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超音波診断の専門知識が卵巣腫瘍の診断に重要である

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超音波診断の専門知識が卵巣腫瘍の診断に重要である

Ultrasound Expertise Important in the Diagnosis of Ovarian Cancer
(Posted: 02/25/2008) -2008年2月号のLancet Oncology誌によると、超音波診断の質を改善することで、卵巣腫瘍が疑われるものの実際は良性疾患である女性が受ける不必要な手術を有意に減らすことができるという。
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キーワード 
卵巣腫瘍、超音波(多くの癌関連用語の定義はCancer.gov Dictionaryで見ることができます。)

要約

イギリスの研究者が実施した試験によると、超音波診断の質が良くなれば、卵巣腫瘍が疑われるが実際には良性疾患である女性に不要な手術をすることが有意に減少する可能性があります。

出典

Lancet Oncologyオンライン版2008年1月21日号、Lancet Oncology誌2008年2月号(ジャーナル要旨参照)(Lancet Oncology;2008Feb;9(2):124-31)

背景

超音波検査では、音波を使用して内臓の画像を作ります。超音波検査者は特別に超音波検査の教育を受けていますが、医師である場合と医師ではない場合があります。

卵巣腫瘍を疑わせる症状を示す女性は、通常、診断のために超音波診断を受けます。この部位の器官は複雑なため、婦人科学の超音波検査の実施および解釈は困難なことがあります。研究では、現時点で婦人科学の超音波検査の専門医は良性腫瘍と悪性腫瘍を95%の確率で正確に判別できます。超音波検査での確定診断がなければ、女性の多くは癌が存在するかどうかの判別を試験開腹に委ねることになります。

試験

イギリスで実施された本試験は、卵巣腫瘍が疑われる女性150例を「専門家の検査」による超音波検査または「通常の検査」による超音波検査にランダムに割り付けました。専門家の検査は婦人科学の超音波検査を専門とし、10年以上の経験があり、研究に積極的に参加し、経験の浅い開業医の訓練に携わった婦人科医が専門医として超音波検査を実施しました。通常の検査は婦人科学の超音波検査の教育を受けたが婦人科分野の専門ではなく、医師ではない超音波検査者が検査技師として超音波検査を実施しました。

研究者らは、各群の女性の追跡診断検査および試験開腹など、受けた処置の数、入院日数を追跡しました。平均追跡期間は約14ヶ月でした。本試験の臨床試験責任医師はイギリス・ロンドンの王立大学病院のJoseph Yazbek博士でした。

結果

専門医の超音波検査を受けた女性の22%が試験開腹を受けたのに対し、検査技師の超音波検査を受けた女性の37%が試験開腹を受けました。専門医群の女性の99%に確定診断がなされたのに対し、通常の検査群の女性では38%でした。試験に登録された患者150例のうち18例(12%)が卵巣腫瘍を有することが明らかになりました。

専門医の超音波検査を受けた女性の方が多く、最小限の侵襲的手技を受けました。(検査技師による検査を受けた女性は6%であるのに対し、専門医の検査を受けた女性は27%)。さらに専門医の検査を受けた女性の入院期間の中央値は、検査技師による検査を受けた女性より1日短くなりました(検査技師群では6日に対し専門医群では5日)。

コメント

イギリスと米国の間に臨床医業には大きな差がありますが、この試験の結果は重要で卵巣腫瘍が疑われるイギリス人女性に関連します、と米国国立癌研究所の癌治療評価プログラムのEdward L. Trimble氏(医師・公衆衛生学修士)は述べています。

米国では卵巣腫瘍が疑われる女性の多くは婦人科の診察室で超音波診断を受けます、とTrimble氏は説明します。この試験で超音波検査を実施した検査技師と同様、米国の婦人科医のほとんどは婦人科学の超音波検査の専門家ではありません。そのため、医師は超音波検査から腫瘍が良性または悪性であるかを決定できないので、多くの米国人女性が試験開腹を受けることになります。

Trimble博士は、手術に同意する前に、超音波検査に関してセカンドオピニオンを求めることを女性に薦めています。また、「婦人科系の癌の画像に特に興味をもつ、より上席の放射線腫瘍医からセカンドオピニオンを得れば、決定的な診断を得るための手術の数を減らすことができます。」と述べています。

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翻訳 吉村 祐実  監修 平 栄(放射線腫瘍医)

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