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HPV(ヒトパピローマ)ワクチン試験の新データが発表される

  • 2007年5月22日

New Data from HPV Vaccine Trials Available
(Posted: 05/22/2007) New England Journal of Medicine2007年5月10日号によると、全子宮頸癌症例の70%の原因と考えられているHPV(ヒトパピローマ)ウィルスを予防するワクチンGardasil(ガーダシル)の2つの臨床試験の3年間の追跡データの結果が発表された。


NCIキャンサーブレティン2007年5月号vol. 4/no. 17より

全子宮頸癌の原因の70%を占める2種類のヒトパピローマウイルス(HPV)に対して予防効果をもつワクチンであるガーダシル(Grdasil)に関する試験FUTUREIと FUTUREIIの平均3年間の追跡結果がNew England Journal of Medicine誌5月10日号に発表された。FUTUREII試験の初期の結果により2006年6月にガーダシルはFDA承認を受けた。

FUTUREI試験では、年齢16~24歳の女性5455例をガーダシルワクチン3回接種とプラセボに割り付けた。HPV16または18への曝露歴がない女性では、ワクチンのHPV型が関与する膣・外陰部・会陰・肛門周辺の上皮内病変やいぼに対するワクチンの予防効果は100%である。(ジャーナル抄録参照

HPV16、18曝露歴のある女性を含めたintention-to-treat解析におけるワクチンの有効性は、このHPV型が関与する全てのグレードの肛門性器や膣外部病変に対して73%、全てのグレードの子宮頸部病変に対して55%であった。

FUTUREII試験では、年齢15~26歳の女性12167例をガーダシル3回接種またはプラセボにランダムに割り付けた。HPV16、18への曝露歴のない女性では、このHPV型が関与するグレードの高い子宮頸部上皮内癌を98%予防した。(ジャーナル抄録参照

HPV16、18曝露歴のある女性を含めたintention-to-treat解析におけるワクチンの有効性は、HPV16、18を原因とするグレードの高い子宮頸部病変に対して44%であった。FUTUREI試験でみられたように、「ワクチン接種はHPV16やHPV18が関与する子宮頸部病変の経過や、ランダム化割り付け時に存在した感染の経過を変化させないと思われる」と著者らは述べた。

そのワクチンに含まれていない型のHPVが原因で発症した病変も含め、HPV曝露歴に関わらず、全ての患者の子宮頸部病変発症率がワクチンによって17%低下した。「FDAに提出されたワクチン試験データの中間解析結果によれば、ワクチンを接種した女性において、ワクチンに含まれていないHPV型が関与するグレード2、3の子宮頸部上皮内癌の発症数に有意ではないものの差がみられた。」と、サンフランシスコ州カリフォルニア大学のGeorge Sawaya医師とKaren Smith-McCune医師が論説欄に記した。「ワクチンに含まれていない型のHPVを原因とする浸潤前病変発生率へのワクチン接種の影響を検討するうえで、進行中の本試験の最新データを解析することが重要となろう。」

HPVワクチンと子宮頸癌に関するNCIの関連情報は以下を参照のこと。
http://www.cancer.gov/cancertopics/hpv-vaccines

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Okura 訳
林 正樹(血液・腫瘍医)監修

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