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大腸癌の術後補助療法にイリノテカンは有効ではない

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大腸癌の術後補助療法にイリノテカンは有効ではない

Irinotecan Not Effective in Adjuvant Therapy for Colon Cancer
(Posted: 08/28/2007) Journal of Clinical Oncology誌2007年8月10日号によると、ステージ3大腸癌の術後治療に5-FUとロイコボリンにイリノテカンを加えることは避けるべきである。

 


 

NCIキャンサーブレティン2007年8月21日号より

大腸癌に対する補助療法においてイリノテカンは有効ではない
Cancer and Leuchemia Group B(CALGB)試験結果によれば、病期IIIの大腸癌の補助療法において、5-フルオロウラシル(5-FU)およびロイコボリンにイリノテカンを追加すべきではない。スローンケタリング記念がんセンターのLeonard B. Saltz医師らが主導したCALGB89803試験では、補助療法下で生存期間に利益が認められなかった。この結果は、Journal of Clinical Oncology誌8月10日号に掲載される。

「これらの結果は予期せぬものであった。CPT11(イリノテカン)は、術後補助療法の試験対象として認められた転移癌患者において、以前活性が明確に証明された」と、フィラデルフィアのフォックスチェイスがんセンター(Fox Chase Cancer Center)のDr.Neal Meropol氏は関連の論説で述べた。

「CPT11(イリノテカン)は、転移癌患者において、以前有効性が明確に証明された。転移性癌患者での結果は 術後補助化学療法の土台となるのだが。」

以前の試験で、Dr.Saltz氏らは転移性大腸癌患者において、5-FUおよびロイコボリン単独投与と比較して、5-FUおよびロイコボリンへのイリノテカンの追加により、わずかではあるが、生存率が統計的に有意に改善されたことを確認した。これらの知見に基づいて、さほど進行していない疾患を有する患者に対する手術後に3剤併用療法を施行したときも効果が認められると期待された。

「Dr.Saltz氏らの報告は強いメッセージを送っている。明白なことが間違っていると証明されることはしばしばあるものだと、歴史が教えてくれている。だから、ランダム化試験でこの明白性を証明する必要がある」と、Meropol医師は述べている。

Dr.Saltz氏らも同じ意見である。「われわれの試験結果は、臨床試験の正式な評価が完了する前に、結論に飛びつくことの危険性を示している」

さらに、イリノテカンと5-FUおよびロイコボリンの併用は、白血球数の大幅な減少、感染の増加、嘔吐、および倦怠感など、治療による毒性を有意に増加させた。イリノテカン追加群に割り付けられた患者635人の10%以上(65人)が、有害事象により投与中止となった。3剤併用投与を受けた別の82人は試験から脱落したが、これは5-FUおよびロイコボリン投与群の脱落患者数の2倍以上である。試験組み入れから60日以内にイリノテカン投与患者14人が死亡し、5‐FUおよびロイコボリン投与群では5人が死亡した。

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Oyoyo 訳
小宮武文(NCI研究員)監修

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