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リツキシマブでの初期治療は高齢のB細胞リンパ腫患者の新しい標準治療である

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リツキシマブでの初期治療は高齢のB細胞リンパ腫患者の新しい標準治療である

Initial Treatment with Rituximab is a New Standard for Elderly Patients with B-Cell Lymphoma
(Posted: 07/10/2006) Journal of Clinical Oncology2006年7月1日号によると、治療薬リツキシマブの治療を受けた高齢のB細胞リンパ腫患者は、有意に無病期間が長かった。この結果は、新たな標準治療を確立するものである。


キーワード 非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、高齢者、標的治療、リツキシマブ(リツキサン)

要約
治療薬リツキシマブの治療を受けた高齢のB細胞リンパ腫患者は、有意に無病期間が長かった。彼らが初回の標準的化学療法または維持療法としてそれを得たかどうかにかかわらず、患者はリツキシマブによって恩恵を受けました。これらの結果は、B細胞リンパ腫の高齢患者の新しい標準治療を確立するものです。

出典 Journal of Clinical Oncology 2006年6月5日オンライン発表、2006年7月1日ジャーナル発行(ジャーナル要旨参照) (J Clin Oncol. 2006 Jul 1;24(19):3121-7. Epub 2006 Jun 5)

背景
B細胞リンパ腫は、B細胞(白血球の一種)の癌です。免疫系の一部として、通常のB細胞は抗体を作って、感染症と戦うのを助けます。B細胞リンパ腫は、最も一般的なタイプの非ホジキンリンパ腫です。患者の60パーセント以上が60歳以上でB細胞リンパ腫と診断されています。
過去30年の間、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンとプレドニゾン(CHOPとして知られている)の化学療法レジメンは、B細胞リンパ腫のための標準的治療でした。より若い患者は幹細胞移植を併用した高用量化学療法から恩恵を得るかもしれません。しかし、このアプローチは、より高齢の患者にとってあまりに毒性が強いと思われます。
リツキシマブは多くのB細胞の表面にある特定のタンパク質(CD20)と結合するモノクロナール抗体です。リツキシマブは、患者自身の免疫系によって破壊されるようそれらの細胞に標識を付けます。リツキシマブのような標的治療は、いろいろな通常の組織に影響を及ぼす他の体系的治療より毒性が少ない傾向があります。予備試験では、B細胞リンパ腫患者が標準治療のCHOP療法にリツキシマブを追加することによって恩恵を得るかもしれないことが示唆されました。

研究
この第三相臨床試験は、1,047人のB細胞リンパ腫患者を登録して、1998年2月から2001年7月まで行われました。患者の年齢の中央値は69歳でした。患者は、初回(または導入)療法としてCHOP+リツキシマブ(R-CHOP)、またはCHOP単独に無作為に割付けられました。割り付けられた治療の完了後、腫瘍が消失したか、有意に縮小していた患者は再度無作為に割り付けられました。
この試験は、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)、the Cancer and Leukemia Group B(CLGB)、 the Southwest Oncology Group(SOG)の研究者によって実施されました。これは、癌の大規模、多施設臨床試験を行うための国立癌研究所(NCI)によって支援された9つの研究グループのうちの3つです。試験責任医師は、ロチェスター(ミネソタ)のメイヨークリニックのThomas M. Habermann医師でした。

結果
追跡期間中央値3 年半後の時点で、最初のランダム化によってR-CHOPを受けた53パーセントの患者は、病気の再発なく(failure-free survivalと呼ばれる)生存していました。CHOP単独治療の対照群では再発なしで生存していたのは46パーセントでした。これらの結果は統計学的に有意でした。しかし、全生存率には有意差はありませんでした。副作用は、2つのグループの間で同程度でした。
二度目にランダム化された患者の中で、リツキシマブ維持療法を受けた患者の76%は2年後に無病で生存していました。経過観察グループでは61%でした。この試験結果は統計学的に有意でした。しかし、この場合も全生存率に関しては有意差がありませんでした。
最初にCHOPのみの治療を受けた患者のグループにおいて、経過観察のみの患者が49%であったのと比較して、引き続いてリツキシマブ維持療法を受けた患者の74%が2年後に無病で生存していました。しかし、導入療法(R-CHOP)と維持療法の両方でリツキシマブ治療を受けた患者では、導入療法(R-CHOP)後に経過観察のみの患者以上の好結果とはなりませんでした。言い換えれば、R-CHOP群の患者にとってリツキシマブ維持療法は追加効果もたらしませんでした。

コメント
「われわれは、高齢者(B細胞リンパ腫患者)のための標準治療として、R-CHOPを推薦します」と、試験の執筆者は書いています。
Michael Bishop医師(国立癌研究所癌リサーチ研究所(National Cancer Institute’s Center for Cancer Research))は、同意しています。「R-CHOPは、高齢のB細胞リンパ腫患者の標準治療となりました」と、彼は言います。「CHOP導入療法に対する患者の反応をもとにリツキシマブ維持療法を行うのは、CHOPのみで奏功しない患者が可能性のある治療を受けるのを拒否することになります。」

制限事項
この研究は高齢の患者で行われました。この結果はB細胞リンパ腫の若い人々には適応されないかもしれませんと、Bishop医師は言いました。

(野中希 訳・林 正樹(血液・腫瘍科) 監修)

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