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スーテント(スニチニブ、SU11248) 新しい腎癌治療薬の奏効率は標準治療の2倍以上

  • 2005年5月1日

原文 
新しい腎癌治療薬の奏効率はスタンダード治療奏効率の2倍以上
メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター 2005/5

オーランド、2005年5月14日-新しい抗癌剤の先ごろ行われた試験で、末期腎癌の患者で継続した奏効が観察された。Memorial Sloan-Kettering Cancer Center (MSKCC、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター)の担当医師であるRobert Motzer医師は、セカンドライン治療でSU11248の投与を受けた転移性(進行性)腎細胞(腎臓)癌の患者における40パーセントの奏効率を報告した。169例からなる2つの連続する第II相多施設試験からの知見が本日、American Society for Clinical Oncology(ASCO, 米国臨床腫瘍学会)の年次総会で発表された。

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「われわれは、昨年のASCOの年次総会で最初に報告した、腎細胞癌に対するSU11248治療の試験を継続し、40パーセントの患者で部分寛解を認め、その25例のうち6例で12ヶ月以上も継続する奏効を認めた。」と試験の責任医師であるMotzer医師は言う。「第2回目の試験では、部分寛解・完全寛解の両方が観察されており、標準治療では15パーセントの奏効率しかもたらさない疾患の治療においてSU11248は、非常に有効な薬剤であることを示している。」

初回の試験では、標準治療が無効であった転移性腎細胞癌の63例がSU11248の投与を受けた。63例のうち25例(40パーセント)で薬剤に対する部分寛解が観察され、21例(33パーセント)で疾患が安定した。部分寛解を得た25例の部分寛解期間の中央値は、10ヵ月強であった。治療の結果腫瘍が手術可能となった2例を含め、8例は報告時点で癌の進行が認められなかった。病勢進行までの期間の中央値は8.7ヵ月、生存期間の中央値は16ヵ月であった。6例は現時点でも治療中である。

 

第2回目の試験では、106例が治療を受け、奏効率の評価を受けた。106例のうち、癌が完全に寛解している1例を含む41例(39パーセント)は、30パーセント以上の腫瘍の縮小が得られた。薬剤は概して非常に耐用性があり、疲労、嘔気、下痢、口内炎を含む軽度から中等度の副作用が認められた。

 

米国臨床腫瘍学会の推定によると、今年おそらく、約36,160人に腎癌の診断が下されると予測し、22,490人は男性であるだろう、とのことである。腎癌はおよそ12,660人の死亡に関与し、そのほぼ3分の2は男性であるとの予測である。転移性腎癌の標準治療は、インターロイキン-2とインターフェロン-アルファである。これらの薬剤は、15パーセントの奏効率があり、事実上、投与を受けた全ての患者に著しい副作用が生じる。

 

経口で投与された薬剤SU11248は、血管内皮増殖因子受容体と血小板由来増殖因子受容体という2つの増殖因子受容体を同時にブロックすることで作用する複数標的としたチロシン・キナーゼ阻害剤である。複数の受容体を標的とすることで、SU11248は腫瘍への血液供給を阻止し細胞の増殖を破壊する。

 

メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、カリフォルニア大学サンフランシスコ校、マサチューセッツ総合病院、ミシガン大学病院、フォックス・チェイスがんセンター、ウイスコンシン大学、クリーブランド・クリニック・ファウンデーション、デューク大学から、SU11248試験グループの医師らは、Motzer医師が指揮を取る多施設試験に参加した。その試験は、ファイザー製薬の後援で行われた。

 

メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターは、癌における予防、患者のケア、研究と教育に寄与している世界最古で最大の施設である。この施設の科学者および臨床医は、癌のより深い理解や診断、治療のために新しいアプローチを生み出している。ここでの専門家らはバイオ医学研究における第一人者であり、世界の標準癌ケアの進歩のために最新の研究を実施しているリーダーである。

 

(ウルフ 訳・Dr.榎本 裕(泌尿器科) 監修)

 

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