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進行固形がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の有効性に性差

単剤療法または化学療法との併用療法で免疫チェックポイント阻害剤を投与された男性と女性では、生存期間にも差がみられた

スペインのバルセロナで開催された2019年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)において、第3相ランダム化比較試験のメタ解析の結果が発表され、進行固形がんに対して使用する免疫療法薬の反応に性差があることが示された。

イタリア、ミラノの欧州腫瘍研究所でメラノーマや肉腫、希少がんの腫瘍学を専門としているFabio Conforti氏らは、抗CTLA-4薬や抗PD-1薬が、女性よりも男性で効果的であると以前に報告している。彼らは現在、進行固形がんの男性および女性患者における抗P-D1薬や抗PD-L1薬の単剤療法、および化学療法との併用療法を評価する試験のメタ解析を行っている。

このメタ解析を実施する前に、彼らはまず、進行/転移固形がんの患者に対して単剤療法または化学療法との併用療法で抗PD-1薬または抗PD-L1薬を使用したすべてのランダム化比較試験をレビューした。

メタ解析の主要評価では、対数ハザード比(HR)として表現した生存期間(OS)の差を測定し、男性と女性の治療効果の差を評価した。ランダム効果モデルを使用して、統合した生存期間ハザード比と95%信頼区間(CI)を男女別で計算し、2つの推定値間の異質性は交互作用テストで評価した。

評価対象の16試験のうち15試験で、免疫療法薬による単剤療法は、男性でより効果的
研究者らは、抗PD-1薬または抗PD-L1薬の単剤療法と標準化学療法を比較した第3相ランダム化比較試験を16試験特定した。メラノーマ患者を対象とした試験が2件、非小細胞肺がん(NSCLC)が8件、頭頸部扁平上皮がんが2件、胃がんが2件、腎がんが1件、尿路上皮がんが1件であった。

進行固形がん患者9291人のデータを解析した結果、単剤で免疫療法を受けた男性でより大きな効果を示した。評価対象の16試験のうち15試験において、抗PD-1薬または抗PD-L1薬の単剤療法を受けた女性よりも男性において生存(OS)が有意に延長していた。統合した生存期間ハザード比は、男性で0.73(95%信頼区間[CI]、0.69-0.78)、女性で0.86(95%CI、0.78-0.94)であった(異質性検定p = 0.0079)。

【表は原文を参照のこと】

介入治療に割り当てられた患者の死亡ハザード比を、性別および免疫療法戦略の種類(抗PD-1 / PD-L1薬の単剤療法または化学療法との併用療法)に応じて、対照治療群と比較した。
正方形は個々の試験のハザード比を示しており、そのサイズは推定の精度に比例している(つまり、分散の逆数)。水平方向の線は95%信頼区間を示している。

ひし形は各種の免疫療法について男女別に計算した統合ハザード比と、対応する95%CIを示している(図の上部は、抗PD-1 / PD-L1薬の単剤療法、下部は化学療法との併用療法)。

縦方向の破線は性別ごとの統合ハザード比を示し、縦方向の実線はハザード比 = 1を示している。これは帰無仮説を示す値である(つまり、治療の種類と死亡リスクの間に関連性がないことを示している)。異質性のp値は、交互作用HRのメタ解析を指している(帰無仮説:女性と男性に対する免疫療法に効果の差はない)。

略語:NSCLC:非小細胞肺がん、SCLC:小細胞肺がん、RCC:腎細胞がん、CI:信頼区間、HR:ハザード比

肺がんに対する免疫療法と化学療法の併用療法では、女性で生存期間が延長した
2979人の患者のデータを含む抗PD-1薬または抗PD-L1薬と化学療法との併用療法と標準化学療法を比較した5件の第3相ランダム化比較試験についてさらに解析すると、反対の結果であった。

非小細胞肺がんを対象とした試験が4件、小細胞肺がんを対象とした試験が1件であったが、5試験すべてにおいて、生存(OS)は男性よりも女性で有意に延長していた。統合した生存期間ハザード比は、男性で0.76(95%CI、0.66-0.87)であったのに対し、女性では0.50(95%CI、0.41-0.60)であった(異質性検定p = 0.0003)。

結論
著者らは、メタ解析により、患者の性別と、単剤療法または化学療法と併用療法で使用される抗PD-1薬または抗PD-L1薬の有効性には顕著に有意な関連性があることが確認されたと結論付けた。

分析したさまざまながん種において、2つの免疫療法戦略は反対の結果を示していた。女性では化学療法と抗PD-1 / PD-L1薬との併用療法において、男性では単剤で投与した免疫療法において、より有効であったと彼らは述べている。

引用 1.Conforti F, Pala L, Bagnardi V, et al. Lancet Oncol 2018;19:737–746.

ディスクロージャー 外部からの資金提供はなかった

参考文献:1285P – Conforti F, Pala L. Sex-based heterogeneity of efficacy of anticancer immunotherapy.

翻訳河合加奈

監修吉松由貴(呼吸器内科/飯塚病院)

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原文掲載日

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