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MDアンダーソン研究ハイライト:ASCO 2022発表(ドライマウス、疲労)

頭頸部がん患者における放射線誘発性慢性ドライマウスに鍼治療が有効 (アブストラクト12004

放射線治療を受けた頭頸部がん患者の多くは、長期間の治療により口腔乾燥症(ドライマウス)になり、生活の質(QOL)や口腔の健康に悪影響を及ぼすことがある。現在使用されている治療法では効果が限定的であり、さらに副作用も伴うため、新たな治療法が必要とされている。これまでの研究で、放射線治療中の鍼治療は口腔乾燥症状の程度を軽減する可能性が示唆されているが、慢性口腔乾燥症に対するアプローチの評価には大規模な試験が必要であった。Lorenzo Cohen博士が主導した第3相試験では、標準的な口腔衛生を受ける患者において真の鍼治療(TA)は、偽鍼治療(SA)や待機コントロール(WLC)群よりも慢性口腔乾燥の治療とQOL向上への効果が高いことが示された。本試験には、ウェイクフォレストレスト・コミュニティ腫瘍学研究プログラムのリサーチベースに属する33施設において、258人の患者が登録された。試験参加者は、放射線治療後1年以上(平均4年間)口腔乾燥を患っており、試験では真の鍼治療、偽鍼治療、待機コントロール(WLC)のいずれかに無作為に割り付けられた。12週間のフォローアップ期間中に、鍼治療群と待機コントロール群の間に有意な群間差がみられたが、偽鍼治療群と待機コントロール群の間には差がなかった。治療から12週間後、鍼治療を受けた患者は、偽鍼治療群および待機コントロール群に比べて統計学的および臨床的に有意なQOL改善を示したのに対して、偽鍼治療群と待機コントロール群の間に差はなかった。この結果から、鍼治療は、放射線治療に伴う慢性口腔乾燥症の治療法の一つとみなされるべきであると示唆される。Cohen氏は、6月6日にこの研究成果を発表する。

非盲検プラセボ治療は進行がん患者におけるがん関連疲労を軽減する(アブストラクト12006

がん関連疲労(CRF)は、がん患者に最も多くみられる症状であり、現在、有効な治療法はあまりない。疲労は、からだ、こころ、家族関係に重要な影響を及ぼす可能性があり、患者ががん治療を受けること自体に影響を及ぼすことさえある。がん関連疲労の治療薬を検討する臨床試験では、プラセボと比較して改善がみられないことが多いことから、プラセボ効果が治療成績に影響を与えている可能性が示唆される。Sriram Yennu医師らは、がん関連疲労に対する非盲検プラセボの可能性を検討するために、がん関連疲労と診断された進行がん患者に対するプラセボ治療を評価する第2/3相臨床試験を実施した。90人の患者を、治療に関するメッセージが表示されたプラセボを投与する群と待機コントロール群に無作為に割り付けた。研究の結果、非盲検プラセボ治療により、確立された複数の疲労尺度で数値化したがん関連疲労が有意に低下し、これらの疲労改善は4週間の全研究期間にわたって維持された。この結果は、本治療アプローチの評価のためにさらに研究が必要であることを示唆している。Yennu氏は、6月6日にこの研究結果を発表する。

 

日本語記事監修:佐藤恭子(緩和ケア内科/川崎市井田病院)

翻訳担当者(ポストエディット)山田登志子

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