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補完代替医療の利用は、第3相がん臨床試験参加者で比較的多い

補完医療は主に全身状態が良好で転移している部位が少ない若年患者に利用されている

カナダがん臨床試験グループ(CCTG)によって実施された乳がん、肺がんまたは大腸がんの第3相臨床試験に参加した患者の約5人に1人は補完医療も利用していた。補完医療の利用は肺がん患者の生存率改善に関連していたが、これらのコホート(補完医療利用者)は患者の試験参加前の特性が良好であった。これらの知見はスペインのバルセロナで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2019年学術大会で発表された。

筆頭著者のJohn C. Wells医師(カナダ、キングストン、クィーンズ大学内科学)は、補完医療はしばしばがん患者によって従来の治療法と併用されているが、第3相臨床試験の患者による利用頻度および患者の転帰は、いまだに明らかにされていないと述べた。

今回の解析では、CCTGが実施した第3相臨床試験に登録された補完医療利用者の特性および転帰を調べた。この解析には転移を伴う乳がん(17.7%)、大腸がん(44.4%)および非小細胞肺がんを治療中で、6つの国際第3相臨床試験(MA.31 – NCT00667251; CO.17 – NCT00079066, CO.20 – NCT00640471, CO.23 – NCT01830621; BR.21- NCT00036647, BR.26- NCT01000025)に参加している患者3,446人のデータが含まれていた。

使用されたすべての薬剤は、著者のうち2人が単独で検証のうえ補完医療を特定し、食い違いがあった場合は第三著者によって見直され、最終リストを合意により承認した。カイ二乗およびロジスティック回帰分析を用いて、補完医療利用に関連する患者特性を決定した。傾向スコア層別化により、補完医療の利用者と非利用者間で全生存(OS)、グレード3以上の有害事象(AE)および生活の質(QoL)スケール(EORTC-QLQ-C30)を比較した。

研究者らは、患者が利用していた24,908種類の薬剤のうち補完医療とみなされる651種類(2.6%)の薬剤を特定した。この研究において、補完医療は天然物とホメオパシーとして定義された。

全体として、補完医療は患者の20.4%に利用されていた。補完医療の利用は、より少ない有害事象と関連があった(p = 0.02、61.5%対50.0%)。また、補完医療の利用は、疼痛、便秘および役割についての患者による主観的QoLの低評価と関連があった。しかし、補完医療の利用はQoLの全般的な悪化までの時間には影響しなかった[ハザード比(HR):1.07、95%信頼区間(CI)0.94~1.21(p = 0.22)]。

がん種ごとの解析で明らかになったこととして、肺がん患者による補完医療の利用は、ECOG全身状態(PS)スコア0~1対2以上、体重減少5%未満、非喫煙状態および東アジア民族性(全体 p < 0.05)と関連があった。

大腸がんでは、補完医療の利用は年齢65歳未満、PSスコア0~1対2以上、転移部位数の少なさおよび正常ヘモグロビン値と関連があった。

乳がん患者では、補完医療の利用は年齢50歳未満についてのみ関連があった。

肺がんの全生存は、補完医療の利用で望ましい結果を示した[HR:0.80、95%CI:0.68~0.94(p = 0.005)]。全生存についてのハザード比は、大腸がんでHR:0.87、95%CI、0.75~1.02(p = 0.08)、乳がんでHR:0.85、95%CI、0.61~1.19(p = 0.35)であった。

結論
補完医療の利用は肺がん、乳がんおよび大腸がんの第3相臨床試験に登録された患者に比較的多く認められた。補完医療の利用は、比較的若年で全身状態が良い患者に多い傾向がある。補完医療の利用者はQoLを比較的低く報告していたが、悪化までの時間や有害事象発症率は補完医療の利用とは関連していなかった。

肺がんの臨床試験での全生存に関するハザード比は、補完医療の利用者でより好結果を示した。しかし、著者らはこの点について、本研究の後ろ向き/事後解析といった特性や補完医療を利用している患者のベースライン特性が比較的良好であったことを考慮して解釈するよう助言している。

開示
外部からの資金援助については公開されていない。

参考文献
1758PD – Wells JC, Sidhu A, Ding K, et al. Complementary Medicine (CM) Use in Phase III Clinical Trials (P3T) Conducted by the Canadian Cancer Trials Group (CCTG).

翻訳太田奈津美

監修大野 智(補完代替医療、免疫療法/島根大学・臨床研究センター)

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