[ 記事 ]

ダブラフェニブ+トラメチニブ併用は一部の転移メラノーマの5年転帰を改善

BRAF V600遺伝子に変異がある切除不能または転移性メラノーマの長期的転帰
著名なメラノーマ(悪性黒色腫)研究チームが、5年生存率および治療効果が持続する患者の特徴を特定するために、2つの臨床試験(未治療の患者を対象にBRAF阻害剤ダブラフェニブ+ MEK阻害剤トラメチニブを投与したCOMBI-d臨床試験およびCOMBI-v臨床試験)から集めた長期生存データを解析した。同チームは、ダブラフェニブ+トラメチニブを用いた一次治療が、BRAF V600EまたはV600K遺伝子に変異がある、切除不能または転移性メラノーマ患者の約3分の1において長期的な利益をもたらすことを見出した。

この結果は、マウントバーノンがんセンター(英国ノースウッド)のPaul Nathan医師が2019年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表すると同時に、ギュスターブ ・ロシイがん研究所およびパリ南パリサクレー大学(仏ヴィルジュイフ)のCaroline Robert医師が責任著者および共著者としてNew England Journal of Medicine誌で発表した。

著者らは論文の研究背景として、BRAF V600EまたはV600K遺伝子に変異がある、切除不能または転移性メラノーマ患者は、BRAF阻害剤+MEK阻害剤を用いた治療を受けた場合、無増悪生存期間および全生存期間が延長すると説明した。しかし、上記患者の長期臨床予後については明らかになっていなかった。

したがって、研究チームは、長期生存効果とベースラインにおける予後予測因子を調査するために、治療歴のない患者を対象にダブラフェニブ150mg 1日2回+トラメチニブ2 mg1日1回を投与したCOMBI-d試験およびCOMBI-v試験から集めた長期生存データを分析した。

追跡期間の中央値は22カ月であった(範囲、0〜76カ月)。COMBI-dおよびCOMBI-v試験の主要評価項目は、無増悪生存期間および全生存期間であった。合計563人の患者が、ダブラフェニブ+トラメチニブ投与に無作為に割り付けられていた(COMBI-d試験で211人、COMBI-v試験で352人)。

無増悪生存率は4年目で21%、5年目で19%であった。全生存率は4年目で37%、5年目で34%であった。多変量解析において、いくつかのベースライン因子(例:全身状態、年齢、性別、転移がある臓器部位数、および乳酸脱水素酵素レベル)は、無増悪生存率と全生存率の両方に有意に関連していた。 患者109人(19%)が完全奏効し、5年目の全生存率は71%で、長期転帰の改善と関連していた。

これは、治療歴がなくBRAF阻害剤+MEK阻害剤治療を受けた、BRAF V600遺伝子変異陽性、切除不能または転移性メラノーマ患者に関する最大のデータセットおよび最長の追跡期間である。

著者らは、ダブラフェニブ+トラメチニブにより患者の約5分の1が5年間病勢コントロールができており、約3分の1が5年間生存したと結論づけた。完全奏効は長期的利益の強い予測因子となると思われる。ベースライン全身腫瘍組織量が少なく、腫瘍生物学的浸潤性が低いことが、無増悪生存期間と全生存期間の延長と関連していた。

これらの結果は、ダブラフェニブ+トラメチニブを用いた一次治療がかなりの規模の患者集団において長期生存利益をもたらすことを示唆している。

本研究はGlaxoSmithKline社および Novartis社から資金援助を受けた。

参考資料

Robert C, Grob JJ, Stroyakovskiy D, et al. Five-Year Outcomes with Dabrafenib plus Trametinib in Metastatic Melanoma. NEJM; Published online on 4 June, 2019. DOI: 10.1056/NEJMoa1904059.

翻訳有田香名美

監修前田 梓(医学生物物理学/トロント大学)

原文を見る

原文掲載日

【免責事項】

当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。
翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

関連記事