2010/11/02号◆FDA最新情報「GnRHアゴニスト警告」「ダサチニブCML承認」「トラスツズマブ胃癌承認」 | 海外がん医療情報リファレンス

2010/11/02号◆FDA最新情報「GnRHアゴニスト警告」「ダサチニブCML承認」「トラスツズマブ胃癌承認」

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2010/11/02号◆FDA最新情報「GnRHアゴニスト警告」「ダサチニブCML承認」「トラスツズマブ胃癌承認」

同号原文
NCI Cancer Bulletin2010年11月02日号(Volume 7 / Number 21)


日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中〜

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FDA最新情報
・前立腺癌治療薬の添付文書に警告追加などの変更
・ダサチニブが慢性骨髄性白血病の第一選択薬として承認取得
・トラスツズマブが胃癌の分子標的薬として初めて承認取得
前立腺癌治療薬の添付文書に警告追加などの変更

FDAは、前立腺癌治療薬の一種であるゴナドトロピン放出ホルモン作動薬(GnRHアゴニスト)の添付文書に変更を加えると発表した。GnRHアゴニストによるアンドロゲン除去療法を受けている男性では心血管疾患および糖尿病の潜在的リスクがあり、今回の変更では、このリスクに関する警告が追加される。

FDAによると、今年5月、GnRHアゴニスト投与患者では糖尿病、心臓発作、脳卒中および突然死のリスクがわずかに上昇することが、現在継続中の解析の予備結果から判明した。FDAは最新の発表のなかで、これらの疾患の危険因子に関する患者の評価を医療従事者に要請するとともに、GnRHアゴニストの投与を受けている患者は血糖値および糖化ヘモグロビンの検査を定期的に受けるべきであるとしている。

GnRHアゴニストは、Eligard、Lupron、Synarel、Trelstar、Vantas、Viadurおよびゾラデックスの商品名で販売されている。ジェネリックも数種類市販されている。

ダサチニブが慢性骨髄性白血病の第一選択薬として承認

FDAは先週、慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)患者に対する第一選択薬としてダサチニブ(スプリセル)を迅速承認したことを発表した。ダサチニブは、すでにCML治療薬として承認されているイマチニブ(グリベック)およびニロチニブ(タシグナ)の2剤と同様に、CML発症の要因となるBCR-ABL融合遺伝子を標的としている。この融合遺伝子が産生するタンパク質は、CMLの特徴である白血球の過剰産生を促進する。

今回の迅速承認は、今年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会で報告された臨床試験結果に基づくものである。この試験結果から、ダサチニブ投与患者はイマチニブ投与患者と比べ、12カ月の追跡期間後における完全緩解(CR)達成率が高いことが示された。迅速承認とは、FDAが入手可能なデータに基づいて、いまだ満たされていない医学的必要性に対応すると判断した薬剤を承認できる制度である。ダサチニブの製造業者であるブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、この承認に基づき、本剤に関するさらに長期の有効性および安全性データを収集するよう要請を受けた。

ダサチニブは、CML患者でイマチニブなど他の薬剤により効果が得られなかった患者や耐性を持つようになった患者に対する治療薬として、すでにFDAの承認を取得している。

トラスツズマブが胃癌の分子標的薬として初めて承認取得

FDAはトラスツズマブ(ハーセプチン)を胃癌の治療薬として追加承認した。この承認は、HER2タンパクを過剰発現した転移性胃癌または胃食道接合部癌に対するトラスツズマブと化学療法の併用に関するものである。

トラスツズマブは今回の承認決定により、過去20年間、治療法にほとんど進展がなかった胃癌に対する初めての分子標的薬となった。FDAによる決定は、HER2陽性腫瘍がある600人近くの患者を対象として、トラスツズマブおよび化学療法(シスプラチンカペシタビンまたはフルオロウラシル)の併用を化学療法の単独施行と比較したToGA試験の結果に基づいている。

去年8月にThe Lancet誌に発表されたToGA試験の結果から、トラスツズマブ群の患者では全生存期間が中央値で2.7カ月延長したことが示された。FDAによれば、最新の解析では2.4カ月の生存期間延長が示され、腫瘍におけるHER2タンパクの過剰発現が免疫組織化学検査により最大強度であった患者では、最も確実な延命効果が認められた。

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市中 芳江 訳
辻村 信一(獣医学/農学博士・メディカルライター)監修

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