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早期外陰癌の治療にセンチネルリンパ郭清が安全である

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早期外陰癌の治療にセンチネルリンパ郭清が安全である

Sentinel Node Dissection Safe in the Treatment of Early Vulvar Cancer
(Posted: 03/19/2008) Journal of Clinical Oncology誌2008年2月20日号によると、技術的に豊富な経験が必須ではあるが、センチネルリンパ郭清は初期ステージの外陰部癌において癌の転移を検知する有効な方法である。


キーワード 外陰癌、外科手術、リンパ節郭清、センチネルリンパ節郭清

要約
鼠径部および大腿部にある1つか2つのセンチネルリンパ節を郭清し検査することは初期外陰癌の女性の癌が広がっているかどうかを検出するのに有効な方法であり、また、リンパ節を多く切除する標準方法と比較して有害副作用が少なくて済む。しかしながら、この手法を使うことにより非常に小さな転移癌を見落としてしまうことを防止するために、センチネルリンパ節郭清術を実施するには豊かな経験が必要である。

出典 2008年2月20日付Journal of Clinical Oncology (ジャーナル要旨参照
(J Clin Oncol. 2008 Feb 20;26(6):884-9.)

背景
他の多くの癌のように、外陰癌は通常近接したリンパ節にまず広がります。外陰癌の場合、最も近接したリンパ節は鼠径(そけい)部および大腿部(鼠径(そけい)大腿部と呼ばれる)にあります。従来より、外陰癌の外科手術的治療には主要な腫瘍および鼠径大腿部にあるリンパ節を多く切除する術があり、この手法は鼠径大腿リンパ節郭清術と呼ばれていました。

鼠径大腿リンパ節郭清術は再発がなく優れた長期生存期間を提供する一方、傷の治癒、リンパ浮腫および持続的な感染症の問題など、多くの短期的または長期的な副作用をもたらす可能性があります。

このような理由のため、研究者らはセンチネルリンパ節郭清術(SLND)が乳癌の女性と同様に初期外陰癌の女性に対して安全に使用することが可能かどうか検査するために臨床試験を実施しました。SLNDでは、外科医は原発腫瘍が流出する最初の数本のリンパ節だけを検査します。これらのセンチネルリンパ節に癌の徴候が認められなかった場合、医師は腫瘍がリンパ節に広がっていないと仮定し、それ以上のリンパ節を切除しません。

試験
2000年3月~2006年6月の間、オランダ、グローニンゲン大学医学研究所によって率いられた国際研究チームは、初期外陰癌の女性403例を対象に原発癌を外科的に切除する一方、SNLDを実施しました。各15の参加病院の医療チームはこの手法において豊かな経験をもつチームでした。

試験参加者403例のうち127例にはセンチネルリンパ節に転移癌細胞があることが判明し、完全な鼠径大腿リンパ節郭清術を実施しました。また、転移癌があった一部の女性には放射線治療を実施した。その他の女性276例にはセンチネルリンパ節に癌の徴候が認められなかったためそれ以上の治療は実施しませんでした。

研究者らはほぼ全員の女性を平均して外科手術から35ヶ月追跡することができました。致死的となることが多い主な懸念である短期的または長期的合併症、および鼠径部での癌の再発を検査しました。

この試験の試験責任医師はグローニンゲン大学の医学研究所の産婦人科医Ate G.J. Van der Zee医学博士でした。

結果
SLNDだけを実施した女性は追加で鼠径リンパ節郭清術を実施した女性よりも短期的および長期的合併症が有意に低下しました。鼠径リンパ節郭清術後に放射線治療を実施した女性には郭清部に反復性感染が起こる傾向がありました。

SLNDだけを受けた女性のうち、3%(126例中8例)は鼠径部に癌が再発しましたが、著者らが記した率は、その他のリンパ節切除法を実施した初期外陰癌患者について報告されている率と同等でした。さらには、3年の疾患特異的生存率はSLNDだけを実施した女性では97%であったことから、それら大半の女性がこの期間中に外陰癌で死亡しなかったことを意味しています。

制限事項
著者らは、外科医およびその手法を支持するチームの両方が豊かなSLNDの臨床経験を持っていることが、このようなプラスの結果を再現するのに重要であると警告しています。これらの各病院は試験参加前にこの手法を10回以上実践していましたが、鼠径部に再発があった8例中4例の転移癌細胞はSLND手法で間違いをしたために見逃したものでした。

「センチネルリンパ節切除の手法を初期外陰癌の日常的な治療として確立するためには、この集学的治療手法の各段階において品質管理が求められます」と著者らは述べています。「高い経験レベルを保つためには外科医一人当たり年間10例中5例以上の患者を執刀することが最低限の数値として求められます。」

コメント
「センチネルリンパ節で癌が認められなかった患者の低い鼠径部での再発率および・・・・3年での疾患特異的生存率が97%であることはセンチネルリンパ節郭清術の手法が選択された外陰癌患者にとっては鼠径リンパ節郭清術の安全な代替法であることを示します。」と著者らは結論しました。

「センチネルリンパ節の生検は有用ですが、それを可能にするのはその外科手術に豊富な専門的な経験がある施設[だけ]です。」と、米国国立癌研究所の癌治療法検討プログラムのEdward L. Trimble医学博士/公衆衛生学修士は同意しています。

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有田香名実 訳
平 栄 (放射線腫瘍科)監修

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