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幹細胞移植治療を比較した研究

  • 2007年3月21日

Study Compares Stem Cell Transplant Treatments
(Posted: 03/21/2007) New England Journal of Medicine2007年3月15日号に掲載されたイタリアの臨床試験によると、新たに多発性骨髄腫(MM)と診断された患者で、自分の幹細胞の移植(自家幹細胞移植)を受け、次に「HLA適合」兄弟姉妹から幹細胞を移植(同種幹細胞移植)された者の生存率は、自家幹細胞移植を2回受けた患者よりも優れていた。


NCIキャンサーブレティン2007年3月20日号より(最新号を見る

イタリアの臨床試験によれば、新たに多発性骨髄腫(MM)と診断された患者で、自分の幹細胞の移植(自家幹細胞移植)を受け、次に「HLA適合」兄弟姉妹から幹細胞を移植(同種幹細胞移植)された者の生存率は、自家幹細胞移植を2回受けた患者よりも優れていた。

New England Journal of Medicine誌3月15日号で発表された本試験は、新たにMMと診断された、65歳未満かつ1名以上の兄弟姉妹がいる、連続する患者162例を対象とした(ジャーナル要旨参照)血液細胞が遺伝的に同じ表面抗原、すなわちヒト白血球抗原を発現している兄弟姉妹がいる患者、いわゆるHLA適合患者に、自家-同種治療レジメンという選択肢が提供された。兄弟姉妹がHLA適合である確率は4分の1である。

両群とも同じ初回化学療法レジメンの投与を従来の用量で受け、次に骨髄機能を失わせるような高用量化学療法と自家幹細胞移植を受けた。HLA適合兄弟姉妹がいる患者は、放射線療法と兄弟姉妹の細胞を用いた同種幹細胞移植を受けた(60例)。HLA同一の兄弟姉妹がいない患者は、再度高用量化学療法と2回目の自家幹細胞移植を受けた(59例)。このうち、同種移植を受けた58例と2回の自家移植を受けた46例が治療を完了した。

同種幹細胞移植は、強力な抗腫瘍細胞作用を有することから治癒可能性が大きいと考えられているが、高い治療関連の死亡率との関連性が認められた。イタリアの試験で使用されたのと同じく、「用量強度の低い」化学療法または放射線療法を使用してから同種移植を行う併用レジメンは、移植関連死亡率を約15%まで減少させる」と、筆頭著者であるトリノ大学のBenedetto Bruno博士らは述べた。しかし、これらのレジメンが生存期間を延長させるかどうかは不明である。

本試験では、両群間に治療関連死亡率の差はほとんど認められなかった。しかし、死亡率については、全死亡率が67%改善し、無事象生存率も53%改善したことから、明らかに自家-同種移植群のほうが良好であった。

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(Oyoyo 訳・瀬戸山修(薬学) 監修)

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