子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)患者にとって不完全な切除はリスクとなる | 海外がん医療情報リファレンス

子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)患者にとって不完全な切除はリスクとなる

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)患者にとって不完全な切除はリスクとなる

Incomplete Excision a Risk for Those With Precancerous Cervical Intraepithelial Neoplasia (CIN)
(Posted: 12/10/2007) – Lancet Oncology誌2007年11月号によると、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)として知られる前癌状態は、異常細胞が手術で完全に取り除かれなかった場合、再発する可能性が高くなる。


要約
子宮頸部の異常細胞を切除する外科手術により、子宮頚部上皮内腫瘍(CIN) として知られる前癌状態が子宮頸癌へと進行しないように予防することが可能です。しかし、一部の症例では、病変がある辺縁部が残ってしまい、異常細胞が完全に切除されていない場合があります。以前に実施された臨床試験を組み合わせた分析により、CINの外科手術の後、辺縁部に病変が残った女性は、辺縁部に異常細胞がない女性と比較して、再発のリスクが大幅に高いことがわかりました。

出展
Lancet Oncology誌2007年11月(ジャーナル要旨参照)
(Lancet Oncol. 2007 Nov;8(11):985-93. Epub 2007 Oct 24)

背景
子宮頚部上皮内腫瘍(CIN)-子宮頸部形成異常とも呼ばれる-とは、子宮頚部の表面または子宮開口部の細胞の異常増殖のことです。癌ではありませんが、前癌状態と考えられています。治療をしなければ、CINの3分の1から半数は、子宮頸癌へと進行する可能性があります。子宮頸部検診(年に1回のパパニコロー検査など)の目的は、CINのような前癌様変化を見つけ、進行する前に治療することにあります。CINを早期発見し適切に治療すれば、多くの場合治癒可能です。

CINに対し最もよく行われる治療は、異常細胞の切除術です。しかし、場合によっては異常細胞が辺縁部(細胞を切除した部位)の断端または境界部に残ることがあります。病変が残存する辺縁部-辺縁部における外科手術後の異常細胞の存在-が、CINの再発のリスクを増加させるかどうかについて議論の的となっていました。

試験
CINの外科手術後、病変の残存する辺縁部が再発のリスクを増加させるかを確認するために、研究者たちはメタアナリシス(様々な臨床試験のデータを組み合わせてまとめる試験の一種)を実施しました。本論文に述べているメタアナリシスには、CINの治療を受けた35000人以上の女性が参加した66の臨床試験データが含まれています。本臨床試験の主任研究者は英国ロンドンにあるインペリアル・カレッジのSadaf Ghaem-Maghami医師です。

結果
各臨床試験に参加した女性のうち、中央値で24%において外科手術後、辺縁部に病変が残存していました。総体的に、辺縁部に異常細胞のない女性が3%であったのに対し、辺縁部に病変が残った女性の18%に手術後中等度または重度のCINを発症していました。

コメント
「CINの切除が不完全であった場合、女性は治療後に悪性度の高いCINを発症する危険性が高いです。」と著者らは結論しました。著者らは、不完全除去を避けるためにあらゆる努力をし、辺縁部に病変が残った女性に対しては、少なくとも10年間綿密に追跡調査するよう推奨しました。

本試験は、適切に実施されたメタアナリシスであり、大規模(35000人以上の女性)であることが強みですと、NCIの癌治療および評価プログラムのTed Trimble医師は語りました。Trimble医師は、辺縁部に病変が残った女性に対する綿密で長期にわたる追跡調査の推奨を支持しています。

「これら試験結果は、外科手術後、辺縁部が陽性の女性では疾患が持続するリスクがあることを示すものです」とTrimble医師は語っています。術後の合併症のリスクを低減するために医師が外科手術の範囲を制限すると、陽性の辺縁部が発現する可能性がありますと、同医師は説明しています。外科手術は術後出血を引き起こし、妊娠が困難になる可能性があります。加えて、外科手術後に妊娠をした女性は流産または早産する可能性もあります。

******

ポメラニアン 訳
島村義樹(薬学) 監修

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

週間ランキング

  1. 1BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  4. 4コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  5. 5がんに対する標的光免疫療法の進展
  6. 6ニボルマブとISA101ワクチン併用療法が中咽頭がん...
  7. 7乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害
  8. 8がん領域におけるシームレス臨床試験数が近年増加
  9. 9ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  10. 10治療が終了した後に-認知機能の変化

お勧め出版物

一覧

arrow_upward