合物よりも100分の1以下の用量で有効であることを示している。CDDO-Imはその性質のため、肝臓癌、大腸癌、前立腺癌、胃癌など、炎症と強いつながりがある癌の予防にとりわけ有効であり、また、神経変性疾患、喘息、気腫などの疾患予防に役割を果たせるだろうと研究者は確信している。研究結果は、Cancer
Research
誌の2006年2月15日号で特集される。

CDDO-Imは、Michael Sporn博士およびダートマス大学医学部の他の研究共著者によって開発中の、トリテルペノイドと呼ぶ抗腫瘍化合物に属している。多くの植物に見られる天然の化合物、オレアノール酸から得られたものである。他のオレアノール酸誘導体は、動物とヒトで腫瘍の増殖を減少させることで知られている。

特定の酵素に細胞の防衛機制を促すように指示し、細胞から有害物質を除去することで知られる主幹スイッチ、Nrf2を活性させてCDDO-Imが作用すると研究者は確信している。「CDDO-ImでNrf2経路を活性化させることで、環境要因が引き起こす多くの疾患が防げるかもしれない」と、ブルームバーグ環境衛生科学部教授で当研究主幹のThomas
Kensler博士は語った。

研究では、Kensler氏らはCDDO-Imの投与量を変えて実験用ラットを処置した。CDDO-Im処置2日後、ラットに天然物の発癌性毒素であるアフラトキシンを与えた。CDDO-Im処置により、前癌性病変はラット一匹あたりの最低投与量50μgで85パーセント減少し、最高投与量5mgで99パーセント減少した。

オレアノール酸から得られた他の化合物同様、CDDO-Imも特定の癌の予防に理想的に適していると研究者が述べる、強い抗炎症性を持っている。「細胞は炎症を起こすと、DNAに損傷を与えて癌発生を促進する、フリーラジカルと呼ぶ反応分子を産出します」と、Kensler氏は説明した。「CDDO-Imも、この炎症過程を妨げることにより、癌形成を抑制できます。」

CDDO-Imは、低投与量で身体の防衛機制を促進させるので、ヒトの癌予防に優れた候補物質であるとKensler氏は確信している。「この化合物が優れた効果を持ち、劇的に前癌状態の成長を減少させられるならば、実際の癌の発生にも同等に劇的な影響を及ぼすはずです。当研究は、化学的予防に関して正しい方向に向かっていることを示唆しており、多くの疾患を予防できる新化合物に道を開くかもしれないのです」と、Kensler氏は語った。

連邦の国立衛生研究所機関である、国立環境衛生科学研究所および国立癌研究所は、ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生学部の研究者に、研究の財政的支援を行った。

(早川康道 訳・Jobim 監修)

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