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非扁平上皮非小細胞肺がんのニボ+化学療法、全生存の有意な改善なし

非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する初回治療としてのニボルマブ+化学療法による全生存期間(OS)は、化学療法のみとの比較で統計学的に有意な改善を認めず、主要評価項目を満たさなかった。しかし、扁平上皮非小細胞肺がん患者群およびランダム化された全患者群で、この併用療法により全生存期間の改善がみられた。また、ニボルマブ(販売名:オプジーボ)+化学療法を受けたすべての群において、化学療法のみの場合よりも無増悪生存期間(PFS)が延長し、奏効率(ORR)が改善された。これは、12月11日から14日にスイスのジュネーブで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2019年免疫腫瘍学会で発表された第3相CheckMate 227臨床試験の結果である。

スペイン、マドリードの”12 de Octubre”大学病院腫瘍内科、コンプルテンセ大学およびCiberOnc(訳者注:スペインの研究組織)所属のLuiz Paz-Ares教授は、複数パートで構成された第3相CheckMate 227(NCT02477826)非盲検ランダム化第3相試験のうち初回治療としてのニボルマブ+化学療法と化学療法単独を比較するパート2の最終解析結果を発表した。

CheckMate 227には、化学療法による治療歴のない、ECOGパフォーマンスステータス0~1、IV期または再発の非小細胞肺がん患者755人が組み入れられた。患者には(薬剤)感受性のEGFR/ALK変異がないことが求められた。

患者は1:1のランダム化の後、377人がニボルマブ360 mgを最大2年間+組織型に基づいて決められた化学療法を最大4サイクル、病勢の進行または忍容できない毒性の発現まで投与する群に割り付けられ、378人が同じ化学療法レジメンを投与する群に割り付けられた。治療群間で患者背景は全般的に均衡がとれていた。患者は組織型(扁平上皮または非扁平上皮)、性別、およびPD-L1発現状況(1%未満または1%以上)により層別化された。非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対してはペメトレキセドによる維持療法が施行可能であった。主要評価項目は、非扁平上皮非小細胞肺がん患者における化学療法と比較したニボルマブ+化学療法による全生存期間であり、副次的評価項目はランダム化された全患者における全生存期間であった。

非扁平上皮非小細胞肺がん患者でニボルマブ併用療法を受けた270人と化学療法のみを受けた273人の全生存期間を最小追跡期間19.5カ月時点で比較すると、ニボルマブ+化学療法は化学療法のみに対して統計的に有意な全生存期間の改善を示さなかった。全生存期間の中央値はニボルマブ+化学療法で18.8カ月に対して化学療法のみでは15.6カ月であった(ハザード比[HR]0.86、95%信頼区間[CI]0.69~1.08、p=0.1859)。全生存イベント(訳注:あらゆる原因による死亡)はニボルマブ+化学療法群で計156件(57.8%)、化学療法群で計164件(60.1%)発生し、1年時点での全生存率はニボルマブ+化学療法群で67.3%、化学療法群で59.2%であった。

化学療法にニボルマブを上乗せする効果は、扁平上皮がんの患者やすべての非小細胞肺がん患者においてより顕著に認められた。扁平上皮非小細胞肺がん患者でニボルマブ+化学療法を受けた107人と化学療法のみを受けた105人を比較すると、全生存期間中央値はそれぞれ18.3カ月および12.0カ月(HR:0.69、95%CI:0.50~0.97)、12カ月時点での全生存率はそれぞれ66.1%および48.5%であった。

試験対象集団全体では、全生存期間中央値はニボルマブ+化学療法群377人で18.3カ月に対して化学療法群では14.7カ月であり(HR:0.81、95%CI:0.67~0.97)、12カ月時点での全生存率はそれぞれ66.9%および56.2%であった。

無増悪生存期間および奏効率は3群のいずれでもニボルマブ+化学療法が上回った

非扁平上皮非小細胞肺がん患者における無増悪生存期間中央値はニボルマブ+化学療法群で8.7カ月に対して化学療法群では5.8カ月であり(HR:0.67、95%CI:0.55~0.82)、12カ月時点での無増悪生存率はそれぞれ39.5%および25.7%であった。奏効率はそれぞれ48.1%および29.3%であった。

扁平上皮肺がん患者においては、無増悪生存期間中央値はニボルマブ+化学療法群で7.1カ月に対して化学療法群では4.4カ月であり(HR:0.51、95%CI:0.37~0.70)、12カ月時点での無増悪生存率はそれぞれ31.7%および9.3%であった。奏効率はそれぞれ59.8%および32.4%であった。

患者全体では、無増悪生存期間中央値はニボルマブ+化学療法群で8.4カ月に対して化学療法群では5.5カ月であり(HR:0.62、95%CI:0.52~0.73)、12カ月時点での無増悪生存率はそれぞれ37.3%および21.3%であった。奏効率はそれぞれ51.5%および30.2%であった。

治療に関連したグレード3/4の有害事象発現率は、ニボルマブ+化学療法を受けた全患者で45%、化学療法を受けた全患者で35%であった。ニボルマブ+化学療法群で治療の安全性に懸念を抱かせるような新たな徴候は認められなかった。

結論

CheckMate 227 Part 2において非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対するニボルマブ+化学療法は、化学療法のみとの比較で主要評価項目である全生存期間の改善を示すことができなかったが、記述的解析においては、扁平上皮非小細胞肺がん患者およびランダム化された全患者でニボルマブ+化学療法により全生存期間が延長した。無増悪生存率および奏効率は、非扁平上皮非小細胞肺がん患者群を含む3群のいずれでも化学療法のみよりニボルマブ+化学療法が上回った。

情報開示

本臨床試験はブリストル・マイヤーズ スクイブ社から資金提供を受けた。

参考文献

LBA3 – Paz-Ares L, Ciuleanu TE, Yu X, et al. Nivolumab (NIVO) + platinum-doublet chemotherapy (chemo) vs chemo as first-line (1L) treatment (tx) for advanced non-small cell lung cancer (aNSCLC): CheckMate 227 – part 2 final analysis.

翻訳角坂功

監修田中文啓(呼吸器外科/産業医科大学)

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