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セレコキシブは前癌病変である大腸ポリープ発症リスクを有意に低下させる

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セレコキシブは前癌病変である大腸ポリープ発症リスクを有意に低下させる

Celecoxib Significantly Reduces the Risk of Precancerous Colorectal Polyps
(Posted: 09/13/2006) New England Journal of Medicine2006年8月31日号によると、COX-2阻害剤であるセレコキシブ[celecoxib] (セレブレックス[Celebrex®]) の常用により、結腸、直腸ポリープの再発リスクが有意に低下する。


NCI Cancer Bulletin, vol. 3/no. 34, Sept. 5, 2006 より転載(最新号参照)。
2つの第3相臨床試験の最終結果から、COX-2阻害剤セレコキシブ(セレブレックス®)の常用により結腸または直腸の前癌性ポリープの再発リスクが有意に減少することが示唆された。
NCIとファイザーによるAPC試験(ジャーナル要旨参照)およびファイザーによるPreSAP試験(ジャーナル要旨参照)によると、セレコキシブを投与された患者のリスクはプラセボ投与の患者と比較して45パーセントも低かった。両試験でセレコキシブの投与を受けた患者はプラセボ群と比較して新たな腺腫および、更に注目すべきことには新たな進行腺腫の発現が少なかった。結果は2006年8月31日のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)に発表されている。
既に報告されている通り、両試験ではセレコキシブの使用により心血管イベントのリスクが統計的に有意な増加を示したとされている。2006年9月5日発行のCirculation版(ジャーナル要旨参照)のNCIによる試験結果の独立した安全性解析によると、両試験のイベントデータを組み合わせるとセレコキシブを投与した患者の心血管イベントのリスクは2倍近くに増加していた。
また解析から心血管イベントの増加および血圧の上昇は投与量と関連していることも分かったため、筆者らは心血管イベントの増加は血圧上昇と関係があり、薬剤の投与量を減らすことにより発癌リスクを抑えると同時に心血管疾患に関する安全性の幅も広がると推測している。
NEJMの論説においてワシントン大学のBruce Psaty博士およびフレッド・ハンチンソン癌研究センターのJohn Potter博士はこれまでに得られているエビデンスから、セレコキシブには「非家族性大腸腺腫の患者にも母集団にも化学予防剤としての効果はない」と述べた。
しかしAPC試験の共著者でNCI’s Office of Centers, Training & Resources所長のErnie Hawk博士によると、更に複雑な結論があるはずとのことである。「家族性腺腫性ポリポーシスを有する患者はAPC試験およびPreSAP試験に登録された患者以上に発癌リスクがはるかに高いが、セレコキシブは家族性腺腫性ポリポーシスの患者にすでに用いられており、APC試験およびPreSAP試験で高い有効性が示されてたことは、研究者らに同剤の利点同様リスクについても作用機序をさらに詳しく解明する大きなインセンティブを与えたことになる。」

(Chihiro 訳・島村義樹(薬学) 監修)

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